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皆様は、「ローブローアートまたはロウブロウアート(英記:Lowbrow Art)」というアートのジャンルをご存知でしょうか。
“ローブロー”とは、辞書で調べると、低俗で教養の低い人、低い階級な人という意味になるのですが、ポップアートやシュルレアリスムなど、現代美術史を語る上で、多大な影響を及ぼした一大ムーヴメントなのです。
ローブローアートの歴史を紐解く
ローブローアートの歴史はまだ浅く、1970年代後半にカリフォルニア・ロサンゼルスにて産声をあげました。
当時、絵画等の作品は富裕層の趣向品であり、一般大衆が楽しむような代物ではありませんでした。そこに対するカウンターカルチャーとして、ローブローアートは広く一般大衆の間で行き渡ったアートムーヴメントなのです。日本でも大名など位の高い人々向けの絵画として、狩野派などの作品がありますが、もっと一般大衆向けに派生していった浮世絵が近いのかもしれません。
ローブローアートの起源としては、アンダーグラウンド・コミックスやパンクロック、ホットロッド、ストリートカルチャー、タトゥー、などのサブカルチャーを取り込でおり、陽気なユーモアセンスと、風刺画のような悪ふざけや皮肉的な表現が多く用いられていました。また、個性的主張も非常に強いものでした。
ローブローアートとは絵画のみ?
基本的には、ローブローアートというと絵画を指すことが多いが、スカルプチャーのようなおもちゃや、デジタルアート、彫刻など、様々な表現方法で作品化されています。
日本でもローブローアートは浸透しており、有名なところだと「Rat Fink(ラットフィンク)」を生み出した「Ed Roth(エド・ロス)」や、芸能人にもてはやされた「Von Dutch(ボン・ダッチ)」などのアパレル製品があり、大衆文化に根付いた芸術作品といっても過言ではありません。
ローブローアーティストについて知りたい!
ローブローアーティストといえば、やはりパイオニアである1963年スペイン生まれの巨匠、「Frank Kozik(フランク・コジック)」です。そのほかにも「Ed Roth(エド・ロス)」や、「Von Dutch(ボン・ダッチ)」など、著名なアーティストは多数います。
- Frank Kozik(フランク・コジック)
- Von Franco(ボン・フランコ)
- Von Dutch(ボン・ダッチ)
- Ed Roth(エド・ロス)
- Shag(シャグ)
- Pushead(パスヘッド)
- Coop (クープ)
などが海外アーティストとしては著名です。
日本でも
- WILDMAN石井(ワイルドマン石井)
- Lucky Rudy(ラッキー・ルーディー)
- MAD SCULPTURES WARE(マッドスカルプチャーズ・我)
- LITTLE CHOP DESIGN(リトルチョップデザイン)
- Sketch(スケッチ)
- M&K CUSTOM SIGNS(M&Kカスタムサインズ)
- MONSTER FARM(モンスターファーム)
- GRIMB(グリム)
- MASA SCULP(マサ・スカルプ)
- NORTH NO NAME(ノース・ノー・ネーム)
- Ghost(ゴースト)
- KEN THE FLATTOP(ケン・ザ・フラットトップ)
- FUSTY WORKS(ファスティ・ワークス)
※敬称略
などなど、かなりのアーティストがおり、アーティストによって、様々な手法で表現をしており、掘り下げるほどに味わいのある現代アートなのです。
いかがだったでしょうか? 「ローブローアート」について、興味は沸きましたでしょうか?
もし、興味を持っていただけたのであれば、アーティスト個々であったりグループで、個展を催していたりもするので、次のステップでは、是非現物を観に行って、その目で「ローブローアート」の素晴らしさを体感していただきたい。