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以前、メティス製の「スティーブマックイーン・デザートレーサーレプリカ」について紹介しましたが、今回は、そのレプリカを別の解釈から製作したというマシンを紹介しましょう。
スティーブマックイーン・デザートレーサーレプリカ
スティーブマックイーンの名前は、アパレルからバイクに至るまで、あらゆるセールストークで利用されてきました。例えば、「スティーブマックイーン・デザートレーサーレプリカ」。メティスMK3フレームに、トライアンフTR6の空冷バーチカルツインエンジン(1956〜1973年製造)を搭載しているこちらの車両など、必ずマックィーンの「この組み合わせは、今まで所有した中で最高のハンドリングバイクだ」という言葉が引用されているハズです。
※決してスティーブマックイーン・デザートレーサーレプリカの否定ではありませんよ!
常にスタイリッシュで現代的なバイクを選択
しかし、マックイーンは、生前、常にスタイリッシュで現代的なバイクを選択肢してきました。今、彼が生きていたら、クラシカルなエンジンは選ばず、現代的なエンジンを選んだことでしょう。
こちらの車両を製作したビルダー、ジョアン・バランカ氏は、リックマンメティスのファンなのですが、上記した思想にインスピレーションを受け、リックマンメティスに最新のバイクを組み合わせようと考えます。
ベース車両はフサベル「FE 501」
ジョアン氏が選択したベース車両は1998 年製のフサベル「FE 501」でした。最新モデルではないですが60年代の性能に比べれば遙かに高い(52馬力、車重109kg)とのことで、確信を持ったと言います。
外装パーツはほぼメティスから流用
ガソリンタンク、サイドカバーとテールピースは全てリックマンメティスのパーツを流用しています。タンクはそのままマウントされていますが、サイドパネルとテールユニットはフサベルのサイズに合わせて変更されています。これらのパーツを装着する為、フレームにも若干手が加えられています。
ディテール紹介
2連のヘッドライトやスピードメーターシュラウド、テールライトはカスタムメイドです。ライト類には小さなLEDランプが埋め込まれています。
フサベルの強力なエンジンにはほとんど手を加えず、使いやすさのためHebo油圧クラッチを取り付けました。エアインテークはカスタムメイドされ、HKSのフィルターが装備されています。
フサベルの車高の高さを調整するためサスペンションのリキッドを調整し、ローダウン化を計ります。フロント21インチ、リア19インチだったタイヤを前後ともに19インチに変更し、クラシカルな印象を持つダンロップのオフロード用タイヤを履かせました。
カラーリングは「スティーブマックイーン・デザートレーサーレプリカ」のオマージュとなっています。エンジンケースの色はミスマッチですが、タンク上のレタリングとスウェーデンと英国旗がアクセントとなり、メティスとはまた異なった魅力をかもし出しています。
シンプルさと乗る楽しさがコンセプト
ジョアン氏は「このバイクのコンセプトはシンプルさと乗る喜びです。このバイクの性能は、乗って楽しむために存在しています。そしてこのバイクを運転することは非常に楽しい」と述べています。
確かに、日常的にストレスを感じることなく乗り回せる、楽しそうなバイクとして仕上がっていますよね。ただ、筆者はメティスの「スティーブマックイーン・デザートレーサーレプリカ」が普通に欲しかったです。