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2019年発売予定のモデルを紹介している本企画ですが、何とはなしに、海外勢が多くなっているような……。何故かと問われたなら「ワシが好きだから……」としか答えられないのですが、今回も海外勢。イギリスはトライアンフのニューモデルをご紹介してみます。
トライアンフ「スクランブラー1200」はスクランブラーを越えた!?
最初にご紹介するのは大きい方のモデル、「スクランブラー1200」。コチラが上級モデルの「スクランブラー1200 XE」。
多くの2019年発売予定モデルがそうであったように、本車両も昨秋に開催されたEICMA2018(ミラノショー2018)にて、「ボンネビル T120 エース」などと共に世界初公開されました。
コチラはスタンダードモデルの「スクランブラー1200 XC」。上級バージョンとの主な違いはオフロード走行性能でして、それは足回りの機能パーツの違いによります。
この「スクランブラー1200 XC/XE」の両車ですが、搭載するのは専用チューニングが施された「Bonneville」の1,200cc水冷並列2気筒SOHC4バルブエンジンを搭載。最高出力は90PS/ 89bhp (66.2kW) @7,400rpm、最大トルク110 Nm @ 3,950 rpm。この類のモデルとしては必要充分ではないでしょうか?
クラシカルなエクステリアを特徴とするトライアンフらしく、フレームはスチール鋼管とアルミを組み合わせたクレイドルタイプ。そしてリア2本ショックというのも、今となっては個性を演出する構成でございます。
さて、注目すべきは本車両の足回り。コチラの「スクランブラー1200 XC」のフロントフォークは、ショーワ製45 mm径倒立式フォーク(トラベル量200 mm)。「スクランブラー1200 XE」も同じくショーワ製の倒立式フォークですが47 mm径。そしてトラベル量250 mmとハイスペックなフォークを採用しています。
またリアショックですが、「スクランブラー1200 XC」はオーリンズ製ピギーバックリザーバー付ツインショック(フルアジャスタブル;トラベル量200mm)を装備。それが上級版「スクランブラー1200 XE」では同じオーリンズ製ツインショックですが、トラベル量は250mmとなっています。
ちなみにブレーキは両車共通。フロントブレーキは、Brembo製の320mm径ツインディスク+Brembo製M50 4ピストンラジアルモノブロックキャリパーの組み合わせ。リアブレーキは、 255mm径シングルディスク+Brembo製 2ピストンフローティングキャリパーの組み合わせ。ABSは標準装備。
また両車ともにアルミニウム製スイングアームを奢っております。ホイールサイズは前21・後17インチ。車両重量(装備重量)は225kg(「XE」は227kg)です。
ということで「スクランブラー1200 XC/XE」は適度なパワーを持ったエンジンと優れた足回りを装備しており、もはやスクランブラーの域を越えていて、うっかりするとアドベンチャースポーツ・モデルの領域に足を踏み入れているのであります。
へっぴり腰かつギックリ腰を持つ筆者には「スクランブラー1200 XC」でも持て余しそうな予感がします……。
トライアンフ「ストリート スクランブラー」は言い得て妙なネーミング!
続いてご紹介するのは「ストリート スクランブラー」。2017 年に発売されて以来、このネオレトロなエクステリアと乗りやすさ、それに比較的リーズナブルなお値段から、多くのライダーに愛されているモデルですが……2019年から早くもモデルチェンジなのであります。
Bonneville 900cc 並列2気筒エンジンは大幅な進化により出力が向上。そして標準装備のハイスペック化やクラストップの新テクノロジーの採用に加え、ディテールと仕上げの高級感もアップしており、ストリートをメインに楽しむバイカーに最適な仕上がりとされています。
本車両が搭載するのは、排気量900ccの水冷並列2気筒 SOHC8バルブエンジン。65PS / 64.1bhp (47.8kW) @ 7,500rpmと、旧モデルから10PSもの増加を果たしています。最大トルクは80Nm @ 3,200rpm。トルクの絶対値こそ「スクランブラー1200」より小さいですが、本モデルの方が低回転でドっとトルクが出てくる感じです。
そしてスクランブラーの証である右2本出しのアップマフラーが燦然と輝いています。
それを搭載するフレームは鋼管製クレイドルタイプ。そしてリア2本ショックのクラシカルな車体構成も旧モデルのまま。足回りもスクランブラーらしく、無暗にハイスペックを追い求めておりません。
フロントフォークはKYB製41 mm径正立カートリッジ式フォーク(トラベル量120 mm)、リアショックは同じKYB製ツインRSUs(プリロード調整機能搭載;トラベル量120 mm)とコンベンショナルな仕様です。前ブレーキにはBrembo製4ピストンキャリパーを搭載してアップグレードを果たしていますが、他にコレといって目新しい機能はない感じです。
一方で、古き良き時代のトライアンフを彷彿とさせる塗色をラインアップしていたり、タンクパッドやフォークブーツを装備するなど、雰囲気を重視して各部を作り込んでいる様子が伺えます。
ということで「ストリート スクランブラー」は、よりストリートに映え、ちょっぴりオフロード気分を味わいたいかな、といった方に最適なモデルに仕上げられており、まさに言い得て妙なネーミングとなっているのです。
スクランブラー兄弟は2019年発売予定!
いかがでしたでしょうか?今回は2019年発売予定モデルとして、トライアンフのスクランブラー兄弟をご紹介してみました。
「スクランブラー1200 XC/XE」は本格派であり、「ストリート スクランブラー」は気分を味わうって感じで、見事に異なる性格のモデルに仕上げられていることが分かりますね。お見事です!