装甲版をまとった電動バイクが超クール!日本アニメからインスパイア!?

エンジンやタンクといったガソリン車に必須のコンポーネントから開放されたことで、モビリティにおける電動化の波はデザインに圧倒的自由度をもたらしました。ジャカルタ発のKatalis EV.500もまた、そんな常識にとらわれない電動バイクのひとつ。アニメや映画用のプロップと言われても違和感がないほどの強烈な存在感を放っています。

 

日本のカルチャーへのリスペクトが詰まったKatalis EV.500

EV.500の特長はなんといっても、そのフォルム。リベット打ちっぱなしのアルミボディや、主翼を広げた航空機にも見えるT字型のフォルム、アナログな油圧計や赤いつまみのダイヤルスイッチなど、戦闘機やロケットを思わせる無骨さです。ただ見ているだけでも、縦横無尽に宇宙基地内を走りながらエイリアンと戦うシーンや、謎のパワーで宇宙をひた走るシーンが思い浮かびそうなほど、イマジネーションを刺激してくれます。

 

こうした強いキャラクター性が生まれた背景には、Katalisの開発チームが幼い頃親しんだ90年代の日本アニメが少なからず関係しているといいます。ドラゴンボールZや幽遊白書、HUNTER×HUNTERなどをワクワクしながら見た子供時代を過ごし、そのインスピレーションが今でも生きていると主任設計者であるジュリアン・パラパ氏は語ります。いわれてみれば、ちょっと鳥山メカの雰囲気も感じますね。

 

彼らのInstagramにはアニメ調のイラストや、日本の街中に溶け込んでいるかのようなEV.500の姿も確認できます。見れば見るほど本当に日本の文化を愛してくれているんだなぁ、と胸が熱くなりますよ。

 

未来を見据えたパッケージ

面白いことにEV.500は、ただ奇抜なコンセプトとして作られたわけではなく、きちんと実用性も考えられて「コンパクトな電動バイク」という形をとっています。

 

実は、ジャカルタ市内は世界最悪といわれるほど、経済発展に伴い増加したクルマによる渋滞とCO2排出量の増加が問題になっています。そこで注目を集めているのが、渋滞を回避しやすく、環境にも優しい小型電動バイク。ひと目見たら忘れられないデザインだって、これからを担う若者に受け入れてもらえるよう生み出されたものだったんです。自分の愛車にするならやっぱり見た目にもこだわりたいですからね。バイカーの気持ちに寄り添ってくれています。

 

ちなみにEV500はインドネシアの電動自動車が集まる国際モーターショウ「IIMS Electric Vehicle Competition 2020」に出品する予定で制作された1台でした。ところが他のイベントと同様に、新型コロナウイルスの影響で中止。多くの人が目にする機会を失ってしまったのは残念でなりません。

 

市販化が進むEV.500

うれしいことにKatalisはEV.500の限定生産とWebでの販売を予定しています。気になるスペックは、500Wのモーターを搭載し、最高時速は40km/hと控えめ。バッテリーは48V/12Ahで、航続距離もやはり40kmとチョイ乗り程度になっています。原付き代わりに近所を走る足としては使えそうですね。もっとも、オーダー時に希望すれば1000Wのモーターへの交換も可とのことなので、オーナーが望めばより実用的な仕様に仕立てることもできます。

企画時のコンセプトはどうであれ、どちらかといえば雰囲気を楽しむためのバイクという気はするので、走行性能はオマケと考えるくらいに割り切ってもいいかもしれません。

 

イマジネーションを刺激してくれる装甲バイク

ハーレーのライブワイヤーやゼロモーターサイクルのSR/Fなど、ガソリン車と遜色ないほどのカッコよさを誇るモデルも誕生しつつありますが、日本ではまだまだ少数派な電動バイク。EV.500のように、電動バイクだからこそできるデザインを前面に押し出したモデルがどんどん出てくれば、さらにバイカーたちの目が向いていくのかもしれません。

 

モノが満ち足りている今、生活の変化はあまり劇的とはなりえません。でもこんな電動バイクが街中で停まっている風景を見かけるようになれば、「ほんとに未来が来ているんだな」と時代の進みを実感できることでしょう。

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池田勇生

池田勇生

バイク・クルマ・モータースポーツをさまざまな視点で執筆活動をしているフリーライター。特に80~90年代の旧車や2ストロークバイクが得意です。