日本の大手企業である「旭化成株式会社」の樹脂を用いた、イタリアンスタイルのモダンな電動バイク「Iso UNO-X」が、先日香港で発売されました。

それでは、ランボルギーニ家の3代目でCIV Moto2 チャンピオンシップの覇者である「フェルッチョ・ランボルギーニ」氏と深い関わりのある、電動モビリティをご紹介しましょう！

モダンな電動バイク「Iso UNO-X」

1939年に「Isothermos」という名前で設立され、モペット、オートバイ、クルマなどの製造を手がけていたイタリアブランドの「Iso」。1974年に一度は幕を閉じたものの、イタリアの起業家でオートバイレースチャンピオンである、「フェルッチオ・ランボルギーニ」によって再び復活を遂げました。そして、ユニークでプレミアムな電動バイクを市場に投入するために、何年もの歳月を費やし、完成した電動バイクがこちらの「Iso UNO-X」です。

旭化成株式会社の「ザイロン™」と「レオナ™」樹脂を使用

Iso UNO-Xには、サランラップやジップロックで馴染みのある、旭化成株式会社の変性PPE樹脂「ザイロン™」とポリアミド樹脂「レオナ™」が採用されています。

リチウムイオン電池(LIB)カバー向けに「ザイロン™ 443Z」、モーターカバー向けに「レオナ™ 53G33」が使われ、CAE(Computer Aided Engineering)シミュレーションツールによる設計最適化サービスも旭化成が提供しています。

また、射出成形における充填や反り、ゲートの最適化解析等が行われ、部品設計から金型製作のスピードアップにも貢献しました。

LIBカバー(ザイロン™ 443Zの使用例)

「ザイロン™ 443Z」は、難燃性(V0)、高い耐衝撃性、軽量化、電解液耐性、寸法安定性、絶縁性を特徴としています。

モーターカバー(レオナ™ 53G33の使用例)

一方、「レオナ™ 53G33」は、高い機械的強度、低吸水性、耐加水分解性、耐塩化カルシウム性を備えています。

「Iso UNO-X」の詳細

そんなIso UNO-Xは、Iso Motorcyclesブランドの車両固定型バッテリーを搭載した電動バイクで、モダンかつスポーティなデザインが特徴的です。

最高出力11馬力(8.5kW)のモーターを搭載し、最高速度は115km/hで、わずか4秒未満で0～50km/hまでの素早い加速を実現します。航続距離はスポーツモードで約100km、エコモードで約130kmですので、普段使いからちょっとした遠出に充分でしょう。

また、アルミニウム製のスイングアーム、ディスクブレーキ、コイルスプリングサスペンション、ピレリのエンジェルタイヤを装備しており、さまざまなシーンで安定したライディングを保証します。

カラーライナップは全部5色

カラーラインアップは、グロスエンデンジャーレッド×ブラック、グロスゴーストグレー×ブラック、グロスブラック×バーガンディブラウン、マットルーセントホワイト×パステルブルー、グロスロイヤルブルー×ブラックの5色展開です。

また、Iso UNO-Xは2023年7月16日(日)より、すでに香港で発売が開始されています。

「Iso UNO-X」のディテール

モダンなスタイルに貢献する2灯のプロジェクターLEDヘッドライトが縦に配列されています。

7インチサイズのLCDディスプレイ(タッチスクリーンシステム)を搭載し、アプリを介して車両の制御や走行距離、リアルタイムのステータスを確認することができます。

電源ボタン、ハザード、ウィンカー、モード切り替え位に至るまで、スイッチ類はバイクと同じでハンドル周りに集約されています。また、一般的なバイクと同様に、ひねるタイプの「ツイストスロットル」が採用されています。

強度に優れたスチール製のダブルクレードルシャーシを採用し、中央に配置された社内開発による最先端の「Li-NMC セルバッテリー」を保護します。バッテリーはフレーム下側に配置され、低重心となり、高速走行時でも安定した走行が可能です。

Iso UNO-Xは電動バイクとしては珍しく、25Lのメットインスペースを備えています。このスペースはヘルメットやバイク用品だけでなく、買い物にも便利です。

また、充電はメットインスペースからアクセスできます。

日本では未発売

残念ながら、現時点では日本未発売ですが、フェルッチョ・ランボルギーニ氏は、今後はアジアでの市場開設を考えてており、最初はタイでの販売を検討しているということなので、もしかすると日本での発売もあるかもしれません。

信頼の置ける、大企業の旭化成株式会社が一部携わった電動バイクですので、同じ日本人としては全力で応援したいですね！

「Iso UNO-X」のスペック