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3Dプリンター……なんだかカッコ良い響きですが、簡単に言うと“立体を出力できる印刷機=プリンター”なんですよね。その3Dプリンターが注目を集めていますが、出力できる素材も色々。金属(合金)やプラスチックなど、実に様々な素材で立体造形ができてしまいます。
今回は、そんな3Dプリンターでパーツを出力=造形したカスタム車両が、本当に凄いのかどうか軽く検証してみましょう。
XSR900 Yard Built by Dab Motors「The ALTER」
さて、それがコチラ!「The ALTER」と命名されています、ヤマハ「XSR900」をベースにしたカスタム車両。制作者はフランス南西部のバスク地方にある美しい海辺の町「Biarritz」を本拠地とするDAB MOTORSです。
その最大の特徴がコチラ。なんだか艶めかしい造形のサブフレームですが、実はコレ、最新の3Dモデリングやレンダリング技術を取り入れつつ設計され、3Dプリンターで出力されているのであります。サブフレームの下部はクロスする形状となっており、これは既存のパイプを加工する手法では実現できなかったものです。
それはそれで凄い気もしますが、それが軽量化に寄与している、みたいな言及はありませんので、まぁ見た目の問題ということですかね?
また、ご自慢のサブフレーム後端にはテールランプが埋め込まれています。3Dプリンター出力品だから実現できたような気もしますが、パイプフレームでもLEDライトの埋め込みが不可能なワケではありません。まぁ近未来的な雰囲気を醸し出すことには成功していますが、厳しく言えば「だから何?」といった感じ。
フランス人が制作したヤードビルド・カスタムだからとビビってしまいがちですが、冷静に考えれば、取り立てて驚くようなサブフレームではありません。
そして、中空のトップブリッヂやライザーなども、同様に3Dプリンターで出力されたもの。ライダー目線では、これはちょっとカッコ良いかも。
ところが……(個人的には)3Dプリンターで出力されたご自慢のパーツ群は高く評価できないのですが、この外装パーツが実は面白い。亜麻繊維を利用したリサイクル素材から制作されたというのです。
アウトローのイメージが強いバイカーであっても、今や時代はエコですから……サスティナビリティ=持続可能、な社会を維持せねばならないわけです。「大好きなモーターサイクルのカスタムにあっても、地球に負担を掛けない優しい気持ちを忘れてはいけない」というDAB MOTORSのメッセージ性を感じる部分です。
そんなこんなで、3Dプリンターで出力されたサブフレームがご自慢のヤードビルド・カスタムですが、筆者的には亜麻製ボディーワークが偉いかな、と感じた次第です。
皆さん、どう感じましたか?