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時代を問わず安定した人気を誇るネオレトロなモデル(ネオクラシカルやヘリテイジとも言われてますが)。カワサキは今年新たに「MEGURO K3」を発表しましたね。
日本の大型スポーツバイクの歴史を紡ぐカワサキのコメモラティブモデル(記念モデル)であります。
カワサキはパフォーマンスに並々ならぬ思い入れを持つメーカーですが、同時に、このネオクラシカルも大切にするメーカー。その一例として、ベーシックな「W800」と……
緑色のシートレザーについては割愛しますが……、ベーシックなロードモデルと、カフェレーサーをラインアップしてくれているのです。これはネオクラファンの心を揺さぶられますよね。
W800にスクランブラー仕様が欲しい?
さてさて、カワサキが粘り強くリリースし続けてくれている「W800」ですが、残念ながら、スクランブラーバージョンは未だ市販されていません。かつて250ccクラスでは……
この「エストレヤ」をベースにして、スクランブラーの……
「250TR」を発売していたのですが……。
(厳密には、カワサキは「250TR」を70年代トレールバイク(バイソン)の雰囲気を漂わせる、と表現していましたが……)
フランス人がW800をベースにスクランブラーを製作!
そんな筆者のボヤキが聞こえたわけではないでしょうが……フランスのカスタムビルダーMRS Oficinaが作ってくれました!シルエットとしては、スクランブラーというより当時のガチモトクロッサー的ですが、まぁカッコいいからコレはコレで素晴らしい!
製作したのは、フランスはパリに本拠地を置くカスタムビルダーであるMRS Oficinaのマリオさん。ご本人はカフェレーサーがお好きなそうですが、カワサキ(のフランス法人)とのコラボにより、本カスタムを400時間も費やして製作したそうです。
エンジンとフレームはW800だが足回りは「KX450」用を移植!
全体的には土の匂いぷんぷんなのですが、エンジンとフレームは見慣れた「W800」のそれ。で、一目で気が付くのは、最新オフロードバイク的な足回りに換装されていること。なんと「KX450」用のフロントフォーク&スイングアームを流用しているのです。
容易に想像できると思いますが、両車のディメンションが全く共通ではないため、バランス取りの作業は困難を極めたそうです。また、一見気づきにくいですが、フレームもしっかりと加工されているとのこと。
ちなみにリヤショックはオーリンズ製品ですが、直接コンタクトしてオーダーしたワンオフです!
一方で、MRS Oficinaのセンスの良さを感じさせるのは、アルミ製のワンオフパーツたち。リブが綺麗なフロントのゼッケンプレートはもちろん、
メグロよろしく、オリジナルのタンクエンブレムや、
ゼッケン風の一体型サイドカバーももちろんワンオフ。この滑らかな形状がより一層クラシカルな雰囲気を醸し出しています。このサイドカバー、市販化したら絶対ヒットしそうですね!
シートも、あえてスムースな表革を用い、落ち着いた雰囲気の中にも個性を感じさせます。これら多くのアルミ製パーツやシートは、マリオさんによるワンオフとのことですから流石です。
ということで今回は、フランス人カスタムビルダーのMRS Oficinaが製作したカワサキ「W800」ベースのスクランブラーカスタムを紹介いたしました。
やはり、カスタムビルダーさんに求められるのは、切った貼ったの加工技術はもちろんですが、カスタムバイク全体を俯瞰でみられるバランス感覚も重要なのだと、改めて実感いたしました。
そしてまた、カワサキ「W800」の新たな可能性(ポテンシャル)が垣間見えましたね!