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近年、若者のバイク離れが急速に進んでいるという。何でも現在ライダーの平均年齢は50代を超えるとか…。若者の興味がスマホに移行しただとか、駐輪場が少ないだとか、理由を考えれば色々あるのだろうが、筆者はズバっとこう考える。バイクに乗ったカッコいいヒーローがいなくなってしまったからだと。
そんなヒーロー不在の若い世代に、こんなにもカッコいいバイクヒーローがいたことを語ってみたいと思う。まずはこの作品から紹介しよう。
「悪党は退治する」
1969年から1979年にかけて「週刊少年キング」で連載された「ワイルドセブン」。作者は望月三起也。
超法規的警察官として様々な分野からスカウトされた7人のアウトローが法では裁けぬ悪党を逮捕ではなく退治(処刑)するという、当時の少年漫画としては異例なほどのハードな設定が用いられた漫画であった。キャッチコピーは「バイクに乗った七人のアウトロー警視」で、ワイルドセブンのメンバーはいずれもバイクに乗って活躍していた。
ワイルドセブンのメンバーと愛車を紹介
ここで、画像は参考画像だが、各メンバーの乗っているバイクを紹介したい。隊長である草波はバイクには乗らず指揮を取っていたが、
リーダーの飛葉はHONDA「CB750FOUR」。
ヘボピーはHarley Davidson「FLH」。
八百はNorton「コマンド750S」。
両国はKawasaki「500SS MACHⅢ&サイドカー」。
オヤブンはSUZUKI「ハスラー250」。
世界はHarley Davidson「XLスポーツスター」。
チャーシューはSUZUKI「GT380」。
テルはTriumph「トライデントT160」。
デカはBMW「R60/5」。
ユキはDUCATI「750スポルト」といった具合で、ワイルドセブンのメンバーは、それぞれ多種多様なバイクに乗り込み活躍していたわけである。
バイクにはそれぞれ特殊なカスタムが施されてやりたい放題?
飛葉のCB750FOURにはフロントとリアのフォークに一基ずつリフト・ジェットが装備され、水面を走ったり、障害物を飛び越えたりした。また、シート後端部にマグネットアンカー・スロウアーを装備していた。ヘボピーのFLHは後輪が7輪あり、メンバーそれぞれのバイクの予備タイヤを補給することが可能だった。八百のNorton・コマンドはエンジン直下に水平方向に展開する補助動力輪を二基持ち、それを用いて壁や崖を登ることが可能だった。両国のMACHⅢはサイドカーに6連装ロケットランチャーを装備していた。
他のメンバーのバイクもそれぞれバックギアが装備されていたり、シート後端部にマグネットアンカー・スロウアーを装備していたりと、様々なカスタムが施されてアクロバティックな活躍を見せていた…というか、ほとんどやりたい放題であった。
かくしてワイルドセブンは伝説のバイクヒーローへ
ワイルドセブンは大ヒットし、1972年には日本テレビから実写ドラマ化され、連載終了後も『新ワイルド7』、『続・新ワイルド7』、『飛葉』などの続編が発表された。1994年にはOVA化され、そして2011年には実写映画が公開された。連載終了から30年以上が経ってから実写映画化がなされるなど、極めて珍しい例ではないかと思う。それだけワイルドセブンという作品が世に愛されていた証であろう。
まぁ、メンバーの名前が変わっていたり、バイクが全然違っていたり、ワイルドセブンのマークが使われていなかったりと、おじさんとしては色々と言いたいこともあるにはあったが、それでもバイクが活躍するアクションシーンや銃撃シーンなどはカッコ良く描かれていたと思う。
このように、記者がオススメするバイク啓蒙マンガの№1作品はワイルドセブンである。バイクなくしては語れないマンガとしても筆頭にあたるのではないかと思う。今までワイルドセブンを知らなかったという方には、是非とも作品を読んでみることをオススメしよう。連載開始から45年が経った今でも楽しく読めること請け合いだ!