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インドは確認できているだけでも、約1億6,000万台ものバイクが登録されている超バイク大国です。世界一ホットな市場といっても過言ではない同国には、日本ではまず見ないバイクが数多く存在しています。
筆者が滞在する南インドだけでも盛りだくさん。今回は日課の散歩の中でひときわ目についたバイクを紹介していきます。
お値段以上が魅力 HERO「Impulse 150」
HEROはインドで1番といっても過言ではない超人気メーカーです。理由はズバリその値段にあります。例えば、こちらのImpulse 150。新車販売価格はたったの約11万円ととんでもなく安い!
ちなみにImpulse 150はHeroが初めて生産したオフロードバイクでもあるんです。筆者が滞在する村はビーチが有名なのですが、砂浜の上を颯爽と走り抜ける姿をよく見かけます。
またシートには近年レースのスポンサーでよく見かけるMonster Energyロゴのあしらいが。オレンジカラーで躍動感ある攻めのイメージを醸し出しています。
今を生きるクラシック Royal Enfield「Classic 350」
インドのクルーザーといえばやはりロイヤルエンフィールド。100年以上も前にイギリスで誕生した、現存する世界最古のバイクメーカーです。1950年代に子会社を植民地だったインドに設置するも、なんと親会社の方が先に倒産の憂き目に合ってしまいます。その一方でインドは順風満帆な経営状況だったため、こちらが本家となり今現在も存続しています。
ハーレーダビッドソンがインドで売れないのはロイヤルエンフィールドがシェアを総取りしているからであることは明らか。インド人はみんなロイヤルエンフィールドが大好きです。
このシートを支えるスプリングが1950年代から継承されつづけているロイヤルエンフィールドの特長のひとつです。インドは道が悪く、舗装されていない場所が多いので、さらにショックを吸収してくれる機構は助かります。
タフなアメリカン BAJAJ「Avenger 180」
インドで10台クルーザーを見たら8台はロイヤルエンフィールド、そして残りの2台にあたるのがBAJAJです。同メーカーを代表する「Avenger 180」は同じクルーザーモデルといっても、イギリスの古い伝統を守るロイヤルエンフィールドと比べるとアメリカンな印象を受けます。
レッドは2015年までに採用されていたカラー。そして下の画像のビシッとブラックにキメているのが2016年以降のモデルです。引き締まった印象を受けます。
ちなみにこのバイクのオーナーはカナダ人のおじいさんで、1週間かけて北インドから旅してきたんだとか。悪路に耐えるタフなバイクはインドでロングツーリングを楽しむのにもってこいです。
インドのバイク史に残る名車 HERO HONDA 「Splendor」
そう、日本のホンダです。実はHEROは1984年から2010年まではホンダとの合併会社だったのです。当時からインド最大手の自転車メーカーだったHEROの販売網をそのまま活用しつつ、ホンダの技術力を吸収することでHERO HONDAは一躍インドを代表するバイクメーカーになりました。
そんな合資会社時代の一台がこちらの「Splender」。特筆すべきは、ホンダが1980年に発売したCBR250RSをベースにしつつ、エンジンにはホンダがタイで生産していたSuperCub C100EX、いわゆるタイカブと同系統のものを積んでいること。まさホンダのバイクです。
日本の技術をHEROの名のもとに国内で、しかも日本円にして10万円を切る価格で手に入れられるということから、一時期インド国内の年間販売台数が100万台を超えたこともあったほど人気を博していました。インドのバイク史に残るクラシック中のクラシックです。
おまけ:実はインドと縁が深いKTM「390DUKE」
日本でもちらほら見かけるオレンジ色のフレームが特徴的なこのバイク。オーストリアのKTMが製造する390DUKEです。インドなのにオーストラリアのバイクというのは少し意外にも感じますが、国内では若年層を中心に人気を集めています。
というのもこのバイク、KTMとBAJAJ二社で共同開発していたこともあり、インドで受け入れられるのが早かったのです。
2013年、世界で一番速くこのバイクが販売された国もインドでした。これだけ縁が深ければ。もはやインド産といってもいいのかもしれません。
さらなるインド市場の盛り上がりから目が離せない!
インドは世界で中国についで2番目に人口の多い国です。国の近代化に人口は増加する一方。インドが国内で保有するという1億6,000万台は人口と比較すると10%をわずかに超えているほどでしかなく、今後インドでのバイク需要のさらなる高まりが予測されます。
インドのバイク技術の進歩に期待です!