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久々に時間が取れて家から出発しようとした時、はたまた出先で旨いものを食べて、さあ出発しようとキーを捻りセルボタン押したものの……
あれ?エンジンかからないや……
長らくバイクに乗っていれば、そのうち何度かは遭遇するトラブルの一つでしょう。とはいうものの、経験の浅い初心者がいきなりそういう場面に直面すると、パニック状態で事態を悪化させてしまうことはありがちです。
そこで今回は、エンジンがかからなかった場合に、まずチェックすべきことをご紹介します。初心者でもその場で対処できるような凡ミスメインなので、工具を拡げて頭を捻るといったレベルのものは割愛しますのでご了承の程を。
まずは深呼吸
決して慌てないこと。それが第一の打開策となります。
パニック状態になってひたすらセルを回し続けたが故に、他の原因をそっくり残したままでバッテリーまで終了させてしまったり、完全にカブらせてしまうことにもなりかねません。
また、心配のあまりに難しく考えすぎて、(関係なかった)面倒なところから手をつけてしまったり。
ちょっとした凡ミスを見逃したせいでエンジンがかからないことなど、全く珍しいことではないのですから、できるだけ手のかからない簡単なところから疑ってチェックしてみましょう。
キルスイッチは?
通常ハンドル右側、アクセルグリップ根元あたりにあることが多いキルスイッチが「OFFもしくはSTOP」になっていないか確認しましょう。
転倒時の火災などを防止する目的で設置されているため、ちょっと触れただけでも「OFFもしくはSTOP」になってしまい点火をカットしてしまうことがあります。
「ON or RUN」になっているか、まずは確認しておきたいポイントです。
取り回し時にハンドルを持ち替えようとして触ってしまったり、ミラーにヘルメットを掛けた(非推奨)際に触ってしまったりといったことがあります。
が、ツーリング等で連れがいる場合に、彼らがニヤニヤしながら様子を伺っている場合はたいていコレが原因です。
プラグコードとキャップも要確認
また、プラグコードのキャップが抜けているという場合や、プラグキャップからコードが抜けているといったこともあります。自宅から出発しようとした時であれば、メンテナンス時に戻し忘れたことが多いです。
が、ツーリング等で連れがいる場合に、彼らがニヤニヤしながら様子を伺っている場合はたいていコレが原因です。
ガソリンはちゃんと入っているか?
キルスイッチ、プラグ廻りといった点火に問題がないようであれば、次いで原因の多いガス欠や 燃料コックの切り替え間違いをチェックしてみましょう。
コックの切り替え忘れであれば、コックをリザーブに捻るだけで解決ですが……
最近のバイクでは燃料コックを装備せずインパネの残量ゲージのみのものもあり、残量ゲージのセンサーが故障しているという可能性もあります。
まずはフューエルキャップを開けてバイクを揺すり、ガソリンの有無を確認してみましょう。
当たり前ですが咥えタバコは厳禁です!
もし、残量センサーが故障していたり、燃料コックがリザーブになっているのに気づかないまま、ガス欠まで走り切ってしまった場合、バイクを左右に揺すって送油孔にガソリンを落とす/送り込むことにより、もう1〜2kmぐらいなら走れる場合があります。
スマホで最寄りのガソリンスタンドをチェックして、走れるだけ走ったあとは押して行くか、電話をかけて出張依頼(ガソリン代+2000〜3000円)してみましょう。パシってくれる頼れる仲間がいるならガソリンスタンドで携行缶を貸してくれるところもありますが、ペットボトルは危険なのでやめましょう。(たぶん店も注いでくれない)
ホースがあれば仲間のバイクからサイホンでガソリンを移すこともできますが、これも色んな意味(火気、不純物、手際)でかなり危険です。
点火廻りがOKで、ガソリンがたっぷり残っている場合は、ちょっとばかり根の深いトラブルの場合が多いです。
ほんの一例ながら、FI車では燃料ポンプの故障やヒューズ切れ、キャブ車ではフロートおよびフロートバルブの作動不良が考えられ、慣れた人であればヒューズ切れの原因を探った上でヒューズ交換したり、ポンプやキャブにちょいと一撃喰らわせたりで復活させることもできますが……
初心者が仕組みや原因がわからないままにこの辺りを対処しようと考えず、素直に救援を呼んだようが良いでしょう。
「妙に燃費伸びるなぁ」とのんびり構えてるのもマヌケですが、他人のバイクのコックを勝手に切り替えておくのは本気で洒落にならないので、ガソリン携行缶等が装備にない場合は絶対やっちゃいけません……
ツーリング等で連れがいる場合に、彼らがニヤニヤしながら様子を伺っている場合はたいていコレが原因です。
各種の安全対策装置
上記の4つの理由以外にも、クラッチやブレーキを握っていないとセルが回らない車種、ギアがニュートラルに入ってないとエンジンがかからない車種、サイドスタンドが出たままではエンジンがかからない車種、とメーカーによる安全機構(いらないおせっかい)が盛り込まれている場合もあります。
そこらを見落としていないか、またそれらの安全機構をキャンセルするための加工等が壊れて無効になっていないかも確認すべきでしょう。
入れたはずのないギアが入っていたりすることもありますが…… ツーリング等で連れがいる場合に、彼らがニヤニヤしながら様子を伺っている場合はたいていコレが原因です。
まとめ
以上、初心者でもその場で簡単に判別と対策のできる、パニック状態になると忘れてしまいがちなものについて簡単にご紹介しました。
より深く理解して対処できるようになるためには、ガソリンエンジンが始動して継続動作するためには「良い混合気」「良い圧縮」「良い火花」が必須であることと、トラブルにあたっての音・臭い・煙といった各種の兆候から3つのうちのどれが原因か推測して切り分けできるように学んでいくとよいでしょう。
余談ではありますが。
キーを捻ったとたんに高らかに鳴り響き続けるホーンといったこともあります。
ツーリング等で連れがいる場合に、彼らがニヤニヤしながら様子を伺っている場合はたいていコレが原因です。
焦らない、パニくらないというところでは大変鍛えていただきました。
できるだけ手のかからない簡単なところから疑ってチェックしてみましょう。
機械よりまず人から(自分含む)。