この記事の目次
白色・高輝度LEDが発明・実用化されて以来、すでに様々な明かりのスタンダードとなりつつあるLED。
その流れはバイクやクルマにおいても例外ではなく、採用が拡がるほどに生産拡大されて価格も下がり、今や実用車の雄・スーパーカブでさえも灯火の全てがLED標準装備となっているほどです。(ヘッドライト、テール / ストップランプ、ウインカー、メーター照明)
今回の記事ではそういったLED灯火の中でも、ウインカーに焦点をあててご紹介します。
LEDのメリット・デメリット
メリット
LEDは従来の電球と比較した場合に次のメリットが大きく、車載で使うものとしてのポテンシャルが高いです。
- 省電力
- 長寿命
- 高耐久(振動や衝撃に対して)
- 低発熱
デメリット
普及初期にデメリットとしては次のものが上げられていましたが、現在ではいずれも対策されたものが出回ったり、普及により電球と変わらないほどに価格も下がりました。
- 多連装のものはLEDが1個壊れると全て点灯しなくなって、アッセンブリー丸ごとゴミになる回路構成のものがある
- 電気抵抗が減るぶん、バイクやクルマのウインカーの電球と置換するとハイフラ(高速点滅)になってしまうことがある
- 光の指向性と収束性が強い(角度によっては見えない)
- 高価格
カスタムにおけるLEDウインカー
取付も配線も比較的簡単な部類に入るため、LEDウインカーへの換装は人気のあるカスタムメニューです。
電球にはないLEDの特性(小さい粒を集合させる)を活かしての、電球時代にはなかったデザインのものも多く出回り、純正でLEDウインカー既装着車のオーナーもドレスアップカスタムとして換装する例は多いですね。
例としてどんなものがあるか3選してみました。
モダン
取付したバイクやカスタムのジャンルによっては、それが必要か? カッコいいか? オシャレ?と真顔で問われると、言葉に詰まることもありそうですが…… シーケンシャル点灯(光が流れる)タイプのものです。
比較的モダンなスタイル構築の上での差別化にはいいのではないでしょうか。
……いいよね?
クラシック
純正が電球タイプではあるものの、純正スタイルを崩さずLEDの恩恵(省電力、長寿命)に与るならこのタイプ。
すでに純正から置き換え済の、クラシックかつ高価なアルミ / ステン削り出しボディの電球タイプウィンカーを使っているなら、LED仕様にアップデートして再活用することもできます。
激安ライト
1000円台の激安品。デザインも品質もはっきりいってピンからキリまで。選ぶ時点からがセンスと運の勝負です。
まあ、失敗してもそれほどダメージにはならないでしょう。
とはいえ、このレベルの価格差であれば中国からの直送よりも、国内在庫を持っていて発送前に点灯検査をした上で送ってくれるところのほうがオススメです。
クラシックの項で紹介したLEDにはハイフラ防止機能がありますが、そうでない安価なものの場合は抵抗を入れたり点滅速度を調整できるリレー等を、別途準備して併用する必要があります。
装着例
知り合いの業者さんから、商品モニターで1台分いただいたものがあったので、ついでに取付例と手順を簡単にご紹介します。
本体色が、黒・銀・赤・青・オレンジとあった中から、スーパーシェルパのカラーに合わせてオレンジを選択。
顔面はすでに社外品に交換してありますが、純正ウインカーはこんな感じ。
LEDウインカーへの換装にあたっては、顔面交換してあることもあって取付穴径と位置が合わなかったため、アルミ板の切れっぱしで台座をでっち上げました。
この商品でいえば、取付穴は10~12mmであればそのまま取り付けることができそうです。
丸型の純正からの交換だと、だいぶシャープなイメージになりそうです。
ちなみに22年モノの純正はプラレンズが脆くなり、ビス廻りにだいぶヒビが入っていました。
作業は本体を取り付けた台座を純正の本来の取付位置に締め込んでから配線するのみです。
スーパーシェルパではマイナス線も出ているのでギボシを差し替えるだけですが、車種によってはマイナスは端子を付け替えてボディアースすることもあります。
点灯テストをしてみたところ、やはり若干ハイフラ状態になってしまいました。
リアも取り付けてしまうとハイフラ度合いがより酷くなって公道に出られなくなるため、ここでいったん作業中断してハイフラ対策部品を手配しました。
ちなみにビラカシで敢えてLEDプロジェクターのモノアイ(デーモンアイ)点灯していますが、この状態(前面に赤点灯)で公道走行するのも違反になります。
まとめ
車検のあるバイクでは、照度や発光面積に細かい規定があるので注意と下調べが必要ですし(もっとも軽二輪以下でも規定は遵守する必要があります)、視認性を悪化さけないための輝度や光の拡散方向をよく検討する必要はありますし、車種によっては純正撤去や配線のためにライトやリアフェンダーを取り外す必要があったりはしますが……
比較的簡単かつ安価なわりに、ガラっと見た目のイメージは変わりますので、初めてのDIYカスタムにはお勧めのメニューです。