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販売台数そのものは決して多くはないものの、乗り物好きの間で何かと話題となる最近のマツダ。今や定番スポーツカーに成長した「ロードスター」のみならず、最新技術群”スカイアクティブ・テクノロジー”を投入して造られた現行モデルは一様に高評価を得ています。
それでもやっぱり……マツダといえばロータリーエンジン(以下、RE)をイメージしてしまうのも、また事実ではないでしょうか?それ程にマツダのRE搭載車には強烈なインパクトがあり、一部熱狂的信者を生み出していたわけです。
そんなマツダRE搭載車ですが、その記念すべき第1号車となる「コスモスポーツ」の誕生から50年を迎えました。そこで今回は、マツダREの歴史をささっと振り返ってみましょう!
記念すべき第1号車はコスモスポーツ!
1950年代末頃から世界中の自動車メーカーがREの実用化に向けて研究・開発を進めまていましたが、技術的課題が多発したため、多くのメーカーが開発を断念していました。そんななかでマツダは量産化に成功。1967年5月30日に世界初の2ローターRE車「コスモスポーツ」を発売しました。
コチラがコスモスポーツが搭載していた10A型RE(491cc×2)。圧縮比は9.4と高く、さらにツインプラグとされており、最高出力110PS / 7,000rpm、最大トルクは13.3kgf·m / 3,500rpmと極めてパワフルで。
しかし特筆すべきは、そのスムーズな吹け上がりにありました。それこそが、RE信者を増やす要因となったのです。
「コスモスポーツ」はFR駆動であり、足回りも当時としては先進的な機構を奢っていました。車両重量は940kgと軽量であり、大胆かつ斬新なスタイリングもあり、世界的に話題を呼びました。
「コスモスポーツ」は後期型を含めて総販売台数は1,176台と言われています。
第2弾はファミリア・ロータリー・クーペ!
次にREを搭載していたのは「ファミリアロータリークーペ」。「コスモスポーツ」登場の翌年となる1968年に発売されました。
2代目ファミリアの車体に搭載していたのは……
10A型2RE(491cc×2)。最高出力は100PSと言われています。
第3弾はルーチェ・ロータリー・クーペ!
1969年に登場したベルトーネ・デザインの美しいFFモデル「ルーチェ・ロータリー・クーペ」もREを搭載していました。
搭載エンジンは×の13A型(655cc×2)2REで、最高出力は126馬力でした。
第4弾の次に伝説の”サバンナ”が登場!
第4弾のカペラを挟んで、1971年には、「サバンナ」がREを搭載して登場!オーバーフェンダーがスポーツカーの証。スカイラインGT-Rを破ったクーペモデルは今なお人気車なのはご存知の通りです。
1972年9月にリリースされた「サバンナGT」は「日本GP」優勝車の市販バージョン。12Aエンジンを搭載しており、最高出力は120PSでした。
RE搭載車の一つの頂点!サバンナRX-7
オイルショック&排出ガス規制が厳しくなった70年代後半はスポーツカー好きにとっては冬の時代でしたが、1978に登場した「サバンナRX-7」は、そんな中にあって輝きを放った1台です。
当初搭載していたのは、12A型(573cc×2)2REの自然吸気(NA)仕様で、最高出力は130ps / 7000rpm、最大トルクは16.5kg・m / 4000rpm。後にターボ仕様も販売され、そちらは160PSを誇りました。
「RX-7」は2代目(FC3S / FC3C型)、3代目(FD3S型)へと受け継がれ、2002年まで生産されました。
最後のRE搭載車はRX-8
2003年3月、「RX-7」の後を受けて販売されたRE搭載車が「RX-8」。2012年6月まで生産された本モデルが、今のところ最後のRE搭載車であり、珍しい観音開きの4枚ドアを備えたクーペモデルでした。
搭載されたのは、市販RE初のサイド排気ポートを採用した「RENESIS RE」。これによりオーバーラップが0とされており、既存REよりも燃費が向上、低速トルクも増していました。
「RX-7」とは異なりNA仕様とされ、最高出力は、TYPE-Sの(6速MT)モデルで250PSとされていました。
RE搭載車は復活するのか!?
残念ながら初代RE搭載車「コスモスポーツ」の誕生から50周年を迎えた2017年現在、マツダのRE搭載車の系譜は途切れてしまっているのですが……
2015年に開催された第44回東京モーターショーでは「RX-Vision」が出品され、マツダのRE復活に掛ける意気込みが伝わってきました。業績も好調、技術面でも評価されている今こそ、マツダの象徴であるRE搭載車を復活させるチャンスでしょう。
今年の東京モーターショーでサプライズがあると、皆で期待しましょう!