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現在、市販されている日本の4大バイクメーカーのラインアップに並んでる最高額のバイクは、ホンダ「Gold Wing Tour(ゴールドウイングツアー)」が346万5,000円、カワサキの「Ninja ZX-10RR」が328万9,000円、ヤマハ「YZF-R1M」が319万円、スズキ「Hayabusa」が215万6,000円。
これらはガソリンエンジンのバイクですが、電動バイクに目を向けるとBMWの電動スクーター「CE04」が197万9,000円、ZERO MOTORCYCLESの電動スポーツモデル「SR/S」ですら294万9,800円です。
上記に対して、これから紹介するVerge Motorcyclesのラインアップに追加された電動バイク「Verge TS ULTRA」は驚愕の600万円超え!それでは早速、TSシリーズの新作モデルを見ていきましょう。
「Verge Motorcycles」とは
Verge Motorcyclesは、世界で最も先進的な電動スーパーバイクの開発・製造を行なっている電動バイクメーカーです。エストニアのタリンに本社を構え、フィンランドやイタリア、ドイツ、フランス、スペインの6カ国を拠点に活動しています。
現在、同社のラインアップには3つの電動モデルが用意され、画像左からスタンダードモデルの「TS」、真ん中のモデルはアップグレード版の「TS PRO」、そしてマットブラックで統一された右側の車両が今回追加された「TS ULTRA」です。
世界初のハブレス電動リムモーターが特徴
特筆すべきポイントは、全てのモデルに採用されている世界初の”ハブレス電動リムモーター”です。
世界最高の電動バイクをゼロから設計するという明確なテーマを掲げているVerge Motorcyclesの技術力の高さもさることながら、オートバイデザインの未来が具現化された素晴らしいデザインです。
ハブレス化が図られたリムには、電動モーターが直接組み込まれています。ダイレクトにパワーを地面に伝え、ハブレス+インホイールモーターの設計により駆動部品の省力化に成功。さらには美しく洗練されたフォルムにも貢献しています。
Verge Motorcyclesのモデルは3タイプ
「Verge TS」
スタンダードモデルの「TS」は2人乗りが可能で、3タイプの中では最も安い車両です。とはいえ日本円に換算すると約375万円〜ですから、なかなか手は出しづらいですよね。
停車した状態から100km/hに達するまでにわずか4.5秒と、電動特有の高トルクを誇ります。最高速度も180km/hをマークし、一満充電からの航続距離も250kmと充分です。なお、2023年9月より販売が予定されています。
最高出力 | 80kW |
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最高速度 | 180km/h |
0-100 km/h | 4.5秒 |
最大トルク | 700Nm |
バッテリー | リチウムイオン |
バッテリー容量 | 20.2kWh |
急速充電 | 55分 |
航続距離 | 250km |
全長×全幅×全高(mm) | 2,197×895×1,128 |
最低地上高(mm) | 150 |
シート高(mm) | 780 |
ホイールベース(mm) | 1,540 |
価格(税込) | 26,900ユーロ〜(日本円:約375万3,200円〜) |
「Verge TS PRO」
先ほどのTSよりもさらに高性能なモデルが「TS PRO」です。こちらも2人乗りが可能で、デリバリーは2023年5月とのこと。
出力は20kW以上もアップし、最高速度は200km/hに達します。また、1,000Nmものトルクによって、0-100km/hも3.5秒と爆速です。一満充電からの航続距離も350km走行可能となりました。
最高出力 | 102kW |
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最高速度 | 200km/h |
0-100 km/h | 3.5秒 |
最大トルク | 1,000Nm |
バッテリー | リチウムイオン |
バッテリー容量 | 20.2kWh |
急速充電 | 35分 |
航続距離 | 350km |
全長×全幅×全高(mm) | 2,197×895×1,128 |
最低地上高(mm) | 150 |
シート高(mm) | 780 |
ホイールベース(mm) | 1,540 |
価格(税込) | 29,900ユーロ〜(日本円:約416万7,700円〜) |
「Verge TS ULTRA」
ラストを飾るのはTSシリーズの最高峰「TS ULTRA」です。
スペックは前記の2モデルを凌駕し、最高出力は150kW、最大トルクは1,200Nmを誇ります。しかも、0-100km/hは驚異の2.5秒!フェラーリの「SF90」と同等の記録ということになりますので、もはや異次元の速さですね!そのせいか、こちらは1人乗りになっています。
TS ULTRAは急速充電にも対応
充電方法はシート前のアルミ製ハッチの下にあるプラグを介してコンセントで充電するだけです。また、Verge TS Ultraは急速充電が可能で、わずか25分でバッテリーを80%まで充電することができます。また、一満充電からの航続距離は375kmとなっています。
さらにシートコンパートメントには便利なUSB-Cポートがあるので、スマホ等の充電も行うことができます。
大型タッチスクリーン搭載
8インチの大きなタッチパネルディスプレイは運転モードの切り替えはもちろんのこと、速度やバッテリー残量、ナビゲーションの表示、各種走行データの取得からカスタムライドモードの変更など、充実した車載インフォテインメントシステムが導入されています。
4つのドライビングモード
TSシリーズには「RANGE」「ZEN」「BEAST」「CUSTOM」の4つの走行モードがあり、あらゆるシーンに応じて変更することができます。カスタムモードは”スロットルレスポンス”、”最高速度”、”トルク”、”回生(回生ブレーキの設定)”を自分の乗り方に合わせて調整が可能です。
回生ブレーキは通常エコ(80%)、ハイウェイ(20%)、マックス(100%)の3パターンがあり、カスタムモードではパワーを自分好みに変更することができます。
とてつもない高性能なモデルですが、価格は驚愕の626万円!さらにオプションを追加すると886万7,430円也…。ぐぬぬっ。
2023年4月よりデリバリーが開始されますので、興味のある方は公式サイトをご確認ください。
最高出力 | 150kW |
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最高速度 | 200km/h |
0-100 km/h | 2.5秒 |
最大トルク | 1,200Nm |
バッテリー | リチウムイオン |
バッテリー容量 | 21.8kWh |
急速充電 | 25分 |
航続距離 | 375km |
全長×全幅×全高(mm) | 2,197×895×1,128 |
最低地上高(mm) | 150 |
シート高(mm) | 780 |
ホイールベース(mm) | 1,540 |
価格(税込) | 44,900ユーロ〜(日本円:約626万円〜) |
TSシリーズのメンテナンス
TSシリーズは従来バイクに存在する、チェーンやベルト、ギア、ギアボックスオイルなどがないため、メンテナンスを要するポイントが減っています。定期的に交換すべき消耗部品はブレーキパッドやタイヤなどの一部パーツとなり、コンポーネントなどの基幹パーツの点検は年1 回で充分とのことです。
購入する場合は、公式サイトより車両を選び、カラーやシート素材、サスペンションのオプション有無などを選択するだけです。現在は、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、イタリア、スペインでの販売のみとなっており、残念ながら日本で購入することはできません。と言うよりも、気軽に購入できる価格ではありませんが…まさに”夢のような電動バイク”ですね。
近い将来、日本市場へ導入されることを切に願います。(乗ってみたい…)