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1935年頃のアメリカでヘンリー・F・フィリップスによって生み出された「プラスネジ」。かの有名なHONDAの創設者である本田宗一郎氏が、日本に持ち込んだことにより日の目を浴び、今では”ネジ界”の頂点に君臨する存在となっている。しかし、今回紹介するのは、このネジよりもさらに深い歴史を持ちながら、今では陰に隠れてしまった存在、「マイナスネジ」についてなのだ。
そもそもマイナスネジとは?
マイナスネジはプラスネジよりも遥か昔、400年以上も前の15世紀に生み出されたとされている。当初は鉄ではなく木材で作られており、オリーブオイル絞りとして使われていた。ちなみに日本には戦国時代に火縄銃と共に入ってきたとされ、正式名称を「すりわり」と呼ぶ。
使われなくなった理由
そんな由緒正しきマイナスネジだが、シェア率が激減した理由は至極簡単。形状からナメやすく、プラスネジに比べて強度が劣るからだ。以上の理由から、現在ではその姿を消しつつある…。
マイナスネジは今どこで使われているのか…
そんな不遇なマイナスネジだが、以外な場所で活躍する場を与えられている。汚れがたまりにくい形状を活かし、汚れやすい場所…水回りや機械の内部等に使われているのだ。また、ビンテージアイテムにおいては欠かせないものとなっており、ハーレーなどの旧車やアンティークの家電製品、家具の蝶番や時計、カメラなど、古い工業製品全般においては、マイナスネジの独擅場と化しているのだ。
誕生当初は画期的なアイテムとして必要とされてきたマイナスネジだが、現在では上記したような場面でのみ、その存在がクローズアップされる。
もし、どこかでマイナスネジを見かけた際は、この記事のことを思い出して頂ければ幸いである。