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トラッカーブームに沸いた約20年前は、ミラーを”片方だけ”しか付けていないカスタムバイクが多く走っていました。また、今でもオークションサイトやフリマアプリといった個人売買では、片方だけミラーを付けたバイクの出品を見かけます。
では、バイクのミラー装着は片方のみでも法律上問題ないのでしょうか。今回は、そんなバイクのミラー装着に関する素朴な疑問について解説します。
基本的にバイクのミラーは片方だけだと違反
まず大前提として、「バイクはミラーを装着しなければいけない」と道路運送車両法の保安基準で決められています。さらに「最高速度が50km/hを超えるバイク、サイドカー、トライクは、左右両側にそれぞれ一個ずつミラーを備えなければならない」と定められています。
ここで気になるのが、「最高速度が50km/hを超える」という記述。
1992年の法改正以前まで車両の種類は「高速車・中速車・低速車」の3つに分かれていました。また、高速車は排気量250cc以上のバイクや普通乗用車、中速車は排気量250cc以下のバイクや大型貨物車、低速車は原付と決められており、それぞれの法定最高速度は60km/h、50km/h、30km/hでした。
これが法改正によって現在では、低速車=原付(30km/h)、高速車=それ以外すべての車両(60km/h)のみとなっています。
つまり、原付一種以外のバイクは左右にミラーを付けていないとダメということですね。正直分かりづらいです……。
原付一種は片側ミラーでもいいの?
先の通り、原付一種であればミラーは片方だけでも問題ありません。スズキ・チョイノリはデフォルトで右側にしかミラーがついていませんし、スーパーカブなども当時は右側のみでした。もっとも、いちばん左側の車両通行帯を通行しなければいけないルールもありますので、右側のみミラーが装着されていれば問題ないということでしょう。
ただし、法律上は片方でもOKですが、安全面を考慮すると左右にミラーを付けた方が良いでしょう。
原付二種も片側ミラーのバイク結構いるけど?
今一度、道路運送車両法の保安基準を確認してみると、「〜左右両側にそれぞれ一個ずつミラーを備えなければならない。ただし、2006年12月31日以前に製造された原動機付自転車には適用されない」と書かれています。
そのため、2006年以前に製造された原付二種ならミラーが片方だけでも問題ありません。ただし、安全面を考慮すると〜(以下省略)。
旧車なら片側ミラーでもOKという噂
一部例外を除いて、基本的には原付一種以外であれば旧車の場合でも左右に装着されていないとNGです。
例えば、1971年発売のホンダ・CB350エクスポートは新車時から片方にしかミラーが付いていません。
しかし、さらに古い1970年製のヤマハ・XS-1は左右両方にミラーが付いています。
つまり、旧車ならどんなバイクでも片側ミラーでOKというわけではなく、新車時から片側にしか装着されていないモデルのみ例外とされます。
ただし、安全面を考慮すると〜(以下省略 Part2)。
今回、道路運送車両法を確認しながら片側ミラーの疑問について解説したものの、安全性を削ぎ落としてまで片側ミラーにこだわりたい人は、果たして何人ほどいるのでしょうか。
なお、道路運送車両法ではミラーの有無だけではなく、鏡面の大きさにおいても保安基準が定められています。極小ミラーなどの場合は車検が通らないほか、不正改造として違反に該当するためご注意ください。