350㏄フレームにナナハンのエンジンをオン!? 旅バイクに大変身した珍車カスタム

1970年代のオフロードバイクを彷彿とさせるスタイルで、ビンテージ感が満点のこのマシン。実は、モトグッツィが1980年代に販売したNTX350というデュアルパーパスモデルをベースに、なんと750cc!のエンジンに積み替えています。しかもオフロード主体のロングツーリングも可能にしたというカスタムバイクなのです。

製作したのはイタリアのモトグッチ専門カスタムショップ「OFFICINE ROSSOPURO」。小さな車体に大排気量エンジンを載せたのに、全く違和感を感じさせないその手腕はあっぱれ!どんなカスタムを施したのか早速ご紹介しましょう。

 

ベースはデュアルパーパスモデル「NTX350」

まず、ベース車両のモトグッツィNTX350をご存じない方に少々ご説明をば。1987年に発売されたこのバイクは、オンロードとオフロードの両方を楽しめるということで当時人気があった、デュアルパーパスモデルと呼ばれるジャンルに属します。

車体こそオフロードバイクベースですが、ライダーへの走行風の直撃を防ぐミニカウルや大型の角目ヘッドライトなど、オンロードでの使い勝手もいい装備を搭載。フロント21インチ、リヤ18インチのホイールに、悪路での走破性が高いブロックパーターンタイヤを装着していました。

また、エンジンはモトグッツィ伝統の4ストローク縦置きV型2気筒で、排気量は346.2cc。ただし、オプションで650cc版もあったので、もともとフレーム自体が大排気量にも耐えうるように設計されていたのでしょう。今回紹介するカスタムバイクが750ccエンジンを積んだのも、むちゃくちゃ難しかったわけではなさそうです。

 

あえてキャブ仕様に変更したコダワリ

これをベースに、カスタマイズを施されたのがOFFICINE ROSSOPUROの「LEVENTE750」です。エンジンは、現行のV7シリーズにも採用されている744cc V型2気筒に換装しています。

しかも、元々インジェクション仕様だった現行エンジンを、わざわざキャブレター仕様に変更。これは、より信頼性を増すためという理由で、過酷なオフロード走行で川などに入った場合も故障しにくいよう、多くの電子部品を取り除いているという念の入れようです。

 

また、エキゾーストマニホールドはステンレス製で、エンジンのできるだけ近くに配置し、右側のシャーシ内を通過するように取り回しされています。見た目のかっこよさもそうですが、これにより、できるだけ車体をスリム化し、細い獣道などでも走破できるような配慮がなされています。

 

純正を活かしつつアップグレード

フレームは、NTXの純正をそのまま使用。もともとオフロード向けに設計されているため、悪路でも基本的に問題はなく、一部を補強する一方、部分的にパーツを取り去って軽量化も施しています。

 

足まわりでは、まずフロントフォークも純正をベースに高性能なカートリッジ式へアップグレードしています。一方、リヤの2本サスはイタリアのハイグレードパーツメーカーBitubo製で、走るシーンに合わせてダンパー調整などが可能なタイプに交換。あらゆる状況に耐えうる、現代的なサスペンションといえるでしょう。

 

ホイールは、フロントを純正の21インチから19インチのアルミ製に交換し小径化しています。タイヤはオンロードとオフロードの両方で高いグリップ性能を発揮するコンチネンタルTKC80をセレクトし、あらゆる場所での走行に対応できるよう配慮。ブレンボ製320mmブレーキディスクへの換装によって制動力も向上し、マシンの完成度を高めています。

 

用途別に用意されたオリジナルタンク

面白いのは、オリジナルで作られたアルミ製の燃料タンクです。通常走行用の比較的容量の小さいタイプと、長距離走行用のより大きなタイプの2種類を製作。それぞれが、キャブレター車に使われるガソリン供給オン/オフ用の燃料タップと革バンドだけですぐに装着が可能で、数秒で取り替えができます

 

ほかにも、このバイクには、アルミ製のエアクリーナーボックスやフロントバイザーなどを装備。未塗装のアルミ地がワイルドな雰囲気を醸し出していて、また山野の風景に映えます。

 

オフでもオンでも映える絶妙なフォルム

倍以上排気量の大きいエンジンを載せたとは思えないほどまとまった絶妙なフォルムや、レトロな雰囲気と機能美を兼ね備えたLEVENTE750は職人技といってもいいほどの完成度。このバイクなら、オフロードだけでなく、街中でも注目を集めること間違いなしです。インスタ映えも捗る!?

OFFICINE ROSSOPURO

公式サイト

平塚直樹

平塚直樹

クルマやバイクの新車やお役立ち情報、自動運転などの最新テクノロジー、カスタム車など幅広く記事を執筆中。バイクやクルマ系雑誌の編集者を経て、フリーライターに。愛車はCBR650R、猫好き。