ホンダのデュアルパーパス「ドミネーター650」がドレッシーなオフロードレーサー化!

1980年代後半から1990年代に流行したスタイルが「デュアルパーパス」。これは、オンロード(舗装路)オフロード(未舗装路)の両方を快適に走るための装備が施されたバイクのことで、ざっくり特徴をいえば、オフロードバイクに小振りなフロントカウルなどオンロードモデルの要素を取り入れたものです。

 

かつては、各メーカーから様々なデュアルパーパスモデルが発売されていましたが、その1台がホンダ「NX650ドミネーター」。発売当時は最新だったスタイルも、今見るとちょっと古めかしく感じるバイクですが、それをベースにレトロなオフロードレーサーのようなスタイルに変身させたのが、ここで紹介する「ドミネーターESG651」。

カウリングなどオンロードの要素を思い切り排除し、1970年代頃に流行ったビンテージのオフロード車にも通じるそのフォルムが、逆に今見ると斬新なカスタムバイクを紹介しましょう。

 

 

オフロードバイクの車体に小振りなカウル

ベースとなったのは、1996年式のホンダNX650ドミネーターです。当時、ホンダが海外専用モデルとして生産していたこのバイクは、前述の通り、デュアルパーパスの一種です。

アップライトなバーハンドルやエンジンガードなど、車体の基本構成はオフロードバイクですが、ロングツーリングなどで風を受けにくい小振りなフロントカウルなど、ロードバイクの要素が盛り込まれていたのが特徴です。なお、エンジンには、最高出力46psを発揮する排気量650ccの空冷単気筒を搭載していました。

 

フレームなどを大胆にカット

そんな90年代のバイクに、昔のモトクロッサー(モトクロス競技用マシン)のエッセンスを取り入れたのが、製作を担当したポーランドのカスタムバイクショップ、「Eastern Spirit Garage(イースタン・スピリット・ガレージ)」です。

カスタムの主な内容は、まずベースバイクが持つ特徴的なフロントのカウルやフェンダー、シートなど外装パーツを全て取り外し、リヤのサブフレームも思い切ってカット。ブラウンレザーが張られたスクランブラースタイルの豪華なオリジナルシートをセットするために、サブフレームもイチから新しいものに作り替えています。

 

また、丸味を帯びた形状がレトロ感を生む燃料タンクもオリジナルで、カラーには7層もの塗装が施された深みがあるディープブルーを採用。レッドとホワイトのピンストライプも施すことで、スタイリッシュな雰囲気も加味しています。
ほかにも、丸目一灯ヘッドライトや前後フェンダーなど、外装はほぼ全て一新することで、ビンテージ感とレーサーが持つシャープなイメージを両立したフォルムを生み出しています。

 

足まわりの改良で走りをグレードアップ

足まわりなども、よりオフロード感をアップする味付けが施されています。まず、スイングアームは純正よりもロングタイプとし、リヤホイールは純正の17インチから18インチにやや大径化。ブロックパターンのオフロード用タイヤを前後にセットするなどで、横から見ると、フロントの21インチホイールとリヤセクションが絶妙なマッチングを見せているのが分かります。

 

 

また、見た目だけではなく、走行性能的にもレーサーに近づけた工夫が施されています。例えば、フロントフォークは、2008年式のホンダ「CRF450R」用を流用。近代的なモトクロッサーのサスペンションを採用することで、悪路などでの高い走破性も実現します。

さらに、車体全体を見直し、必要最低限な部品以外は取り除くなどで、車体重量を39kgもシェイプアップすることで、軽快な走りも実現しています。

ほかにも、ステンレス製のツインマフラーなどで、パワーも向上。レトロな見た目をナメると、逆にぶっちぎられてしまうほどの速さも手に入れています。

 

カスタムバイクは往々にして、走りが犠牲になりやすい傾向がありますが、このバイクはスタイリッシュさと走行性能を両立させているのも大きな特徴。オフロードを走るのが好きな人にも満足できる仕上がりになっているのです。

Eastern Spirit Garage

公式サイト

平塚直樹

平塚直樹

クルマやバイクの新車やお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジー、カスタム車など幅広く記事を執筆中。バイクやクルマ系雑誌の編集者を経て、フリーライターに。愛車はCBR650R、猫好き。