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今回とりあげるカスタムバイクは、Indian Larryが生み出した最後のカスタムバイクにあたるCHAIN OF MYSTERYです。
常人では思いつかないような独創的なデザインを持ったバイクであり、Indian Larry最後の作品と言われるこのカスタムバイク、Indian Larryの紹介と合わせて少し掘り下げて見ていきましょう。
インディアン・ラリーという人物について
Indian Larry(インディアン・ラリー)はアメリカ出身のモーターサイクル・アーティストです。モーターサイクル・アーティストつまりはカスタムバイクビルダーで、その独創性から高い評価を獲得していた人物でした。
ビルダーであると同時にスタントとしてもバイクを操っていたIndian Larryですが、スタント中の不慮の事故で2004年に亡くなっています。
CHAIN OF MYSTERYはIndian Larryが最後に手がけたカスタムバイクとして、現代でもなお語り継がれているバイクなのです。
絵に描いたようなハーレーのイメージ
こちらの写真に写っているのがカスタムバイクのCHAIN OF MYSTERYです。アメリカのオークションサイト「Mecum Auctions」にて165,000USドル(約1,800万円)で落札された伝説的な個体です。
デザインと良いフォルムといい、これぞアメリカのカスタムバイクといった感じの印象を一見しただけで感じさせるものとなっています。
こちらはハーレーでよく見かける光景です。クランクシャフトによって回転するドライブ側のプーリー、プーリーが回転することで動くプライマリーベルトとクラッチシェル、国産バイクではあまり目にすることのない、ヴィジュアル的にもインパクトの強いものとなっています。
各パーツにはエングレーブが刻まれています。フットペダルはまさかのメリケンサックを流用していますね。
Indian Larryのロゴも刻まれているなど、細かいところまでデザインの統一感がすばらしいです。
チェーンで作られたフレームが最たるもの
CHAIN OF MYSTERYの特徴は何といってもその個性的なヴィジュアルで、中でもチェーンリンクでフレームが作られている点はその最たるものであることに疑いはありません。
このチェーンフレームの製作にあたっては剛性などの機能面が十分か否か懸念されていましたが、見事にフレームとしての性能を発揮することに成功しています。
筆者も当メディアで様々なバイクをこれまで紹介してきて、フレームを作り直したバイクなども取り上げましたが、フレームをチェーンで作り上げたカスタムバイクはこれまで見たことがありません。
常識に囚われていては決して生まれてこないこのアイデアを考えるだけでなく、さらには実現させるという、これを見ただけでもIndian Larryがレジェントたらしめる理由がよくわかるのではないでしょうか。
エングレーブ入りのレザーシート
後方から前方にかけてテーパーの形をしたシートが装着されています。Indian Larryのガレージ・パートナーであったPaul Coxが作ったハンドメイドのレザーシートで、シート表面には「整備士」としてのIndian Larryのイメージをした彫刻デザインがなされているなど、このバイクだけにマッチする唯一のレザーシートとなっているのです。
燃料タンクにはオレンジ色でIndian Larryの文字がペイントされ、色彩豊かなカラーリングは全体での完成度を高めています。Indian Larryのロゴが入っているところもポイントです。
16年経っても色褪せないカスタムバイク
Indian Larryの最後の作品であるCHAIN OF MYSTERY、誕生から16年を経過しても色褪せない、世界中のカスタムバイクの究極のカスタムのひとつです。Indian Larryのインスピレーションを感じ取って見てはいかがでしょうか。