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この記事を書いている時点ではちょうど宮崎某が逮捕されたところで、まだまだ常磐道のあおり殴打事件が世間を騒がせているところであります。
決して許されることではなく、そういった輩を庇うつもりは毛頭ありませんが、昨今の新旧メディア上に浮かぶ世相を見るかぎり、個人的には面白半分に正義の行使に酔ってるような雰囲気に辟易しているところも少々(笑)。
とはいえ、ああいった異常者がそこらを徘徊している可能性が一定以上あることは脅威ではありますし、そのようなロードレイジの抑止力として、また被害者となった場合の証拠の保全として、ドライブレコーダーが有用であることは疑いようがありません。
今回の記事では、二輪でドライブレコーダーを利用する場合の機能の選定と、色々な取り付け方法によるメリット・デメリットをご紹介します。
二輪用として必要となる機能・性能
四輪用には四輪用ならではの締め切った車内の高温への対策等の必要もありますが、一般的には二輪用のほうが電子的・物理的に使用環境としては厳しい傾向となることは疑いようがありません。
防水・防塵・耐振動といったところは当然として、取り付け状態での美観や盗難対策まで含むと四輪以上に車種ごとで多様となる取り付け方法への対応や、四輪よりは不安定な電源への対応と電源の取り出し方と使い勝手の考慮等といったところが考えられます。
防水・防塵・耐振動では、明確に二輪用を謳ってIP規格(防水・防塵等級)を表示しているもので、IP55=IP5X / IPX5 よりも数字が大きければ雨天の走行(噴水流対策)までカバーされているとして判断して概ねOKですが、カメラと本体が別体式のものではそれぞれの設置場所により防水・防塵の要求性能が変わる場合もあります。
画像:ミツバサンコーワ EDRシリーズの例 防水・防塵の保護等級「IPコード」が丸わかり!
その他については、自らの用途と使い勝手の許容範囲と自車の取付環境を併せて検討していく必要があります。
ドラレコ専用機?アクションカム流用?
上項で「用途」と書きましたが…… せっかくバイクにカメラを設置するのなら、いざという時の備えとしてだけでなく車載動画の撮影そのものを楽しんでみたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実際に出回っている商品にも、トラブルに備えるだけのものとしてではなく、文字通りドライブレコーダーとして記録した車載動画を積極的に楽しもうといった機能を設けたアクションカム寄りのドラレコや、アクションカムとして開発されているもののループ機能(メモリー容量の範囲内で、撮影している間は連続して上書きを繰り返す)を持っていてドライブレコーダーとしても(ある程度)使えるアクションカムといったものがあります。
5年ほど前まではドライブレコーダーで撮影した動画というのは、とても娯楽としての鑑賞に耐えるものではありませんでしたが、現在においては性能もあがってフルHD画質は最早デフォルトとなり明暗差を平均化するHDRを搭載しているものもあり、(Gセンサーが反応するようないざというときに備えながらの)撮影を意識しない手軽な使い勝手という点でいえば、やはりドラレコ専用機に軍配が上がるのではないでしょうか。
逆にアクションカムをドラレコとして使用するとなると、Gセンサーと連動した記録保存までには対応しておらず、とりあえず手持ち機材があるならば、本格ドラレコ導入までの繋ぎに試しに使ってみる…… ぐらいしか思いつきません。(もちろん映像作品的に画質にこだわり、特殊なアングル等をその場その場で融通するといった使い方まで想定すると別ですが)
ちなみにドラレコ、アクションカムともに、通常のカメラよりもだいぶ広角になっていますが、これはできるだけ広い範囲を画面に収めるという目的のためながら、エンジン・路面からの振動による画面ブレを抑える効果も高くなります。
具体的な車載方法
では、どの位置にどのように設置するのが良いのでしょうか?
車体マウント
車体に取り付けた場合の共通するメリットとしては、車両から離れる際も配線を気にせずに済むところです。
車両から電源を引けば、使用中の電源残量の心配も必要ありません。
デメリットとしては、盗難・いたずら対策が必須になってくることでしょうか。以前に別の記事へのコメントで書き込まれていましたが、着脱カンタン!は盗難カンタン!でもあります。
ハンドルまわり
ハンドルバーへのクランプや、中空ステムナットへの差し込み等となります。
画像:デイトナ「旅ドラレコ」DDR-S100をミラー共締めでの取付例
証拠映像としても娯楽鑑賞としても、できれば左右対称に映るよう取り付けたいところではありますが、ミラーやブレーキリザーバとの共締めや、バーエンドへのクランプ等も可能です。
タンク
これぞ“コックピットビュー”といった映像にはなりますが、伏せられなかったりタンクバッグの取付ができなくなったりします。
(画像はドラレコではなく、10年ほど前に車載動画が流行りはじめたころに、筆者がありあわせの機材をタンクマウントして、モトブログのようなものをやってみたときのもの)
車体
ドライブレコーダーとしての用途であれば、車体の映り込まない / 可能な限り左右均等に映る、前端のフォークやトリプルツリー下部や、後端のフェンダーやナンバーフレームへの共締めとなりますが、サスストローク範囲でのタイヤホイールとの接触には注意が必要です。
人体マウント
人体という柔らかさと質量を兼ね備えたカメラ台座は、画面ブレ防止の振動対策には最も有効です。
しかしながら、電源をバイクから引いた場合は常に配線を気にしたり、バイクから離れる際に着脱する必要があります。
ワイヤレスでの充電池・乾電池駆動は、常に残量管理が必要でドラレコという目的にあまりそぐわない上に、ヘルメットマウントの場合は電池ぶんの重さも首への負担として加わることになります。
ヘルメット
おおよそ乗車して見ているままの映像を記録することができ、特に必要があればそちらを向くことで意識的にそれを撮影できますが、上でも書いた重さの負担に加えて、高速時には空気抵抗も加わって首の負担となり、さらに形状によっては不快な風切音を発する場合もあります。
あと、撮影した左右の安全確認しているシーンが多いところを繰り返し見ていると、気分が悪くなってくることが稀にあります(笑)。
装着機種の形状や取り付け位置によっては、殿さマウント、髷マウント等とも呼ばれます。
チェスト、ショルダー
メリットとしては重さと空気抵抗の影響を受けないコックピットビューを撮れることと、最も振動の影響を受けないマウント方法といったところです。
デメリットとしては、前傾姿勢の強いバイクではタンクとメーターのみ写してしまうようになることでしょうか。
某有名アクションカムのオプションのチェストマウントは、その構成と形状からブラマウントとも呼ばれています。
二輪用ドライブレコーダーとして特化された機種例
筆者が最近見た中で、機能・性能・取付美観とあわせて「現在最強の二輪用ドラレコ」ではないかと思ったのが8月8日に発売されたミツバサンコーワのEDRシリーズです。
ドラレコとしてでなく、使用メモリーカード容量と使い方次第でモトブログ作成のような用途にも充分対応できるのではないでしょうか。
(もっともリアルタイムでのナレーションを追加したい場合は工夫が必要となりそうですが)
まとめ
最も大事なことは、そもそも煽られる原因となるような煽られ運転、煽らせ運転をしないことが最も重要かとは思いますが、それについてはまた別の話として取り上げたいと思います。
不運にも証拠として必要となった時は勿論ながら、バイク用ドラレコは平和なバイクライフを楽しむ上でも有用なものになってきたとはいえるのではないでしょうか。