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DIYでシートを張り替えてみよう!コスパorオリジナリティどっち優先?

「不注意や悪戯、経年劣化等の理由で破れてしまった」「古びた汚れがどうしても落ちない」「元々の色合い・風合いが気に入らない、アクティブなライディングシーンで滑る」等々……。シート張り替えの動機は人によって異なります。

もちろん、やり方だってさまざま。今回の記事では「自分でやってみる」というDIY勢に向けて、準備の仕方と作業の流れ、そして仕上がりを満足いくものにするためのポイントをかいつまんでご紹介します。

 

構想はじっくり練ろう!

とにかく安くあげたい!というなら、ホームセンターや手芸店でビニールレザーを入手し自分で張ることも手です。とはいえ、自らの腕前と入手した生地の伸縮性やシート形状によっては、見える部分にシワを残さざるを得ない仕上がりになってしまうのであまりオススメはできません。

 

そこで目を向けたいのが、作業のし易さだけでなくデザイン性までが考慮された張り替え用のレザーキット。こちらを利用することにより、張り替えを依頼した場合はもちろん、自分で張る場合でも比較的簡単かつ綺麗に仕上がります。

 

もちろん、オーダーメイドすることもできます。その際、業者に要望できるのは下記のようなオプションです。

 

用途と効果を考えて選びたい「色・風合い・素材」

一般的なビニールレザーの様々な色はもちろん、革シボの大きさ深さといった風合いの他、エンボス加工されたものやカーボン調・スエード調といた滑りにくさを狙った機能性のある生地も選べます。

珍しいところでは、ラメ入りエナメルやヘビ・ダチョウといったエキゾチックレザーを模したものや各種の本革まである場合も。

 

ただし、モノによっては耐水性や対候性、はたまたメンテナンス性に劣るので、自分の狙いと用途の兼ね合いをよく考慮して選択するようにしましょう。

 

糸一本にまでこだわりたい「縫製」

張りやすくするといった機能的な面だけでなく、単にデザインとして切替を入れたり、それぞれを色・風合いの違う別生地にすることも可能です。

その他、補強ステッチや飾りステッチ、生地合わせ目へのパイピング、表地の裏にクッションを縫い込んで張りを出すタックロール(横タック、縦タック、ダイヤ)等もあり、それぞれに色や形を指定できます。

 

もっとも、これらに全ての業者が対応しているとは限らないので、こだわりたいポイントをおさえた上で業者を探すようにしておくと吉です。

 

より自分に合った座面を得る「整形」

アンコ抜き(盛り)といった、シート中身のスポンジを増減することで足つき性の改善をはかったり、尻当たりの優しいゲル素材を仕込んだり、シングルシート形状に整形することもできます。

ただし、この場合にシート表皮を発注するには、加工や採寸のためにシート現品丸ごとを業者に送付しなければなりません。

 

こうしたオプションを無料以外はまったく選ばず、最も安い生地の縫製済み既製品を買った場合は、5000円前後〜です。

もっともレアなバイクともなると型紙から起こすワンオフになってしまったり、ワガママやこだわりを追加すればするほどに価格が上がってしまうのは世の習いといったところ。張り替え作業も委託した場合、別途送料や工賃が発生することになるのは言わずもがなです。

 

DIYで張り替えにチャレンジ

注文の仕方を押さえたところで、筆者が実際にやってみた例をご紹介します。

 

張り替えて10年経つ施工前の状態

実は施工前の時点で、福岡の業者さんに作ってもらった表皮を10年前に自分で張り替えたものだったりします。滑り止めエンボス加工や、白でのパイピング等を追加しており、長く使ったにも関わらず破れも硬化もなく、機能面での不満は全くなかったのですが……

よりクラシックな方向に振りたかったのと、最近追加した茶革のグリップやバッグとのコーディネイトがあまり合わず、張り替えを決意しました。

 

バイピングにこだわった張り替え用表皮を入手

今回は、パイピングの色(純白はNG)にこだわったため、応じてくれた香川の業者さんに発注。比較的シボが浅く細かい焦げ茶をベースに、アイボリーのパイピングと横タックロール(防水)、共生地のタンデムベルトを追加注文しています。

 

その他作業にあたって必要なものは、タッカー、ステープル針、プライヤーまたはラジオペンチ、細いマイナスドライバー、ハサミ、ゴム系接着剤程度です。

 

留め具を外して古い表皮を剥がす

細いドライバーをテコにしてこじって針の片側を抜いておき、もう一方をプライヤーで抜いていくのが効率的

 

前回張ったビニールが破れてしまっています

一般的に樹脂製のシートベースに、ステープル(ホッチキス)の針で留めてあるので、それを引っこ抜くことにより古い表皮を剥がします。1970年代以前の古いバイクだと、金属製や木製のシートベースにネジや鋲で留めてある場合もあるようです。

 

防水にも欠かせないビニール張りと仕上がりを左右するセンター出し

ここまできたらあとは張っていくだけ。まずはシートベースをビニールで包むように接着剤で張ります。完成後の防水としての意味合いも大きいのですが、作業中に滑りを良くして表皮を伸ばしやすくスポンジを傷めないという役目もあります。

ビニールが張れたら、表皮とシートベースの中心をきっちり揃えて、しっかり表皮を伸ばしながら前後をタッカーで留めます。

 

針打ちは短めの針で作業効率を加速!

本格的なしっかりとしたタッカーであれば何ら問題ありませんが、筆者のように百均ショップで買ったようなタッカーの場合、許容上限よりも若干短めの針を使うと、半端な打ち損じを減らせて作業効率がアップします。

 

曲面では、仕立てや裁縫でいうところの「いせ込み」で、伸ばしながら裏側で余った長さをたくし込み、表にシワが出ないよう留めていきます。あまり穴だらけにしてしまうと生地が弱くなってしまいますが、失敗しても部分部分で針を抜いてやり直していけば問題ありません。

 

縫い目を残すようにして仕上げ

余った部分を切り取りますが、縫目の通っている部分は解けてしまうので切らずに残します。その他タンデムベルトや、エンブレム等を取り付けたら完成です。

 

完成!個人的には満足な出来栄え

そうして完成したのがこちら。かなり統一感のある見た目になりました。

なお防水タックロール(溶着)のため、クラシックな趣は若干損なわれますが、伝統的な縫いものでよくある、雨天走行後しばらくの間は「跨った途端、お股がじゅん、としちゃったんです」という事態は避けることができます(笑)。

 

トータルコーディネイトとしてはかなりいい感じ?

一定の技術は必要ではありますが、とりあえずやってみるうちに、すぐにコツのようなものは掴めてくると思います。

もちろんプロの仕事と比べるわけにはいきませんが、難易度が極端に高いわけでも、安全に直結するものではありませんし、必要な工具も比較的安価に揃う、意外とハードルの低い作業です。

 

乗っている間は必ず身体に触れるものですし、カスタマイズ次第で愛車のイメージも大きく変えられます。挑戦してみて損はありませんよ。

Kenn

モノと生き物の境目が曖昧なちょっとイタい人。 バイク・クルマに限らず、作り手の情熱・魂の込もったモノに惹かれます。 DOS時代から名乗っているハンドルなので、某声優のほうが後発デスヨ