ホンダのアドベンチャーツアラーといえば、ロングツーリングから不整地走行までをこなすフラッグシップモデル「CRF1000L アフリカツイン」が有名ですが、エントリーユーザーからは大柄な車格とスパルタンなルックスが取っ付きづらいとしばしば耳にします。つまり、そこまで”ガチ”ではないライダーは、アドベンチャーではなくオールラウンダーなアドベンチャーモデルに流れています。

そこにこのたびホンダがニューモデルを投入しました！それがEICMA2022で世界初公開した「XL750 Transalp(トランザルプ)」です。

ホンダが世界初公開した「XL750トランザルプ」は最強のオールラウンダー

こちらが今回ホンダが世界初公開したニューモデル「XL750トランザルプ」です。市街地から高速道路、峠道から未舗装路まで、オールラウンドに雄大なスケールのロングツーリングを快適に楽しめるモデルを目指して開発されました。

トランザルプと言えばベテランライダーさんにとっては懐かしい名前でしょう。

歴史を振り返ると、1987年にホンダは「トランザルプ600V」というモデルを販売していました。当時の「トランザルプ600V」はパリ・ダカールラリー(現在のダカールラリー)で1986年、1987年と2年連続で優勝(二輪車部門)したレースマシン「NXR750」によって得た技術をフィードバックして開発されたモデルとして話題となりました。

今回発表された新しい「XL750トランザルプ」が目指したのは、ご先祖様のような高機能ではありません。

「日常短距離での扱いやすさと、休日の長距離、高速走行時の快適性の両立」、「舗装路での軽快性と未舗装路の走破性の両立」、「冒険心を掻き立てる豊富で充実した装備」を高い次元でバランスさせたモデルを目指しました。

とリリースに記載されているように、万能性ならびにトータルバランスに重点が置かれているのです。

「XL750トランザルプ」のディテール

そのエクステリアは、親しみやすく頼れるタフなデザインがスタイリングコンセプトとされています。先代から続く”トランザルプ”らしさを感じさせ、冒険心を掻き立てるアドベンチャースタイルが追求されています。

その象徴と言えるのが、防風性能(ウインドプロテクション)と空力性能を高次元でバランスさせた、高速道路での快適性を追求した大型フェアリングでしょう。現代的になったとはいえ、先代の持つ親しみやすさも継承されています。

搭載するエンジンは「CB750 ホーネット」と同様に完全新設計の270°クランク直列2気筒755ccエンジン。常用域では扱いやすく高回転域ではパワフルな特性を目指した諸元を採用しています。

「CRF450R」や「CRF1100L」で実績のある軽量コンパクトなユニカム方式の動弁系、ダウンドラフトエアインテークと、車体左右に配置した新採用の渦ダクト(Vortex Air Flow Duct)は低中速領域の吸入効率を向上させ、力強いトルクフィーリングを実現しています。

そのコンパクトで高性能なエンジンを搭載するのは軽量なスチール製ダイヤモンドフレーム。構造やレイアウトの最適化が行われた結果、軽快で扱いやすく快適で安定したハンドリングを実現しています。

フロントはSHOWA (日立Astemo)43mm SFF-CAストローク200mmの倒立フロントフォークを装備しています。

それに対してリアにはXL系統でお馴染みのプロリンクサスペンションとハイブリット構造のアルミスイングアームを装備。これによりニュートラルなハンドリングとオフロードでの走破性を実現しています。

ホイールサイズはフロント21インチ、リア18インチに設定され、オンロードのみならずオフロードにも安心して足を踏み入れることができます。

「XL750トランザルプ」のカラーラインアップ

マットイリジウムグレーメタリック

マットバリスティックブラックメタリック

気になるカラーラインアップは、ここまで紹介してきロスホワイト・トリコロールのほかに、マットイリジウムグレーメタリックとマットバリスティックブラックメタリックの合計3色展開です。

ニューモデル「XL750トランザルプ」は正に最強のオールラウンダーであると言えそうですね。また大変喜ばしいことに、ホンダは「XL750トランザルプ」の国内販売も明言しています！
以下は欧州仕様のスペックですが参考のために記しておきます。いやはや、日本仕様の発表が待ち遠しいですね！

「XL750トランザルプ」のスペック