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「10」という名に込められた思いとは。日本好きビルダーの傑作カスタムバイク

Kenstomoto Ju

日本は小さな島国ですが、誇れるものがたくさんあります。世界に名だたるクルマやバイクのメーカーが揃っていますし、アニメやゲーム・漫画も優れた日本の文化といっても過言ではありません。そんな日本のカルチャーにハマったマレーシア人ビルダーのKennyさんが、読み通り「10」を意味するカスタムバイク「Ju」を作り上げました。実は、そこには悲しい裏話が隠されているんです……。

 

故人のバイクを巡ってカスタムは始まった

カワサキ 「Ninja ZX-10R」

Juのベース車となったのは、カワサキを代表するニンジャシリーズのひとつ 「Ninja ZX-10R」です。カンのいい方はお気づきかもしれませんが、Juの名前の由来はこのZX-「10」R。ベースバイクの名前を持ってきたというわけですね。

そして、その選択にはある悲劇が関係しています。ZX-10Rの本来の所有者が自転車で退勤していたところ、バイクと衝突して事故死。持ち主のいなくなったZX-10Rをどうするか悩んだ、被害者の兄弟や友人がKennyさんに打診して引き取ってもらったという経緯があったのです。

 

ZX-10R自体は現在も継続している人気車種ですが、Kennyさんが引き取ったZX-10Rは2004年式。古い設計の悲劇的なバイクをどのようにカスタムするかKennyさんは悩みました。複数のデザイン案を考え、悩みに悩み抜き、ついに以下のようなバイクに復活させることを決めたのです。

 

サーキットから立ち去ったバイクが、よりレーシーになって復活!

Kenstomoto Ju

(C)paultan.org

カスタムの際、前提としたのは故人が好んだサーキット走行。その素性を活かすべく、Kennyさんは様々なカスタムを施して、より一層レーシーなバイクとして仕上げることに。特に下記3つのポイントがKenstomoto流のレースマシンとしての完成度をアップさせています。

 

まるでクルマのようなエアインテークのハニカム構造

Kenstomoto Ju

(C)paultan.org

本来ヘッドライトが装着される場所には、3Dプリントで印刷されたハニカム構造のエアインテークが装着されています。代わりにヘッドライトはラジエーターの両側に2つ、中央付近により小径な4つを配置。黄色と黒の配色とハニカム構造、そして複数の目は”蜂”をイメージさせますね。Kennyさんは自由自在に飛び回り、その場でホバリングすらも軽々としてしまう蜂の飛行性能に、ある種のスピード感を想起したのかもしれません。

前方にハニカム構造といえば、エヴァンゲリオンを思い出す方も多いかと思います。アニメ好きにとってはうれしい演出ですね。

 

黄色と黒のボディと、大胆にプリントされた「レーサー」の文字

Kenstomoto Ju

(C)paultan.org

カラーリングも実に挑戦的。自然界では蜂や虎といった強い生き物、人工物では踏切や工事現場のトラロープなど……黄色と黒色は本能的に警戒を与える組み合わせ。元々がサーキットで勝負の世界に生きていたZX-10Rなので、触るな危険の配色はJuにピッタリです。

そして日本人ならニヤリとしてしまう、車体の数カ所にプリントされた「レーサー」の文字。バイクに無機質なカタカナが書いてあることに少々違和感を覚えますが、コレもまた外国のバイクっぽくておもしろい。

 

レーシングバイクといったらコレ。スリックタイヤ。

Kenstomoto Ju

(C)paultan.org

Juの前後のタイヤは溝が全くない「スリックタイヤ」です。スリックタイヤは路面に対する設置面積が大きいためグリップ力が高く、レースで多用されています。フロントタイヤはMotoGPのMoto2マシンから流用したもので、リアは市販のものを使っています。

他のパーツもレーシーなものに変えられています。例えばブレーキはtokico、サスペンションはオーリンズなどなど。Kennyさんは悲劇的なZX-10Rを再びレースに出場させたかったのかもしれません。

 

触るな危険。高い走行性能を発揮するカスタムバイク

Kenstomoto Ju

(C)paultan.org

黄色と黒色の組み合わせで見るものを警戒させるJuは、レースでも高い走行性能を発揮するでしょう。しかし、Kennyさんにとってまだまだ改善の余地があるとのこと。今後、さらなる進化を遂げた姿を見せてくれる日も近いかもしれません。

アニメ好き、バイクレース好きな方はKenstomotoとJuの今後に注目です!

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じゃこ

元バイクメーカー勤務で現職エンジニアのバックパッカーです。国内外の旅行先でツーリングするのが好き。最低限の仕事をしながら旅していた世捨て人。