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突然ですが、メーカーカラーってありますよね。ヤマハならブルー、カワサキならライムグリーン、ホンダならレッドもしくはガンダムカラー。脳みそに焼き付いた先入観によって、バイクの画像を見たときにはまずボディの色でパッとメーカーの候補が思い浮かぶと思います。
そしてホンダにおよそ一番似合わなさそうなカラーのグリーン…… しかしどういったことでしょう、今回ご紹介するカスタムバイクはそのタブーともいえるカラーリングをいとも簡単に使いこなして見せたのです。
HONDA CB750F GREEN ARROW by NCT
吸い込まれるような美しいグリーンと、シートやフィルター、焼き色のついたエキゾーストパイプの褐色が見事なコントラストを生み出し、まるで名馬を眺めているような錯覚を与えてくれます。
本来レッドカラーが映えるホンダのバイクにあえてグリーンをあてがう勇気とその完成度に思わず脱帽してしまいます。タンクにはワンポイントでオレンジのラインが流れ星のように輝きます。
このカスタムを手掛けたのは、forRideでも何度か取り上げたことのあるNCT Motorcycles。ビジュアルの出来栄えが群を抜いて美しい世界屈指のビルダーです。
過去にもこのような名作カスタムを生み出した実力派です。2016年にオーストリアで巨大なショップを設立し、今でもこうして元気に辣腕を奮っています。
こだわり抜かれたカスタム内容
ベースとなったCB750Fは一度完全に分解され、まずそのフレームワークを徹底的に作り直され真っ黒なパウダーコートが施されました。シートもスマートなカウル付きのシングルシートに付け替えられ、全体のシルエットがコンパクトに引き締められています。
艶消しブラックの中に光る金具がたまらんですね!マフラーはSPARK製のマフラーをシルエットに合わせてカットし、ハニカムメッシュのカバーで蓋をしています。
フロントフォークはShowa製の倒立フォークに交換されています。ホイールはそのままですが、ブレーキシステムを更新しAvon製のスポーティなタイヤを履いています。
ハンドルバーはカフェレーサー仕様に交換されており、しかもよく見るとグリップの根元にはMotogadget製のm-switchミニが装着されています。これは小さな物理ボタンが3つ付いたコントロールユニットで、ヘッドライトやウィンカー、エンジンスタートなどの操作がワンタッチで行えるようになる魔法のデバイスです。日本国内では大体3万円弱で購入できます。
メーターもMotogadget製のMotoscopeミニという最小級のデジタルメーターに換装されています。ここだけでNCTの電飾技術がすさまじいことがわかりますね。
艶やかなブラウンレザーのシートはオリジナルです。NCTのカスタムバイクがワンオフともいわれる所以ですね、シートカウルの内側にはNCTの刻印が施されています。サイドカバーにはベース車両の「750FOUR」エンブレムが誇らしげに輝いて、まるでバイクが「まだまだ現役だと」張り切っているように見え微笑ましいです。もう40年以上前のバイクなんですけどね。
時代と先入観を超えた名カスタム
以上、NCT MotorcyclesによるGreen Arrowのご紹介でした。こうしたヴィンテージバイクのモダナイズって、バイクへの愛に溢れててとてもほっこりしますよね。
今後も彼らの手によって輝きを取り戻すバイクが現れると思うと、とても待ち遠しい気持ちになります…… これからの活躍にも期待しましょう。