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【まるで芸術作品】ブラフ・シューペリアの何がそこまで伝説的なのか?

【まるで芸術作品】ブラフ・シューペリアの何がそこまで伝説的なのか?

19世期から続く長いバイクの歴史の中で「伝説のメーカーはどこか?」という話題になったとき、真っ先に挙げられるのが20世紀初頭に創業したブラフ・シューペリアです。その流麗なスタイリングと当時としては先進的な機構で「芸術品」とすら言われることもあります。そんなバイクが生まれた秘密はどこにあったのか、あまり知られていないヒストリーを紐解きます。

話は20世紀初頭のイギリスから始まります。ちょっとタイムスリップしてみましょう。

過去に存在したイギリスのオートバイメーカー

【まるで芸術作品】ブラフ・シューペリアの何がそこまで伝説的なのか?

ブラフ・シューペリアは過去に存在していたイギリスのバイクメーカーです。オーダーメイドのカスタムバイクを提供していました。

活動開始は1919年。時代はまさに第一次世界大戦直後で、軍事用として成熟した航空機の技術が民間に転用され、近代的なバイクの下地が整っていく過渡期にありました。

その後起こった二度目の世界戦争もなんとか耐え抜き、1950年まで存続しましたが、残念なことに戦後イギリスの経済復興が遅れた事によってブラフ・シューペリアは歴史から消滅していくことになります……。

「オートバイのロールス・ロイス」

【まるで芸術作品】ブラフ・シューペリアの何がそこまで伝説的なのか?

ブラフ・シューペリアは、「オートバイのロールス・ロイス」と呼ばれることもあります。

いずれのモデルも、高級車の代表とも言えるロールス・ロイスのように高性能かつ高品質な仕上がりだったためです。

その秘密は製造過程における徹底的なこだわりにありました。一度全ての部品を組み立て、フィッティングを確認した後に分解し、全ての部品を塗装。必要に応じてメッキ加工を施し、再組み立てをします。

ここまででもかなり手間ですが、さらにオーナーのジョージ・ブラフ自身が徹底的にテストライドを行って性能を確認したと言います。要求性能に達しない場合は、何度も作り直すという念の入れようです。

ブラフ・シューペリアはジョージ・ブラフのあくなき情熱が完成させた芸術品だったというわけですね。

ブラフ・シューペリアのバイク紹介:1922年式 MARK 1 90BORE

ここではブラフ・シューエリアが1922年に製作したバイクであるMARK1 90BOREを紹介します。

21世紀にはない独特なデザイン

【まるで芸術作品】ブラフ・シューペリアの何がそこまで伝説的なのか?

これが世界で最も希少なバイクの一つとされる1922年式 MARK 1 90BOREです。レストアされているので、新車と勘違いしてしまいそうなほどの良い状態を保っています。

細かい説明などすることなく一目見ただけで、21世紀のバイクには見られない独自のデザインを持った1台であることがわかります。

【まるで芸術作品】ブラフ・シューペリアの何がそこまで伝説的なのか?

1920年代~1950年代のクラシックバイクは総じて、ホイールベースまたは全長が長く設計されている、あるいは長いように見えるというのが印象的です。タイヤ全体を覆うようにされたフェンダーや、後部についている荷台など、娯楽の中にある実用性のようなものを感じさせられます。

速さ・扱いやすさ・優れたデザイン性がコンセプト

【まるで芸術作品】ブラフ・シューペリアの何がそこまで伝説的なのか?

MARK1 90BOREの製作にあたってコンセプトとされたのが、速さ・扱いやすさ・優れたデザイン性、の3つです。つまり、その時代の中でも最も優れたバイクを生み出すと言う、最高のテーマが掲げられていたことになります。

【まるで芸術作品】ブラフ・シューペリアの何がそこまで伝説的なのか?

【まるで芸術作品】ブラフ・シューペリアの何がそこまで伝説的なのか?

搭載エンジンはJAP製の排気量1,000cc Vツインエンジン通称90ボア・エンジン)です。バイク名の90BOREはエンジンに由来するものとわかります。

採用されたトランスミッションはシングルスプリングクラッチが取り入れられた、イギリスの老舗パーツメーカー Sturmey-Archer製の3速ミッションです。

当時のデザインや価値観を感じよう

【まるで芸術作品】ブラフ・シューペリアの何がそこまで伝説的なのか?

依頼主の意見を取り入れ、徹底した性能・品質主義と貫いたからこそ、その歴史に幕を下ろしてから60年以上たったブラフ・シューペリアは今でも伝説として語り継がれているのではないでしょうか。

国内外のどちらでもなかなかお目にかかることがないブラフ・シューペリア。もし見つけた際には、ぜひ時間を割いてじっくりと鑑賞してみてください。

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