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スペインを拠点に活動する「TAMARIT MOTORCYCLE(タマリット・モーターサイクル)」は、高年式トライアンフのカスタムを得意とするカスタムショップ兼パーツメーカーです。そんな同社では毎年数多くのカスタムバイクが製作されており、先日、ついに100台目のカスタムが完成しました。
さらに100台目のカスタムを記念して、格式高いフランスの老舗オークションハウス「アールキュリアル」とコラボレーションし、芸術作品とも言うべき洗練された極上のスラクストンカスタムを発表しましたのでご紹介いたします。
カスタムマシン100台記念作品「JADE」
こちらが、タマリットの手がけた記念すべき100台目のカスタムマシン「JADE(ジェイド)」です。ベースには2008年式スラクストンが用いられ、これまで同社が培ってきたトライアンフカスタムの技術と経験を注ぎ込み、実に640時間を費やして作り上げられた超大作となっています。
ジェイドはその名の通り「翡翠(ひすい)=緑色の半透明な宝石の一種」がモチーフ。他のバイクではあまり見られない絶妙な色合いの翡翠色ペイントを施すことで、シックでエレガントな仕上がりとなっています。
また、構成パーツはゴールド、クローム、レザーを基調としており、ボルトやエンブレムに用いるゴールドカラーは真鍮で表現されています。
フロントカウル、ロングスイングアーム、アンダーカウル、フレーム内臓型オイルクーラー、モノサス、エキゾーストパイプなど、あらゆるパーツをしっかりと設計開発することで完璧なバランスが追求されています。そんなジェイドの開発に注ぎ込まれた高度かつ綿密な設計技術は、さながら高級腕時計の技巧と似ています。
640時間が頷けるほどの美しいディテール
このカスタムで特筆すべきは、スタイリングの要であるワンオフ設計のフロントカウルです。エアロダイナミクスを考慮したレーシーなシルエットを与えると同時に、車体の印象をグッと引き締めています。さらにトップブリッジにはミニマルなデジタルスピードメーターとインジケーターを収納。やる気を感じさせるタマリット製のセパレートハンドルがセットアップされていますが、俯瞰で見ると戦闘的ではなくエレガントで落ち着いた雰囲気に仕上がっているから不思議です。
フロントカウルに次いで印象的なアンダーカウルももちろんワンオフ製作。その上に位置する2本のフレーム内蔵型オイルクーラーが、高い冷却効果を発揮することでしょう。
スイングアームを15cm延長しモノサス化する(純正はツインサス仕様)ことで、シート高を低くするとともにリア周りをスッキリさせることに成功しています。
さらに、ダイアモンドステッチが施されたワンオフのシングルシートにはブラウンレザーが使用されており、ラグジュアリーな雰囲気に仕上がっています。
ベースはTRIUMPHスラクストン(2008)
ジェイドのベース車両は、2008年式トライアンフ「スラクストン」がベースです。1950年代後半に耐久レースで勝利を勝ち取った「ボンネビル T120 スラクストン」が先祖であり、2004年にラインアップに復活したことでも話題を集めました。
2008年モデルは往年のクラシックスタイルを再現したカフェレーサーモデルで、このモデルからFI(フューエルインジェクション)が採用されています。現行モデルのエンジンは水冷化されており排気量も1,197ccまでアップしていますので、”空冷バーチカルツイン”エンジンを搭載した最後のスラクストンとなります。
エンジン型式 | 空冷並列2気筒 DOHC |
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排気量 | 865cc |
最高出力 | 70ps(51.5kw)/7400rpm |
最大トルク | 7.3kg・m(72N・m)/6000rpm |
車両重量 | 205kg |
全長×全幅×全高(mm) | 2,150×1,120×950 |
シート高(mm) | 790 |
変速機 | 5速MT |
燃料タンク容量 | 16L |
タイヤサイズ | 前:100/90-18・後:130/80R17 |
価格(税込) | 128万1,000円 |
動画もアーティスティックな仕上がり!
緻密に計算された機械美の中にエレガントさを宿したその姿は、まさに”走る宝石”のような素晴らしい作品でしたね!
タマリットは高年式トライアンフのカスタムを得意とするカスタムショップ兼パーツメーカーですので、トライアンフユーザーは一度オフィシャルサイトをチェックしてみてください。