スペイン人「CB900Fをゴツゴツのカフェレーサーカスタムにしてみた」

1980年代のバイクブームを代表する車種のひとつがホンダのネイキッドスポーツ、CB900Fです。そのイメージをベースに制作されたホンダのコンセプト車CB-Fへの注目は、まさにその根強い人気を実証しているといっていいでしょう。

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昭和40年世代なら憧れや郷愁をもって振り返えるそんな名車をカスタムの題材にしたのが、スペインのカスタムショップSEÑOR MOTORCYCLESです。彼らの作り上げたカフェーレーサー「CB900ボルドール」はベース車へのリスペクトが詰まっています

 

CB愛溢れるカフェレーサー

ベースのホンダCB900Fは王道のネイキッドスタイルに、車体のサイドにはみ出した4気筒の大きなエンジン、シルバーにHONDAのロゴをあしらったブルーラインのタンクとどこを見てもホンダ。CBのアイデンティティが集約されているといっても過言ではありません。

 

SEÑOR MOTORCYCLESのCB900ボルドールをみても、そうしたCBらしさが息づいているスタイリングです。さらにリア周りの印象をスッキリさせつつ、セパレートハンドルやビキニカウルを装着して近代的なカフェレーサーに仕上がっています。ビルダーのCB愛の深さといったら。もし2000年代にCB900Fが復活していたら、こんな形になっていたかもしれませんね。

 

耐久レース譲りの高性能スポーツバイク CB900F

ここでベース車のCB900Fについておさらいしておきましょう。1978年に欧州向けに発売されたスポーツバイクで、当時の日本には排気量規制があったため、国内仕様のCB750Fも発売されました。こちらはしげの秀一氏のバイク漫画「バリバリ伝説」の主人公 巨摩 郡の愛車としても知られています。

 

ホンダ初の直列4気筒DOHC4バルブを搭載したロードスポーツモデルで、世界最速を目指して開発されました。無敵艦隊と呼ばれたホンダの耐久ファクトリーマシン RCB1000のノウハウが活かされています。

このレーサーのエンジンを900ccまでスケールダウンさせ、フロントにダブルディスクブレーキ、リアにシングルディスクブレーキ、前後キャストホイールなど当時としては最新のパーツが惜しげもなく採用されたほどです。

 

SEÑOR MOTORCYCLESがカスタムベース車に選んだCB900Fボルドールは、大型のフロントカウルを装備したモデルです。RCB1000が優勝を飾った耐久レース・ボルドール24時間レースにちなんで名づけられました。

 

パーツ流用により旧車特有ウィークポイントを解消

当時ハイスペックを誇ったCB900Fとはいえ、すでに生産終了から約40年が経とうとしている旧車です。当然ながら、現行車に比べれば性能の大きなギャップがあります。そこで、スズキGSX-R1100の倒立フォークに、YSS製ツインショック、そしてホンダVTRのホイールと、より近代的なモデルからパーツ移植がなされています。タイヤはウェットな路面でも設置感に優れるツーリングモデルのメッツラー・ロードテックZ8が装着されています。

エンジンのコントロールは電子制御化。CBR600のコントロールユニットを流用して、ミドルレンジまで回せばピークパワーが出るように調整されています。サーキットよりも街乗りやツーリングを意識してのことでしょう。

 

雰囲気やカッコよさを求めるのもカスタムの醍醐味

ビルダーのナチョ氏は「SEÑOR MOTORCYCLESのゴールは、機能本位のノーマルから全く異なるモーターサイクルを作り出すこと」と語っており、先のエンジン特性やタイヤチョイスも含めて考えると納得がいきます。前傾姿勢の低いカフェレーサースタイルもまた、機能性よりもカッコよさを求めてのことでしょう。ただ速さを求めるのではなく、乗りやすさや雰囲気を強調するのもまた、カスタムの楽しみ方のひとつです。

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池田勇生

池田勇生

バイク・クルマ・モータースポーツをさまざまな視点で執筆活動をしているフリーライター。特に80~90年代の旧車や2ストロークバイクが得意です。