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100年近い歴史を持つイギリスの老舗ブランド「Barbour(バブアー)」。そのコレクションの中でも代表的なモーターサイクルジャケット「International(インターナショナル)」には、バイカーとしても知られるアメリカの俳優スティーブ・マックイーンが着用したことをはじめ数々の逸話があります。バイカーのみならずタウンユースにもオススメの逸品に込められた歴史と魅力をご紹介します。
イギリス王室すら愛用した歴史あるブランド「Barbour」
まずは正統派ブリティッシュブランド「Barbour(バブアー)」についておさらいしておきましょう。1894年ジョン・バブアーがイングランド北東部のサウスシールズで創業した後、悪天候の元で働く漁師や港湾労働者のために高い機能と耐久性、革新的なデザインをあわせ持つジャケットを提供したことで、名声は広まりました。
その秘密は使用されている生地「ワックスドコットン」にあります。最高級のエジプト綿に独自の防水オイルを施したもので、高い防水性を持ちながら、化学繊維にはマネのできない機能性と耐久性を兼ね備えたBarbourの代名詞です。
第一次、第二次世界大戦中には、その服作りの品質と機能性がかわれ、イギリス国軍に戦闘服を供給。イギリス海軍の潜水艦「ウルスラ号」の艦長ジョージ・フィリップ大尉は、部下の着用していたBarbourのバイカージャケットの防水性に感動し、潜水艦の名を冠した「ウルスラ・ジャケット」をオーダーしました。自費でクルーのユニフォームとして提供したという逸話もあります。
また1970~80年代にかけては、三度に渡りイギリス王室御用達(ロイヤル・ワラント)の「トリプル・ワラント」を授与されたブランドでもあります。その名声からイギリスでは街でも頻繁に目にするほど老若男女に愛されており、世界中でも揺るぎない評価を得ているほどです。
そして1970年代以降、ハンティング用ジャケット「BEAUFOET(ビューフォート)」や、乗馬用ジャケット「BEDALE(ビデイル)」などのモデルを発表し、英国を代表するアウトドアブランドとしての地位も確立しました。現在でも各モデルはその伝統的由来のあるデザインを継承しており、Barbourの独自のスタイルを築いています。
そのシンプルでタイムレスなデザインと機能性から、ジェントルマンスタイルとしてだけでなく、さまざまなファッションに取り入れられるイギリスの老舗として、ファッション業界で根強い人気を誇っているのは現在でも変わりません。
バイカーの求める機能性が凝縮された「International」
そんなBarbourを代表する、バイカーズジャケットの代名詞「International(インターナショナル)」は1936年に誕生しました。このジャケットにはバイカーのための機能が満載です。
前述したワックスドコットンで作られていることはもちろん、襟はスタンドカラーになっているため、ストラップを留めれば風の侵入を防ぐことができ、内側の肌触りの良いコーデュロイは首をあたためます。左胸に斜めにつけられた通称「マップポケット」は特にバイカーにうれしい設計。バイク乗車中でもモノの出し入れがカンタンで、スマートフォンをはじめとした小物の収納に重宝します。
さらに全てのポケットは大ぶりなフラップ付きで、ライディング中にモノが落ちる心配もありません。また前面のジッパーは大きなリング型になっているため、手袋をつけたままでもあまり不便を感じずジャケットを脱ぐことができます。
バイカーとしても知られたアメリカの俳優スティーブ・マックイーンも当時の東ドイツで開催されたインターナショナル・シックスデイズ・エンデューロへアメリカ代表として出場の際に着用していたことから、今なお全世界にファンを持つ名作です。
懐の深いファッション性と風合いの変化を楽しめる一着
バイクはもちろん、その機能性と高いファッション性からタウンユースにもInternationalはオススメです。そのシンプルかつ、前面に配置されたポケットと金のボタンがアクセントとなったデザインは、ストリートファッションやジェントルマンなスタイルとも相性はバツグン。さらにワックスドコットンの高い耐久性もあり、レザーのように風合いの変化を楽しめるほど長年愛用できます。
様々なファッション、生活スタイルに対応する懐の深さは、長い歴史を持つこのジャケットならでは。皆さんも秋のジャケット候補に、ぜひチェックしてみてください!