昨秋に開催されたEICMA2019(ミラノショー2019)……幾つか魅力的なニューモデルやコンセプトモデルが発表されましたよね?
なかでもひと際インパクトが大きかったのが、アストン・マーチン×ブラフ・シューぺリアが突如発表した「AMB001」でした。
イギリスの名門同士のコラボモデル!
さて、コチラが「AMB001」。車両そのものも注目に値するのですが……
イギリスを代表するプレミアムな四輪&二輪メーカーのコラボレーションにより生まれたモデルということで、それがために注目度がアップしたと思われます。
バイカーさんには馴染みが薄いかも知れませんので念のためにご紹介しておきますと……アストン・マーチンはイギリスの老舗四輪メーカーであります。この「DB4 GT Zagato」などはコレクターズアイテムとなっている名車ですし……
現在は、ご覧の「DBS SUPERLEGGERA」のようなモデルを生産している、いわばハイエンドなスポーツカーメーカーでございます。
一方のブラフ・シューぺリアもまた、豊かな歴史を誇るイギリスの老舗メーカーです。第二次世界大戦前、このアラビアのロレンスさんが乗車している「SS100」こそが世界最高峰のモーターサイクルであると……そう呼ばれるほどの名車を生み出していました。極めて分かりやすい例えがありまして……「二輪のロールスロイス」と……そう呼ばれていたのがブラフ・シューぺリアなのです。
アストン・マーチンが創業160年を、ブラフ・シューペリアが創業100周年を、それぞれ迎えたことを祝してのコラボなのだそうです。
「AMB001」の一体何処が素晴らしいのか……
改めて「AMB001」を眺めてみますと……まずは、この近未来的なエクステリアに目を奪われます。フロントフェアリングからガソリンタンク、それにシートカウルまで、見事な流線形なのですが、コレはエアロダイナミクスの効果を狙ったもので、カーボン製であるそうです。
ちなみにリアのサブフレームもカーボン製です。
この茶色のシートは本革製(オックスフォード・タン)であり、手縫いされるそうです。グリップレザーとマッチしているのがコダワリであります。アストン・マーチンの内装と同じ製法だそうです。
しかし……この薄っぺらさは半端ない!お尻の革の厚さが求められそうでです。
こちらは……ターボチャージャーのインテーク!そう、「AMB001」はターボチャージャーを搭載しているのであります。
エンジンの写真が公開されていないので、上の写真をトリミングして載せておきますと……
このようになります。総排気量997cc、水冷VツインDOHCエンジン(バックは88度)であります。ボア×ストローク=94 x 71.8mm と、かなりショートストローク。
しかし……最高出力は、わずか134 kW (180 hp)……リッタークラスの自然吸気エンジンでも、例えばホンダ「CBR1000RR」は160 kW(218 PS)。カワサキ「Ninja H2R」のスーパーチャージドエンジンは、ラムエア加圧時で240 kWですから、ターボチャージャー搭載エンジンとしては物足りなく感じます。
見逃していた点があるとするならば……フロント足回りがアルミ鍛造材をCNCで削り出して制作したダブルウィッシュボーン式を採用している点。
もしかすると……速さではなく、類まれなる操縦安定性、みたいなものも、一つのウリなのかも知れません。
最後になりますが……筆者的には「ちょっと意味がわからないゲテモノ……」と位置付けました。イギリス人であれば、また違った感覚なのかも知れませんが、一般的な日本人である筆者には、アストン・マーチンもブラフ・シューぺリアも、それほど響く存在ではないことが、影響しているのかも知れません。
いずれにせよ、「公道を走れないAMB001が1,300万円ってチョット……」というのが正直な感想です。皆さんは、どう思いますかね?