【トリビア】バイクにディーゼルエンジンが無い理由ってなに?

かつて「ドゥカティ・ディアベルにディーゼルが出た!」と聞いて「マジ?」と思ったのは筆者だけではないと信じたいところですが(笑)

※あくまでイタリアのファッションブランド「ディーゼル」とのコラボでした。

なぜバイクにはディーゼルエンジンの採用例が少ないのでしょうか?今回の記事ではそのあたりに触れてみようと思います。

 

ディーゼルエンジンとは

ごく簡単に一般的なディーゼルエンジンの特徴と、それによるメリット・デメリットを挙げてみます。

 

特徴

ピストンにより圧縮された空気が高温になったところに、燃料を噴射して自然着火させ、その膨張をピストンで受け止める往復運動を得て回転運動に変換するレシプロ内燃機関で、1893年にドイツのルドルフ・ディーゼルさんが発明したものです。

 

メリット

  • 点火装置やスロットルバルブが不要>機構とメンテナンスの単純化
  • 燃料が安価>ガソリンよりも精製や管理(揮発)に手間がかからない燃料を使える
  • 燃料を選ばない>発火点が225度程度の液体ならなんでもOK(※注)
  • ガソリンエンジンよりも熱効率が良い>燃費が良い
  • ストロークによる高圧縮>低速トルクを稼ぎやすく、低速でのドライバビリティに優れる
  • 低回転域からでも一定の排圧が見込める>排気タービンと相性がよい

デメリット

  • 高圧縮に対応した堅牢性が必要>大きく重く高価になりがち
  • 点火装置そのものは不要ながら、冷間始動時の余熱に大容量バッテリーが必要>大きく重く
  • ストロークによる高圧縮>高回転が苦手でレスポンスが鈍く、振動大
  • エミッションコントロールが難しく、高コストや性能低下に繋がる
(※注)なんでもOKとはいえ、不用意に一般的な市販ディーゼルエンジン車にメーカー指定油以外を使用すると、潤滑への悪影響やエミッション性能の著しい低下であったり、道路財源としての脱税状態ともなる場合もあるので社会的にはNGです。

 

最近の乗用車では、仕組みそのものは変わらないとはいえ、各部の洗練と制御技術、静音・遮音技術の進化により、特徴的なゴロゴロガラガラ音もほとんどせず、言われて初めてディーゼルだと気づくレベルの車種も増えてきました。

しかし、基本的に大きなものを一定にユルユルと回すほどに長所が活き短所が目立たなくなるため、実際の普及状況は大型の貨物車や旅客車をはじめ鉄道農機重機建機船舶等での採用例のほうが目立ちます。

 

小型であること、(小型であるが故に)出力を稼ぐための高回転、高回転に至るにリニアなレスポンスを求められる二輪車用の原動機としては相性が良くないと言えるでしょう。

 

二輪での採用例

とはいえ、二輪での採用例が全くないわけではありません。前述のドゥカティ・ディアベルのディーゼルは置いておいて(笑)

奇をてらってのカスタムや実験的な試作車を除いて、マジメにつくった量産車としてはロイヤルエンフィールド・インディアタウラス(ブレット・ディーゼル)ロビンといったものが有名ですね。

 

これはインドの流通をはじめとした様々な事情からくる、燃料の入手・管理の手軽さ整備の簡易さと、リッター70km!?(タンク容量13L=航続910km)といわれる燃費航続距離に重きを置いた結果のものではないかと思われます。

 

ただ、スペック(6.6PS)や動画(Max80km/h?)から予想できる乗り味としては、個性的ではあるんでしょうけど…… といった感じですね。

 

その他一応試作ではなく実配備されたもので、米海兵隊でのディーゼルエンジン搭載バイクの採用例があります。カワサキのKLR650をベースにディーゼルエンジンを搭載し、440台ほどが納入されたHDT M1030M1 JP8というバイクです。

 

JP8(航空ジェット燃料)の名が示すとおり、ジェット燃料やそれに近似の灯油であったり、軽油重油といったディーゼルエンジンに使える液体燃料であればいずれも使え、戦場において戦車(M1エイブラムス=ジェット燃料使用のタービンエンジン)・高機動車やトラック(ディーゼルエンジン)等と燃料を共通させて融通することができます。

これにより特にバイク用としてわざわざ別口で(管理にも手間のかかる)少量のガソリンを流通維持させなくてすみ、兵站を整理することができるという目論見であったのでしょう。

 

しかしイギリス軍やNATO軍に向けての納入や民生用の企画(結局ボツ)もあったようですが、後継モデルについては全く聞かないので、兵站上でのメリット以上に任務運用におけるデメリットが多かったのかもしれません。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はディーゼルエンジンと二輪との相関にふれてみました。

ところでイタリアの服飾ブランドの「ディーゼル」のネーミングは、「ガソリン」や「ケロシン」ではだめだったのでしょうか「ディーゼル燃料のように世の中を活気づけたい」という、筆者にはよくわからないコンセプトが由来になっているようです。

 

ディーゼルと二輪の相関といえば、最近は環境性能が上がったせいか余り見かけなくはなりましたが、たまにバイクやオープンカーで大型トラック等と並走せざるを得ないとき、狙いすましたかのようなアクセルワークでディーゼルの黒煙を吐かせて嫌がらせ(?)をしてくるドライバーが、少数ではあっても確実に存在すると思いますが読者の皆様はいかがでしょうか?

そんなときは国交省のこちらがチクり先となっております、連絡方法はローテクなFAXのみらしいですが……。

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モノと生き物の境目が曖昧なちょっとイタい人。 バイク・クルマに限らず、作り手の情熱・魂の込もったモノに惹かれます。 DOS時代から名乗っているハンドルなので、某声優のほうが後発デスヨ