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前にも『レザーのオフシーズンである夏にこそやっておくべきクリーニング&修理!』でカドヤさんのリフレザーをご紹介させて頂きましたが、やはり実際に1着洗ってみるのが一番分かりやすいだろうということで、ナンディさんが5年ほどロードレースで着倒している「カドヤ製レーシングスーツRSI」を持ち込みました。
リフレザーでレーシングスーツをクリーニング
今回、担当して頂くのはリフレザーの長尾さん(左)と前田さん(右)。よろしくお願いします!
持ち込まれた品はまず全体から細部まで写真に収められます。汚れはもちろん、破損している部分なども細かく認識されます。
今まで使っていた自分ですらも気がつかない部分での破損なども見つかりました。幾度もの転倒から体を守ってくれた証ですね。
ではリフレザー実体験スタート!…と思われましたが、まだここから更に現状のチェックが入るのでした。
前田さんが行っているのはツナギの細部の状態チェック。やれたツナギの場合、これは非常に時間がかかる作業です。
ほつれや破れなどの破損箇所だけではなく、シャーリングのゴムの伸びや、各部の黒ずみ、カサツキなども事細かく書き写していきます。
ここから長尾さんにタッチしますが、最初の作業はエアブロー。表はもちろん、裏側も捲られて入念に砂やほこりが払われます。
泥汚れなどが付いている場合はまず一度洗うそうですが、今回のツナギでは泥などは付いていないので大丈夫でした。なので、泥洗いの工程はなく「色止め剤」と「一番弱い洗剤」を入れた液体に浸す工程に入ります。
浸すだけで洗濯槽を回すことはしませんが、一般女性モノなどは浸しただけで液体の重みで革が伸びたりもすることもあるそうです。ツナギの場合はワッペンなどにも色移りが起こる場合も…。様々な部分に気配りと注意が必要なのです。そのあたりは職人ならではの経験と腕でカバーですね。
さあ、ここからが”洗い”の作業。リフレザーではドライクリーニングと水洗いの2種類があるが革質にもよるため、どちらにするかの判断はリフレザーの職人に任されます。ビンテージレザーなどの革が薄くなっているものは型崩れを起こす可能性もあるので、一点ずつ判断して対応しているそうです。今回のツナギは水洗いとなりました。全てを手で洗うのです!
部位や革質によって使用するブラシを変えたり、洗剤も3種類を使い分けるそうです。裾部分は地面に近いために汚れも付きやすいので念入りに。
細かい部分には歯ブラシなども用いられます。その作業は非常に丁寧。洗濯機に放り込んでボタン押しておしまいってワケではないのです!
「綺麗になって戻ってきてくれー!」という期待を込めて、次回に続きます!
協力 – KADOYA リフレザー