他人に借りた/貸したバイクでの事故って何がどうなるの?

バイク友達とかツーリング仲間が新車を買ったとき、たまに仲間内で「お!いいじゃん~、ちょっと乗らせてよ」という流れになったりしますよね。

 

そしてそういう時に限って、跨った瞬間に立ちゴケしたり、コーナーで滑ってカウル全損などなど…… 相手が相手なだけに、信用して貸した結果、何とも言えない悲劇につながってしまい、いたたまれない空気になってしまうこともあります。

場合によっては、無関係な物・人を巻き込んでしまったり……!?

 

では仮に、知人友人に借りた/貸したバイクで事故を起こしてしまった場合、一体どういう対処をとるのがいいのでしょうか?ケースごとに分けて考えてみましょう!

※本記事では例外的なケースは基本的に取り上げませんので、特殊なケースについては専門家にお尋ねください。

 

借りた/貸したバイクがこけた

さて、所有者ではない人にバイクをゆだねた瞬間から「借りた貸した」の関係が成り立つと考えたうえで、仮にそのバイクが立ちゴケをしたり、曲道で滑ってしまった場合はどういった問題が発生して、どう解決するのがよいでしょうか?

 

物も人も巻き込まなかった場合、以下の流れが常識的です。

  1. 借りた人がバイクを損傷させた事実を、お互いの署名(できたら印鑑)のある書類に記録し、第3者にも認識してもらう
  2. バイクの傷み具合を修理屋にて見てもらい、修理費の見積もりを出す
  3. バイクを借りた人が、バイクの所有者に修理費を満額支払う
  4. バイクを借りた人に怪我があった場合、その本人が治療費を出す

 

事前に責任・保険についての契約を書面で交わさずに、バイクを貸してしまうのはもちろん無責任なことかもしれませんが、バイクを壊してしまった人が修理費(満額)を出すのは当たり前ですよね。

たとえバイクにかけられていた保険が適用できたとしても、所有者の等級が下がってしまったりして迷惑がかかるため、保険の適用は慎重に相談しましょう。

 

また、万が一支払についてトラブルが発生した際に、借りた人がバイクを壊したという証明が必要になってくるため、お互いの署名や印鑑の押された事故についての略文を用意したり、立証してくれる第3者が必要になってきます。

 

書類の作成や第3者については、なるべく事故の熱が冷める前に(事故報告を受けたらすぐに)準備するようにしましょう。

基本的には、お互いが素直に責任の行方を自覚していれば、いたってシンプルな流れですよね。

 

借りた/貸したバイクが自損・物損事故を起こした

では、ライダーのミスで、人は巻き込まなかったけれど、ガードレールや電柱、壁にぶつかってしまう事故を起こしてしまった場合にはどんな責任・義務が誰に加わってくるのでしょうか?

※厳密には、場合によっては人を巻き込んだ事故も自損事故として処理するケースもあります。

 

混乱を避けるために簡潔に書くと、

  • 事故の責任はバイクを運転したライダーにある
  • 保険はバイクの所有者がバイクにかけた保険が適用される(例外あり)
  • 支払いは先述の通り、バイクを運転していたライダーがするべき

このような形になります。事故で物を巻き込んでしまった場合、バイクだけでなく壊してしまったものすべてに対して損害賠償をする必要があります。その責任はもちろんバイクを借りて運転していた人にあります。

 

自損事故を起こしたら、

  1. 運転者は交通事故を警察に報告する(道路交通法第72条第1項)
  2. (事故処理が終わったら)借りた人がバイクを損傷させた事実を、お互いの署名のある書類に記録し、第3者にも認識してもらう

というステップを忘れないように。

 

自損事故でガードレール等を破損してしまった場合は、故意でなければ過失には問われませんが、警察に届け出る義務があります。法で定められているので、必ず事故処理の際に届け出をしましょう。

 

借りたバイクに自損事故保険がかけられていた場合は、ライダーが負傷した際に治療費に適用することが可能です。問題としては、その保険に「限定特約(保険の適用される運転者の範囲が限定される)」がセットされていると、適用対象外となってしまう可能性があるということ。

 

さらに、保険が適用できたとしても、バイクの所有者のノンフリート等級が下がってしまい、翌年の保険料が高くなってしまう場合があります。元の等級に戻るまでしばらく時間がかかるため、かなりの迷惑をかけることになります。

 

ここでの金銭・信用のロスについては、どちらが責任を持つべきかを当人間で冷静に話し合うことが重要になってきます。トータル費用が計算しにくいため、一括で請求することができず、「後腐れなく解決する」ということができなくなってしまうため、慎重に話し合いましょう。

※借りたライダーが1日保険やドライバー保険に準備よく入っていれば、そちらの保険が適用される場合もあります。

 

借りた/貸したバイクが人身事故を起こした

さて、かなり大変なケースについて見ていきましょう。赤の他人を事故に巻き込んでしまったら、賠償とか保険とかってどうなってしまうのでしょうか?

これも簡潔に見ていくと、

  • 事故の責任はバイクを運転したライダーとバイクを貸した人の両方にある
  • 保険はバイクの所有者がバイクにかけた自賠責保険と任意保険が適用される
  • 保険で賄いきれない支払いは借りた人と貸した人で合わせてする

という、かなり重い状況になってしまいます。

 

刑事上、過失運転致死傷罪や危険運転致死傷罪に該当する場合、運転していたライダーに責任があり逮捕されてしまいます。また、貸主も「危険運転の恐れあり」「飲酒運転する恐れあり」と分かっていながらバイクを貸した場合には、道交法上の刑事罰を受ける可能性があります。

 

人身事故の賠償責任は、自賠法第3条にて運行供用者責任が定められているため、つまるところバイクの所有者にあります。バイクの所有者は、自分が事故を起こした際と同じように、自賠責保険と任意保険によって被害者へ治療費や慰謝料などを支払うことになります。

 

このように、ただ一人で勝手にコケるだけならまだしも、物・人を巻き込み始めると途端にややこしくなり始めてきます。仮にバイクを貸すとしても、その場のノリで貸してしまうのではなく、お互いに迷惑をかけないようしっかりと前準備とTPOを弁えておきましょう。