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バイカーなら一度は考える愛車のカラー変更。自らの手で仕上げる自家塗装は楽しげなものの、ちょっとハードルが高そうだし、かといってショップに頼むとお値段高めだし……とDIYとプロ任せのどちらにするか実に悩ましい選択を迫られます。
そこで今回は日頃から自家塗装を楽しんでいる筆者ならではのノウハウと、プロショップに持ち込む際のポイントを確認しつつ、それぞれの魅力を探ってみたいと思います。
チャレンジングだけど満足感のある自家塗装
自家塗装で最低限必要なのは、だったの3つ。缶スプレーと塗料が飛び散らないようにする措置、そして塗装台と意外と多くありません。
もっとも、塗ってはいけない部分や塗り分けしたい場所にはマスキングテープや新聞紙で養生しなければならず、このあたりは慣れが必要になります。使用する箇所によって、さまざまな太さのマスキングテープを使い分けできるようになったらもう一人前です。
塗装で一番大事なのは下地作り。耐水ペーパーを当てて表面を少し荒くする足付けをしなければ、塗料を吹き付けてもうまく定着してくれないからです。足付けし難い素材には塗料の下塗り剤プライマーを吹くという手段もあります。
テントを塗装ブース代わりにしよう
自家塗装はゴミや風、浮遊する虫との闘いでもあります。それとともに周囲に塗料が飛び散らないように様々な方法を検討することも大事です。臭いも気になりますし、日頃からご近所への挨拶も欠かさないように心がけておきたいところ!
そこで筆者が編み出したのがポップアップテントの中で塗装する方法です。風に弱いので中に板などを敷いて重り代わりにすると安心して塗装に集中できます。ただ、テントを通過した日光では正しい色合いが分からないのが難点。今後はLEDライトを導入してテント内でも色味を確認できるようにする予定です。
小さなゴミやホコリは念入りにシャットアウト
塗装前も油断大敵。エアコンプレッサーもしくはスプレータイプのエアーダスターを用意しておきましょう。下準備の間についてしまった小さなゴミやホコリをカンタンに落とせます。自家塗装のお供に!
元々ついている塗装を落としておくと均一な仕上がりになりやすいです。鉄やアルミの元の塗装を落としたい時にはスプレータイプの剥離剤もあります。ホイールや足周りのペイントをお考えならこちらも事前に準備しておくと良いでしょう。
缶スプレーの選び方にも注意すると、そこそこ満足のいく仕上がりにしやすかったりします。例えば、デイトナ製のマットカラーは初心者でも使いやすい缶スプレーです。最近流行りのつや消し仕上げになりますし、上からクリアを吹く手間も少なく、ムラを押さえて仕上げられます。ちょっと高めですが、失敗して何度も塗り直すことを考えれば、お値段以上の価値アリ!
仕上がりはともかく、自家塗装をやった時の達成感はひとしおです。但し、素人が手を出した結果は散々なことにもなりかねません。「ああ~、やってもうた……」となる前に、まずはいくつか小物でペイント修業を積んでからが良いでしょうね。
ショップ持ち込みのポイント
……とはいえ、自家塗装はあくまで趣味の延長。プロの仕上がりには到底敵いません。そこで埼玉県春日部市でヘルメットやバイクのカスタムペイントをしているハゼファクトリーさんにペイント屋さんに塗装をお願いする際のポイントをお伺いしてみました。
まず気をつけたいのが、ノーマルのままショップに持ち込んだ方が良いということです。自家塗装されたパーツの場合、プロの仕上がりにするためには、一度塗装をすべて落としてから下地をつくっていかなければならず、その分だけ割高にもなってしまうからです。
タンクを塗装する場合は、凹みや修正が必要ないものを用意したほうが吉です。もちろん、ショップではキレイに直してくれますが、手を加える必要がない方がその分の工賃もかかりませんし、美しく仕上がりやすくなっています。ちなみに、タンク内のサビ対策用コーティングは塗装前に施工しておくと安心です。
失敗しないショップ選び
塗装屋さんを選ぶポイントも聞いてみました。「ホームページやSNSをチェックして、塗装したバイクの画像が自分のイメージしている完成に近い所がオススメです」とのこと。確かにスクーターの塗装をメインにしているショップでネイキッドを塗装するより、普段からネイキッドをメインに塗装しているショップで塗装するのが安心ですよね。
「なんでもできます!というお店もありますが、そんなに簡単な仕事ではないし、すぐ作業に取り掛かれるショップは注意」とのこと。もちろん手が空いている時もありますが、すぐ作業できるということは普段から受注が少ないということでもあり、有名なショップは納期が半年~1年というのも当たり前。一流のペイント屋さんにはそういった期間も踏まえてお願いするようにしたいところです。
気になるプロの仕事のお値段
ちなみに、このモンキータンクはハゼファクトリーさんに仕上げていただいたものですが、金額は3万円~とのこと。ステッカーではなく、すべて塗装で仕上げているからこそ出せている一体感がたまりません。
こちらは定番デザインのファイヤーパターンをベースに仕上げたモンキーの社外タンク。ラップペイントやキャンディー、フレーク塗料を使って4万円~。
スクーターのアドレスV125Gの外装の場合はラップペイントとキャンディーファイヤーを組み合わせて8万円~。ツヤツヤ感が半端ないですね!
やる気と懐具合に相談だ!
とにかくいきなりチャレンジして、自家塗装オールペイントで絶望するも良し!時間とお金はかかりますが、プロに頼んでイメージ以上の仕上がりを待つも良し!どちらも楽しいカスタムライフ!選ぶのはキミだ!!