ムルティストラーダをスクランブラーに!? 異形すぎるカスタムバイク、割とアリかも…!

イタリアのバイクメーカー「ドゥカティ」といえば、イメージするのはレーシングマシンのようなカウリングを装着したスポーツモデル、いわゆるSS(スーパースポーツ)。クルマでいえばフェラーリやランボルギーニのようなスーパーカー的な存在ですが、ほかにも大排気量のツーリングモデルやスクランブラーというオフロード風スタイルのブランドも展開しています。

 

そんなドゥカティがかつて販売していた大排気量ツアラーに「ムルティストラーダ1100」というモデルがありました。こちらをベースにしたカスタムバイク「HYPER-ROAD DUCATI MULTISTRADA 2008(ハイパーロード ドゥカティ ムルティストラーダ2008)」が今回の主役。むき出しのパイプフレームがとってもワイルドな一台です。

 

ベースは長距離ツアラー

製作したのはスペインの「AD HOC」。今回紹介するバイク以外にも、ホンダやヤマハ、BMWやトライアンフなどメーカーを問わず様々なモデルをオフロードテイストのスクランブラースタイルにカスタムすることで知られるバイクショップです。

 

ドゥカティ ムルティストラーダ1100

ドゥカティ ムルティストラーダ1100(2008)

ベースとなった2008年式のムルティストラーダ1100は、ドゥカティ伝統の4ストローク空冷L型ツイン(2気筒)エンジンを搭載したツアラー。その名の通り排気量は1100ccにも及びます。

大きな特徴は、長距離ツーリングなどに最適で、空気抵抗を低減する大型のフロントカウルを装備すること。また、20Lという大容量の燃料タンクも採用していることをはじめとして、広大なヨーロッパ大陸でも快適な旅を楽しめる様々な装備が魅力のモデルでした。現在では後継となる、排気量1260ccまで拡大された「ムルティストラーダ1260」シリーズがラインアップされています。

 

純正フレームを活かしたカスタム

そんなムルティストラーダ1100のカウル類を全て取り払い、スクランブラースタイルにしたのがこのバイクです。

ちなみにスクランブラーとは、1960年代に欧米で大人気となったカスタムバイクのスタイルです。当時は舗装路の整備がしっかりと進んでいなかった一方で、未舗装路をガンガン走れる本格的オフロード車も少なく、オンロードモデルのマフラーを車体上方にセットするアップタイプ式にしたり、ブロックタイヤを装着するなどの改造を施していました。

 

最近、こういったオン・オフ両方が楽しめて、ビンテージ感もあるバイクが欧米でも人気で、前述の通り、ドゥカティでも2015年からそのものズバリの「スクランブラー」というシリーズを立ち上げ、様々なモデルを販売しています。

 

一方で、この「ハイパーロード」は、ドゥカティのツアラーをベースとしながらも、正規ラインアップにあるどのモデルとも全く異なる、独特の雰囲気を醸し出すことを重視して作られています。

冒頭で述べた通り、カウリングなど外装類は全て取り外し、スチール製パイプが入り組んだ純正フレームが持つ、頑丈でストロングなイメージをアピール。ドゥカティのスクランブラー・シリーズでも、これほどフレームを強調したモデルはありません。元の素材を上手く活かしたこの味付けは、「なるほど、この手があったか!」と唯々感心するばかり。かなりのオリジナリティを演出しています。

 

また、フラットな形状のバーハンドルや丸目1灯のヘッドライトなどにより、スクランブラーの王道的なスタイルも採用。燃料タンクには1960年代のドゥカティ「250T」用を流用することで、ビンテージ感も演出しています。

 

極太フォークで力強さも演出

一方で、前後サスペンションには、高性能なオンロードバイクやレーシングマシンなどにも使われることで有名なオーリンズ社製を採用。極太の倒立フォークは、このバイクの走行安定性を大きく向上させるだけでなく、さらなる力強さもプラス。リヤのシングルショックにより、全体のフォルムに現代的なアレンジも加わっています。

 

ムルティストラーダの純正マフラーは、シートカウル下に2本のサイレンサーを配置するタイプですが、このバイクでは車体右側1本出しのアップタイプに変更。
ほかにも、ダークグレイとブラックのツートンに配色された燃料タンクのカラーや、アルカンターラを張ったシートなどで、シックさと高級感も演出しています。

これら数々のカスタムにより、広大なオフロードを激しく走ってもビクともしないようなワイルドさや頑丈なイメージが完成、全体のフォルムに強烈なインパクトを与えています。個人的に好きです、このスタイル。純粋にかっこいい!

平塚直樹

平塚直樹

クルマやバイクの新車やお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジー、カスタム車など幅広く記事を執筆中。バイクやクルマ系雑誌の編集者を経て、フリーライターに。愛車はCBR650R、猫好き。