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イギリスの街道レーサー達が乗っていた速さを追求したカスタム「カフェレーサー」。現代においても人気が高いジャンルで、ビルダーはもちろんのこと、最近ではメーカーの純正ラインアップにも設定があるほどです。
スペインのカスタムシーンに2014年に燦然と現れた、新進気鋭のワークショップ「Nitro Cycles」の初期作品もまたその一つ。ベース車は1980年代にBMWが打ち出した意欲的スポーツモデル「K100RS」です。30年以上前に販売されていたバイクとは思えないほど、クールで洗練されたデザインに仕上がっています。
クールでシンプルな外装で存在感を一層アピール
あらためてK100RSを見てみると、当時は未来的だった外装も今見るとどこかやぼったく感じます。Nitro Cyclesは大胆にもそのすべてを一度引き剥がし、古典的なカフェレーサーの流儀に則った流線型のロケットカウルとシングルシートを設置。リアのフレームを一部カットすることで、近代的なスタイリングを実現しています。
引き締められたボディのサテンブラックに、カウルとタンクのガンメタがアクセントになっていて、カッコいい!
ハンドルはもちろんフォークに直付けするクリップオンタイプ。メーターはあえてアナログからシンプルで小径なデジタルスピードメーターとすることで、コックピットをすっきりとさせています。
ヴィンテージスタイルの小径ストップランプが埋め込まれたテールからの眺めも実にセクシーですね。
K100RSのアイキャッチともいえる水冷縦置き4気筒のエンジンはサイドカウルを取り払ったことでいっそう存在感を放つように。エンジンカバーに至ってはポリッシュされてベース時よりも輝きを放っているくらいです。遠目に見ても目を引く演出ですね。
最新パーツで運動性能も大きく向上
もちろん「カフェレーサー」なのは見た目だけではありません。Nitro Cyclesはしっかり運動性能にもコミットしています。
まず走りの要となるリアサスには、スリムなデザインと軽量な仕上がりで有名なHAGONのショックを採用。見た目と性能を両立させています。エアフィルターは吸気効率の高いものに交換し、それに合わせてエンジンが最適なパフォーマンスを発揮できるようキャブレターの調整も欠かしていません。
吸気を向上させたら当然排気系もということで、マフラーはアクラポビッチ製のショートマフラーをチョイス。もともと4-in-1の集合管でしたし、マフラーエンドだけの交換ですが、この大きく口を開けたレーシングマフラーならかなりのパワーアップが見込めそうです。
気鋭のビルダーが作り出す新たな作品に注目!
国際レベルのBMW Kシリーズ限定カスタムコンペで2位を獲得したことからも、このカスタムバイクのカッコよさと実力は折り紙付きといえるでしょう。初期作品からこの完成度を叩き出したNitro Cyclesはいまやスペイン国内のみならず、世界のカスタムシーンを語る上で欠かせない存在となっています。
彼らがこの6年の間につくりあげてきた作品は必見です。ぜひホームページを訪れてみてください。