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長らく「出るぞ出るぞ」と言われていたハーレーの中排気量モデルが、遂に発売開始されます!
発売するのはアメリカ本国でも日本でもなく中国でしたが、日本での発売にも期待が高まります。どのようなモデルなのかについて、さっそくご紹介していきましょう!
ハーレー「X350」が中国で発売!その背景とは?
ハーレーダビッドソンの中国版公式サイトに「X350」が掲載されました!「X350」は突発的な生産されたわけではなく、ハーレー社が温めていた計画に沿ったモデルです。
というのも2018年にハーレーは「次世代のライダーをグローバルに育成する戦略を加速する」としたプレスリリースを発表。そこには「Pan America」の発売、1250ccのカスタムモデル=「スポーツスターS」、975ccストリートファイターモデル=「Nightster」の発売が予告されていたほか、以下のような記載がありました。
アジアにあるメーカーとの提携を通じて、アジア新興市場向けに小排気量 (250~500cc) のオートバイを開発しています。この新製品は世界最大かつ最も急速に成長している市場の1つであるインドおよびその他アジア市場での成長を促進します。
これは簡潔に言えば「OEMでアジア市場向けに小排気量のハーレーを作りますよ」ということ。それが実現したのです。
OEMと聞くとガッカリされる方もいらっしゃるかも知れませんが、BMWはハーレーに先んじてインド生産モデルをグローバル展開していますし、KTMやハスクバーナも同様。さらに言えば、ホンダ「GB350」も組み立て塗装こそ熊本ですが構成部品はインド製です。
ちなみにハーレーのOEMを受託したのはGeely(吉利)グループに属するQJ Motorcycleであり、イタリアンブランドのBenelliを所有。既にグローバル展開して大きな成功を収めています。
Benelliは「302S」というネイキッドモデルを有しており、各部スペックや車体構成を見るとこの「302S」が信頼に足るモデルとしてベースにされたようです。
「X350」の概要
前置きはこのくらいにして、そんな背景のもと発売が開始された「X350」を説明して行きましょう!
車体の骨格(フレーム&足回り)は「302S」を利用したスチール製トレリスフレームを採用。そこに搭載されるのは水冷353cc並列2気筒エンジン。ボア×ストローク=70.5×45.2mmとショートストローク。「302S」のエンジンを流用しつつボアを65mmから拡大した模様です。最高出力は27kW、最大トルクは31Nm。車両重量は195kgです。
それでも流石はハーレー!ご覧のような見事なトラッカースタイルに仕上げています。このハーレーっぽさこそが「X350」の生命線。そこは抜かりなく実現しています。
フロントフォークは41mm倒立タイプでリバウンド調整が可能。フロントブレーキはフローティングダブルディスクと4ピストンキャリパーを組み合わせています。
リアショックはリバウンドとプリロード調整が可能なモノショックを採用。リヤブレーキは固定ディスクにシングルディスクの組み合わせ。
本モデルはタウンユースを楽しむアジア圏のユーザーをメインに開発されたわけですから、既存のモデルのように2,000cc以上の排気量を誇る大排気量エンジンや豪華な装備といった高性能というよりもタフさや軽量性などを重視しています。
「X350」のカラーラインアップと価格
カラーラインアップはオレンジのほか、上掲のブラックとシルバーの3色展開です。
そして気になるお値段ですが、残念ながら公式サイトには記載されていませんでした。海外情報サイトによりますと4,300ドルとされていますから、日本円にすると約58万円ほど。ホンダ「GB350」と極めて近い価格になると睨んでいます。
細かいことを言わず眺めてみれば「X350」は非常に魅力的なエントリーモデルではないでしょうか。コンパクトな車格やカスタムされているかのようなビジュアル、手が出しやすい価格(予測)をみると、間違いなく日本でも席巻することでしょう。是非とも日本市場への投入を切望します!
X350のスペック
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒 |
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排気量 | 353cc |
最高出力 | 27kW |
最大トルク | 31Nm / 7,000rpm |
車両重量 | 195kg |
全長 | 2,110mm |
最低地上高 | 185mm |
シート高 | 817mm |
変速機 | 6速リターン |
燃料タンク容量 | 13.5L |
タイヤサイズ | F:120/70-ZR17/58W、R:160/60-ZR17/69W |
カラー | オレンジ、ブラック、シルバー |