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今、世界中のカスタムバイクシーンで「Brat Style(ブラットスタイル)」というジャンルが流行していることをご存じでしょうか。
アメリカ・ロサンゼルスにも拠点を持つ日本のバイクショップ「ブラットスタイル」が始めたカフェレーサーっぽいカスタムバイクが起源となっています。
それをリスペクトしてオーストラリアで作られたのが、今回ご紹介する作品です。1970年代から1980年代に人気を博したホンダCX500をベースに、低さとシンプルさが引き立つむちゃくちゃかっこいい1台となっています。手掛けたのはオーストラリアの有名カスタムショップ「PURPOSE BUILT MOTO」です。
ターボ車もあった伝説のマシン
まずベース車についておさらいしておきましょう。1970年代に登場したCXは、396ccや673ccなど様々な排気量のVツインエンジンを搭載した車種が登場し、シリーズ化されたモデルです。1980年代初頭には、バイクメーカー間で勃発したハイパワー競争の影響もあり、ターボエンジン車まで登場。当時大きな注目を浴びたモデルです。
そういったシリーズの中でもCX500は、自然吸気エンジンを搭載した輸出向け仕様。国内ではGL500の名称で販売されたモデルです。
アップタイプのバーハンドルや軽量・高剛性のコムスターホイールなどを採用、「WING」のペットネームで呼ばれ当時大きな人気を得たモデルのひとつでした。
3つの異なるスタイルを融合
そのCX500をベースに、前述の通り、世界中で人気のBrat Styleにカスタムしたのがこの1台です。
ちなみに、Brat Styleとは、カフェレーサーとチョッパー、ダートトラッカーという3つの異なるスタイルをミックスした新しいカスタム手法の事を指します。
1960年代のレーシングマシン風フォルムを再現したカフェレーサー、ハーレーなどに人気で長いフロントフォークが特徴のチョッパー、アメリカのダートトラックレースに出ていたマシン風に仕上げたダートトラッカーと、元々は発祥や作り方が違う各カスタム。
それらを、見事に融合したのが大きな特徴で、今や、世界のカスタムバイク好きにリスペクトされている「侍スタイル」なのです。
低さを生むためのリアセクション
そんなトレンドが盛り込まれたこのバイクはご覧の通り、低さとシンプルさが大きな魅力です。
特にリヤセクションは、サブフレームを純正よりかなり短くした仕様をワンオフ作成し装着。その上にやはりオリジナルのチェリーレッドレザーを張ったシートを装備し、全体的にフラットなイメージを実現。
加えて、ハンドルを純正のアップライトなバータイプからフロントフォークにマウントされたセパレートタイプに変更することで、全体的にレーシーさが漂うローフォルムを見事に具現化しています。
また、各部の構成パーツは必要最低限に抑えられており、車体全体にシンプルなイメージも加味しています。
エンジンは、ほぼノーマルですが、キャブレターをミクニ製TM34に変更し、DNAパフォーマンス製エアフィルターも装着。
またマフラーもオリジナルで、ステンレス製のエキゾーストパイプに直径約4.4cmのメガフォンタイプのサイレンサーを装備。エンジン下に配置することで、全体的なシンプルさを演出するとともに、重量物を車体中央に置くことで運動性能を向上させる工夫も施されています。
ほかにも、LEDヘッドライトやワンオフのリヤ2本サスペンションなどで、使い勝手の良さとビンテージ風のスタイルを両立しているのもポイント。これらにより、古すぎず新しすぎない、絶妙なバランスを生み出しているのです。
いかがでしたか? こんなバイクを街中で走らせたら、注目を浴びること間違いなしですよね。これぞ「ストリートカスタムの神髄」と感じさせる、超かっこいい1台でした!