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筆者の大学時代の話です。辺りが薄暗くなった19時くらいの帰り道、片道3車線の大きな国道を走っていたろころ、スルスルとバイクが減速していきました。
あれ?と思いアクセルをひねっても反応がなく、完全にエンジンが停止。走れているうちになんとか路肩の広いスペースまでバイクを寄せ、そのままコンビニまで押していき原因をチェックしてみました。
自分ではどうにもならなかったので、保険会社に連絡をしてレッカーを呼び、おとなしく待つことに。その頃には辺りはもう真っ暗。なんとも心細い時間が過ぎていったのを覚えています。
後日わかったことですが、エンジン停止の原因は燃料ポンプの不調で、メンテナンスに出したバイク屋のミスでした。これは稀なケースですが、いくら気をつけてメンテナンスしていてもバイクが止まることは間々あります。
こうしたとき、どうするのが本当は正解なんでしょう?
安全確保が第一!
クルマがすぐ横をビュンビュンと通り過ぎていく道路でバイクが止まったらホントに焦ります。冷静に対処するためにも、まずは手順を押さえておきましょう。
路肩にバイクを寄せて、安全を確保する
何かおかしいと思ったら止まってしまう前に安全な場所に寄せて、自分と後続車の安全を確保します。路肩でも歩道でも大丈夫です。
焦る気持ちも分かりますが、どうにか故障を直そうとするのはその後。車線上で完全に止まってしまうととても危険なので、早めの判断をしてください。
筆者の場合ですが、焦りすぎてクラッチを切って惰性で進むことすら思いつかず、効かないアクセルを最後まで捻りながら路肩に寄せていました。冷静になれたのはその後だったくらいです。自分は大丈夫と思うかも知れませんが、いざ起きてみると意外なほど慌てますよ。
安全な場所でエンジンがかかるか確認する
安全を確保したところでエンジンがかかるかどうか確認しましょう。詳しくは後述しますが、主に以下の点をチェックしていきます。
- ガソリンは残っているか
- キルスイッチはONになっていないか
- サイドスタンドは出ていないか
この3点をチェックしてどれにも該当しなかったら部品交換の必要性アリ。専門的な知識と工具がないと直せない場合が多いです。
加入中の保険会社に連絡をする
最後にご自身が加入している保険会社に電話をしてロードサービスを依頼します。ここで確認したいのがお金のこと。バイクがレッカーされると、レッカー代や現場から家までの交通費などに加え、時間によってはホテル代もかかります。いくらまで補助してくれるのか、その補助を受ける条件はどんなものなのかしっかりと確認しておきましょう。
これで動けばラッキー。バイクが止まったら確認する3つのポイント
バイクが急に停止した際に、チェックすべきポイントが3つあります。このあたりで解決できるようならかなりラッキー。ダメなら自分ではどうにもできない可能性が高いので、素直に保険会社に助けを呼ぶのが確実で手っ取り早いです。
ガソリンがきちんと入っているか
まず考えられる原因といえば、ガス欠。筆者も経験があります。知人の原付を借りて走っていたら、ガソリンメーターが80%ほどあったのに急にプスンと停止。実はメーターが壊れていたのです。幸い近くにガソリンスタンドがあったので押していって難を逃れました。
メーターだけを頼るのでなく、バイクを振ってみてガソリンが入っているか手応えを確かめたり、タンクを覗いて実際にガソリンが入っているかチェックしてみましょう。車種によってはリザーブタンクも使えますね。
ガス欠なら近くのガソリンスタンドへたどり着くだけでなんとかなります。
キルスイッチがONになっていないか
ハンドルについている赤いボタン「キルスイッチ」も要チェック。ONにするとエンジンを停止させるようになっています。本来は緊急時に使用するボタンなのですが、何かの拍子に触ってしまうこともあります。
ONになっていたらOFFに切り替えて、エンジンの再始動を試みましょう。
サイドスタンドが出ていないか
1990年代以降のバイクは安全上、サイドスタンドを出した状態ではエンジンがかからないようになっているモデルが大半です。キルスイッチの場合と同じく何かのきっかけでサイドスタンドを出してしまって、そのままエンジンが止まってしまうことも。
こうしたときは、サイドスタンドをしまってエンジンをかけ直してみましょう。
非常事態に備えるためには、予備知識が必須!
走行中のエンジン停止が日常茶飯事なんていう方は稀ですし、冷静に対処できるかどうかを分けるポイントは経験がすべてではありません。
なにより重要なのは予備知識です。当たり前ですが、どうすればよいか理解してさえいれば、落ち着いて正しい対応ができるようになります。
いざというときに備えて覚えておいて損はないですよ。