【公道走行可】SF映画「トロン」みたいな折り畳み電動バイクを徹底レビューしてみた

折り畳み電動バイク「スマサークル・S1」

キックスケーターのような小ささで、黒のフレームにグリーンの蛍光色という差し色が未来を感じさせるこのモビリティ。まるでSF映画「トロン」に登場するバイクを思わせる配色ですが、なんと「Smacircle S1(スマサークル)」(以下Smacircle)という原付き区分の電動バイクなんです。

しかも持ち運びに便利な折りたたみ式。合体!とかトランスフォーム!って言葉を聞くとワクワクしてしまう男性諸氏の琴線にはとことん響きそうなギミックは必見です。

 

メガネ型のフレームからタイヤがこんにちは

Smacircle S1

Smacircleはカラーリングもさることながら、丸メガネ型のフレームが特徴的。このデザインが他の折り畳み型モビリティと一線を画す仕掛けになっているんです。

 

Smacircle S1

ホイールがここにぴったり収まります。そのため、折りたためば幅29cm、高さ49cmというちょっと厚めのテニスラケットサイズに変形するというコンパクトさ!

 

Smacircle S1

公道走行可の証ナンバープレートつき。金属のプレートとバーは自宅で停車するときのスタンドです。

ブレーキ・ウインカーランプ付きのナンバーと、サドルを兼ねているリチウム電池は取り外さなければなりませんが、専用のキャリーバックやキャリーケースを利用することでまとめて持ち運べます。重量も12kgと小径の折りたたみ自転車程度なので、輪行になれていなくてもラクラク移動できることでしょう。

 

Smacircle S1

試乗車はオプションのキャリーケースに入って送付されてきた。旅行先に予め送っておくなんて使い方もできそう。

「ギミック満載っぽいし折りたたみと展開に時間がかかるんじゃないの?」なんて心配も無用です。不慣れでも30秒もあれば完了できます。

パッと見はプラスチックっぽくて不安に感じてしまうフレームもカーボンファイバー製なので強度は十分。さらにヒンジやジョイントはかなりカッチリとくる精度の高い金属部品が使われているので、ちょっと所有欲をくすぐられる作りになっています。

 

Smacircle S1

バッテリーはサドル部分に内蔵。取り外して家庭用コンセントで充電できます。

 

Smacircle S1

ウインカーはバーエンドミラーとナンバープレートステーに内蔵。小ぶりなものの、輝度が高く視認性は良い。

 

セキュリティとしても機能するスマートフォンアプリ

Smacircle S1

アクセルとブレーキは左右のレバーを押すことで作動。ウインカーが向かって右側の赤いスイッチ。

シンプルなスタイリングがいいとはいえ、Smacircleはれっきとした電動バイク。ハンドルポストにメーターがないのが気になります。

 

Smacircle S1

そうした情報表示機能は、スマートフォンとの連携を強化することで対応しています。速度やバッテリーレベル、航続可能距離といった知りたい情報を専用アプリの画面で一手に確認できるのです。

惜しむらくはスマホホルダーがないため、確認には逐一取り出す必要があること。最高時速が20km/hである以上、法定速度を破ってしまうことなんてまずないですし、走行距離が気にならない領域で使う分にはいいのかもしれません。原付に必須の二段階右折の重要性もよくわかりますし。

 

さらに言うと、防犯の面でアプリはとても機能的。始動自体をBluetoothでリンクしたスマートフォンからしか行えないようにしているのです。スマホとSmacircleが揃わない限り、走り出せないというワケ。 両方の充電量に気をつかわなければなりませんが、そのあたりはモバイルバッテリーをもっておけばなんとかなることでしょう。

 

Smacircle S1

メインの電源スイッチはシート下に。ライトのON/OFFもできます。

 

独特の乗車感覚で慣れが必要

Smacircle S1

機能を一通り確かめたところで早速試乗へ。都内の一般道へSmacircleを連れ出してみました。

走り出してすぐ気づいたのが、とにかくバランス感覚が重要だということ。小径のタイヤに小柄なフレームということもあり、スクーターのような乗り味を期待して乗るとかなり戸惑ってしまいます。マンホールやちょっとしたギャップに乗り上げるだけでも、ハンドルを取られがちですし。

 

なるべくシートのセンターに座るようにして、腹筋に力をいれつつハンドルを押すようにすると、直進安定性はかなり改善されました。ありがたいことにクルーズコントロールつきなので、一度作動させてしまえば、ハンドル操作に集中できていくらか安心できます。

 

Smacircle S1

カーブも無理は厳禁。あまり傾けすぎず、車体が素直に進む方向に体を預けるようにすると違和感なく曲がれるようになりました。普段バイクに乗り慣れている人ほど、Smacircleの乗り方に慣れるには時間がかかりそうです。

 

さらにちょっと困ったのが、お尻へダイレクトに伝わってくる路面からの突き上げ。サスペンションがない上に、タイヤがパンクに強いソリッドタイプということから見れば当然なのですが……。シート自体はクッション性がそこそこいいものの、ここはもう少し改善の余地アリといった印象です。

 

と、ここまでは単体のバイクとして見たときの話。でも折りたたみの軽量モビリティという素性を活かせば話は別です。

 

走るだけにこだわらない移動手段

Smacircle S1

Smacircleの利点はなにより歩道と車道の堺をシームレスにできるってことです。反対車線へ行きたい時だって、Uターンせずとも、スイッチを切って一度歩道に合流し、押しながら横断歩道を渡ればいいだけ。前述したとおり軽いので、地下道や歩道橋で担いで歩いたってあまり負担になりません。目に見える場所、すべてを縦横無尽に移動できるんです。

バイクでも同様のことができなくはないですが、ここまで気軽にはできませんからね。ほぼ自転車感覚です。

 

通勤通学のメインで使うにはつらいところもあるものの、最寄り駅からオフィスや学校までの副次的な移動手段として活用したり、旅先のちょっとした移動手段にも良さげなSmacircle。身近にあれば、ちょっと便利な日常が送れそうです。

 

現在はクラウドファンディングサイト「Kibidango」で10万円~という価格設定ですが、まだまだプロジェクト段階。今後の動向によっては、もっとお手頃になるかも?

石川 順一

石川 順一

理学の博士号をとったものの、趣味が高じてライター稼業に流れてきた変人。やっぱりクルマとバイクにはロマンがあるよね。