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世の中にはカスタムするのに人気な車種ってありますよね、SR400とかRnineTとかドラッグスターとかバルカンとか…… そしてその逆もしかりで、普通だったらカスタムベースとして選ばれないようなバイクもございます。
例えばヤマハのGTS1000のカスタムなんてなかなか聞かないですよね。しかしどうやら最近産声を上げた鬼かっこいいSFカスタムバイクのベースがGTS1000らしく…… どんなものか早速覗いてみましょう。
YAMAHA GTS1000「Project Rhodium Omega」by JSK Moto
ロサンゼルスに本拠地を置くカスタムショップ「JSK Moto」がカスタムしたのは、かつてそのクセのあるスイングアーム式サスペンションで業界を騒がせたヤマハのGTS1000、通称「オメガ」。
時代を先取りしすぎたがゆえに大きくヒットしなかったこのマシンを、「かつてこいつが与えた革新的なショックを、今の若者にも生み出してほしい」という願いのもと、作られたのがこのカスタムです。
ライディングポジションが大きく変わるスーパースポーツなボディラインになり、3Dプリントされたボディパネルをふんだんに使うことで、シャープで攻撃的なSFマシンに仕上がりました。
いったんバラバラにされたGTS1000のタンクとラジエーターはレーザーカットされたオリジナルのものに交換され、ヘッドライトには6灯のLEDを採用、タッチボタン式の新しいUIとディスプレイが埋め込まれ、超未来的なビジュアルになって復活しました。
彼らの制作風景が公開されていましたので、順を追ってみてみましょう。
まずは彼らのコンセプトに合わせるために、ツアラーゆえの直立したステアリングを再設計するところから始まりました。
イメージコンセプトを固めた後、どれほど単純化できて、内部機構をどういじればよいのかを見るために、スケルトンワイヤフレームで仮の姿を形作ります。新しいフレームコンセプトに合わせてカスタムタンクを作成し、ラジエーターを特注しました。
実際にこの先乗り続けられるようなバイクにするために、ボディパネルは要所要所、ちゃんと取り外しができるように設計されました。
スタイルを統一するために、多少高価ながらもレーシング規格のAiMフルカラーダッシュボードを採用。購入する前にボードで模型を作り、入念に予備設計をしていますね。
クレイで何度もボディパネルを出力しては試行錯誤し、最終的に完成したもので金型を作成しました。
金型から作られたボディパネルを塗装し、実際に取り付けていきます。一番わくわくする作業段階ですね!一部金属製、一部グラスファイバー製で形成されています。
オリジナルデザインのシートに手染めの革を張り付けて組み込めば完成です。
3年もの年月をかけて作られた「Rhodium Omega」は今までに見たこともないエキセントリックなバイクに仕上がりました。ひとつひとつ丁寧に手作りされたこちらの芸術作品は、間違いなく世界有数の「トップカスタム」のひとつに数えられるでしょう。
JSK Motoの素晴らしい手腕に拍手!