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木村拓哉さん主演のドラマでも使用され、1990年代に日本で大人気だったヤマハ TW200のカスタム。ロングスイングアームに、サイドカバーなど外装パーツ類を取り外したストリート系のスタイルは、フレームの隙間から反対側が見えるほどスカスカという意味で「スカチューン」と呼ばれ一世を風靡しました。
日本では今やほとんど見ることがなくなりましたが、海外ではまだまだ現役です。南半球のオーストラリアにあるカスタムバイクショップPurpose Built Moto(パーパス・ビルト・モト)が、まさにスカチューンを彷彿とさせるカスタムTW200を製作。これがまたカッコイイんです。
コンセプトは「アサルト」!? 絶妙な解釈でカスタム
オーナーからTW200をベースに、「Urban Assault vehicleを作りたい」と依頼されたカスタムショップのトムさん。英語でAssaultは「攻撃する」という意味なので、「攻撃型の街乗り車」といった物騒なオーダーだったのですが、それを「ストリートトラッカーのことね」と解釈し、製作を開始したそうです。
フレームなどを渋いエレクトリックブルーにカスタムペイントしたこのTWは、ご覧の通りかなりスカスカですよね。
一番の特徴は、車体後部のシートフレームを短くし、逆にスイングアームをロングタイプに変更したこと。
ロングスイングアームは前述の通り、日本のスカチューンでも定番だったので、まさに王道のスタイルだといえます。しかも、この組み合わせが、横から見た時のフォルムに絶妙な一体感を生み出しています。
オリジナルのシートには、座面にブラックレザーと黒のステッチ、サイドや後端には高級素材のアルカンターラ生地を貼り合わせ、車体カラーにマッチしたブルーのステッチも施してます。クラシカルでスタイリッシュな雰囲気がいいですね。
エンジンからシート下に伸びるマフラーもオリジナル。砲弾型のサイレンサーがストリートファイター的なイメージを演出しています。あえてシート下に配置したことで、こちらもマシンの一体感に貢献しています。
タンクやホイールもスポーティに
ホイールは、前後17インチのモタードバイク用に交換。ノーマルのTW200は、前18インチ、後14インチで、特にリヤにはバルーンタイヤと呼ばれる極太タイヤを装着していました。インパクトはあるけど、ちょっと野暮ったいノーマルのフォルムが、かなりスポーティな印象に変わっています。
また、燃料タンクもスリムな形状の特注品。ハーレーダビッドソンのスポーツスター系に装着されているようなピーナッツ型を採用しています。サテンブラックとフェードブルーのカスタムペイントが、派手さこそありませんが、はやりスポーティなイメージを演出しています。
ほかにも、このバイクには、ハンドルバーにオフロードやトライアル競技などで御用達のレンサル製を装備。こちらもエレクトリックブルーでペイントし、フレームとのマッチングもバッチリ。
メーター類はあえてタンク左側にセットすることで、ハンドル周りをレーシングマシンのように、シンプルかつ機能的なイメージにしています。
懐かしさと目新しさの融合
オーストラリアで作られた最新のTW「スカチューン」、どうご覧になりましたか? ロングスイングアームなど日本でかつて定番だった手法と、グリップ内側につけられた下向きのミラーにモタード用ホイールなど今風のパーツなども取り入れられたカスタムは、懐かしさと目新しさがうまく融合しているのではないでしょうか。
ちなみに、TW200は日本では2008年に販売が終了していますが、北米などではまだ販売されている現役モデルです。海外では、そのカスタムも現在進行形のため、今後も様々なスタイルのバイクが登場してくることが期待できます。