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「SR」といえばヤマハ発動機のロングセラー単気筒バイクだ。
1997年にイギリスのオートバイメーカー「BSA」が、SRのエンジンをベースに車両を製作していたのをご存知だろうか。
35歳以上のバイク乗りであれば知っている方も多いだろうが、今回はまだ知らない人のために、そんな幻の名車「BSA-SR」について紹介したい。
BSAとは?
まずBSAとは、バーミンガム・スモール・アームズの略だ。
マン島をはじめヨーロッパ各地でレースが盛んだった時代、BSA、トライアンフ、ノートンなど各メーカーが凌ぎを削ってレースマシンを開発し競っていた。その中でもトライアンフと並び20世紀を代表するメーカーがBSAである。惜しくも70年代にその幕を閉じてしまった。
しかし1997年、日本のオートバイパーツメーカーである「デイトナ」が、BSAリーガル社に依頼し、共同プロジェクトで完成させたのがBSA-SRである。なおBSA-SRは3モデルあり、世界500台限定で発売された。
GOLD SR
こちらがそのBSA製SRの1つ「GOLD SR」。SR純正フレームとは違い、ノートンのフェザーベッドフレームを新規で製作している。また、アルミタンクにCRキャブ、マグラのセパレートハンドル、スエプトバックエキパイにBSAマフラーが標準装備された、メイド・イン・UKのマシン。
CLUBMAN SR
2モデル目が「CLUBMAN SR」。こちらのモデルはノートン「マンクス」をイメージし製作されているので、ノートンマンクスタイプのアルミタンクや、メガホンタイプのマフラーが装着されている。往年のレーサーレプリカを彷彿とさせるモデルだ。
G40 SR
3モデル目が「G40 SR」だ。1959年に投入されたAJSのワークスマシン「G50」を模したスタイリングで、AJSタンクにシングルシートが特徴。G50を模して作られ、SRが400ccであるということで、「G40」と名付けられた。
もちろん3モデルとも、最高出力や最大トルクなどのスペック自体はSR400と同様だが、クランクケースカバーには「YAMAHA」ではなく「BSA」のロゴが刻まれている。
日本を代表するパーツメーカー「デイトナ」の情熱が生んだ、奇跡のモデルと言えよう。
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