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世界最高峰のカスタムビルダーの一人と言われる、ロサンゼルスの”Hazan Motorworks”主宰のMaxwell Hazan氏。今回ご紹介するのは、彼の作品「The Musket」カスタムです。
オートバイを芸術作品と捉える同社が製作した「The Musket」は、タイヤ・ホイール等の、ごく一部のパーツ以外、全てが同社で製作されたワンオフパーツで構成されています。
「The Musket」カスタム
ガソリンタンクからシート、そしてリアフェンダーへと続く滑らかなシルエットに眼が奪われます。このガソリンタンクとリアフェンダーは、「The Musket」カスタムのために製作された6061アルミ製のワンオフパーツ。トライ&エラーの末にたどり着いた絶妙なシルエットです。
空冷Vツインエンジンを抱くスチールフレームももちろん同社にてワンオフ製作。強度を計算しつつ、径の異なるパイプを組み合わせて綺麗なラインを作り出しています。
エンフィールド「ビレット500」を合体させた1,000cc空冷Vツイン
1,000ccの空冷Vツインエンジンを搭載。よく見ると、ロイヤルエンフィールド「ビレット500」をニコイチ(合体)させて製作されています!
これはインド生まれのエンジニアAniket Vardhan氏の作品になります。Aniket氏自身も「The Musket」を製作・販売していますので、Hazanによる「The Musket」は、さらにそこから派生したカスタムという位置付けになるワケです。
「The Musket」カスタムのディテールを紹介
この無駄を一切排除したシルエットの美しいスプリンガーフォークも、構成パーツすべてワンオフというから驚きです。
前後タイヤはBF Goodrichの「Silvertown」クルマ用タイヤをセレクト。これも数セットを試した後、最も美しいものが選ばれています。
木材(クルミの木)を素材とした美しいシート。15層にもなるポリウレタン塗装後に研磨することで、このウエットな輝きを手に入れています。
極めてシンプルなハンドル回りにもご注目。外側を通る煩わしいケーブルやレバー類が一切ないのです! この究極のスッキリ感を手に入れるため、ケーブルやワイヤー類は、すべてフレームやハンドル内に中通しされています。ビカビカのハーレーカスタムなどに見られる手法ですね!
世界最高峰と言われるHazan Motorworks
いかがでしたか? Hazan Motorworksが世界最高峰と言われる由縁が、おわかりいただけたかと思います。圧倒的な美的センスとトライ&エラーを厭わぬ執念、そして確かな技術力の裏付けが、この美しいカスタムマシンを作り上げています。
筆者は安易にオートバイを”芸術”に例えるのをあまり好みませんが、この「The Musket」カスタムは、芸術作品のような気がしてならなりません。