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マジェスティを始めとするビッグスクーター、キムタク主演のドラマで火がついたTW、パッソルなどのソフトバイク、汚れた英雄を皮切りに巻き起こったレーサーレプリカ、暴走族、カミナリ族、そんなブームよりもずっと昔の話。
1953年に放映されたメグロ・Y型「レックス号」のCMをご紹介いたします。
ムーヴィー・アド「スピード時代」
「箱根ぇ〜八里ぃ〜」というBGMと共に、タイトルが映し出されます。
ちなみに「日本電報通信社」は今の「電通」で、「ムーヴィー・アド」とは直訳すると「動画広告」つまりCMのことです。
のんびりの米俵を運ぶ馬の横を、颯爽とバイクが通り過ぎます。
続いて「スピード、スピード、スピード時代」と入るナレーションの朗らかさに時代を感じます。
登場するこちらのバイクは「メグロ・Y型(REX号) 350cc」。その周りを500ccの「Z型」、300ccの「ジュニア号」が並走しています。何より「ノーヘルじゃん!」とお思いでしょうが、この当時はヘルメット着用義務などありませんでした。それどころか、ヘルメットなんて被ると、過度にスピードを出すと疑われ、逆に警戒されていました。
「婦人・子どもにも操作の容易なメグロ号は…」とナレーションが伝えておりますが、”子ども”はさすがに危険ですね。
メグロといえば、英国トライアンフと並んでオートレース界でも活躍していたメーカーです。
当時のオートレースがダートであったことを今に伝える貴重な映像でもあります。もはやこれはフラットトラックレースですが。
「オートバイ時代を大きくリードするメグロ号にご期待ください」という、その後の運命を知らぬナレーションに、少しセンチメンタルになってしまいます。
それでは、本当に貴重な当時の映像なので、ぜひご覧ください。
いかがだったでしょうか。貴重な映像であるとともに、とてもノスタルジーな気持ちにさせてくれますね。
ちなみに、最後に表示された「合資会社福田モーター商会」は、メグロ自動二輪東京都総代理店だった会社で、今でも現存する会社です。さらに余談ですが、福田モータースはBMWやMotoGuzziを日本一売るほど販売力のある会社なのです! すごい!