禁忌のアルミ磨き術!? トラック乗りの間で話題のアレを試してみた結果。

磨いたアルミの光沢には、クロームメッキやステンレスの硬質な輝きとは違った趣があります。

しかし、その柔らかく温もりのある輝きを保ち続けるには多大な労力が必要であり、それだけに光り輝くアルミパーツはバイク愛を示すバロメーターといえる面もあります。

 

とはいうものの、面倒なものはやっぱり面倒くさい(笑)。

磨くという作業そのものが好きでやってる人はともかく、筆者のように純正ではクリア塗装されていたものの、塗膜の劣化からくる腐食でみすぼらしくなって、仕方なく塗装を剥いで磨いた……という人もいるでしょう。

 

「バイク愛を示すバロメーター」と言ったばかりのその口で、いかに手を抜くかを語ってみたいと思います。

 

通常はどのくらい手間ヒマがかかるもの?

純正のクリア塗装を剥いで、最初に磨いたときの状態

どんな保管をして、どのくらい気になるか、どのくらいこだわるか、どんな手法で挑みどのくらい時間をかけられるかで、環境と人それぞれによって手間は変わってきます。

完全には風雨をシャットアウトできないカーポートの下に、カバーをかけてバイク保管している、比較的ものぐさでいい加減な筆者の場合でいえば……

 

・月イチ程度での油磨き(10分程度)

・半年に一度、腰を据えての全面磨きなおし(電動工具も使ってのほぼ半日仕事)

・雨が降ったあとに確認してみて、雨染みができていれば都度対応

 

といった感じなので、ヒゲが剃れるほどの「鏡面」レベルを維持するにはまったくもって不十分といったところです。

週イチ程度でこまめに手をかければ、大がかりな磨きなおしは不要かもしれませんが、そこまで時間を割くつもりも余裕もありません。

 

そんなわけで常々いかに手抜きできるかを模索しているのですが、基本的に磨きに関する情報は、磨き具合にこだわる人が発信している場合がほとんどです。

どちらかといえば労力軽減よりも仕上がり具合に重きを置いたものになりがちで、あまり参考にならないのは仕方ないことかもしれません。

 

トラック向けのアルミ磨き時短術!?「ハイトレール+サンジェット」

そんなとき目についたのが、トラック野郎系Youtuberの動画で紹介されていた「ハイトレール+サンジェットによるアルミ磨き時短術」。

あのでっかいホイールを軸数によっては10本以上も「業務の一環として」「そこそこキレイ」に保つのは大変で、できればカンタンに済ませたいという思いから生まれたノウハウなのでしょう。

これ、バイクに応用してみたらいいんじゃない?

 

アルミには本来使用不可な「ハイトレール」

「車両専門特殊洗剤」と書かれており、主成分は塩化水素(塩酸)とリン酸とされているとおり、強酸でサビや汚れを溶かして落とすものです。

なお、ハイトレールそのものに記載してある用法は、「鏡面加工されていないステンレス」「FRP」の海水等による塩分の白ぼけ、水垢、油分の洗浄となっており、なんと「アルミは除く」とされています。

 

動画での使用例では、かなり薄めて使用しているようですが、一抹の不安が……。

コーティング効果もあり!?「サンジェットP-1000」

研磨剤として各種存在するサンジェットシリーズの中で、金属磨き用としてラインアップされているものです。

Youtube動画の使用例を見るかぎり、水と馴染ませながら磨くというよりも軽く撫でるだけで仕上がりながら、一定のコーティング効果(シリコン系?)もあるようです。

 

ともに業務用として流通しているものなので、ホームセンター辺りでは買えないだけでなく、メーカーのWebサイトで詳細な用法や注意事項を安全データシートで確認する必要があります。

いずれも危険な劇物・有害物質を含むため取り扱いには注意が必要なものの、通販で簡単に入手することができます。

 

結果:バイクで使うにはあまりオススメしない?

施工前(事情によりほぼ6か月手付かずだったものの、点々と浮き上がった白い粉のみ拭き取った状態)

では、実際の使用感をご紹介します。

ゴム手袋は必須、できればマスクや保護メガネ等も用意しておきましょう。

 

まずはハイトレール。前述での不安のとおり、やはり強酸で表面を一皮剥いてしまうといった手法です。

 

薄めたハイトレールをかけて、シュワーっと泡(水素?)が出ているところ

 

サンジェット施工前 酸処理による表面の荒れ=いわゆるハイトレール焼けの状態。

7~8倍ほどに薄めて使いましたが、それでもくすんだ程度の研磨済アルミ生地には強すぎなのか、磨き工程としてはだいぶ手戻りしてしまう感じです。

冒頭の塗装を剥いだときの状態のように、もっとガジガジに腐食したものの下処理に使うには良いかもしれません。

 

次のサンジェットP-1000の施工で、どこまでこの「ハイトレール焼け」が除去できるのでしょうか?

 

サンジェットP-1000を水と馴染ませながら、水を含みにくい発泡ウレタンを使ってツルツルと「撫でます」。

黒い汁が出る=劣化した表面を研磨できているということです。出ない場合は塗装されているパーツですので、まずは塗膜を剥離する必要があります。

水を弾きはじめたら施工完了なのですが、これはたしかにラク!まったく力がいりません。

 

作業完了したものがコチラ……

 

他の3個はサンジェットのみですが、ハイトレールを併用した左下の1個だけ、少しばかり焼けあとが残って仕上がりが劣っています。

サンジェットで仕上げようとする場合、400番の紙やすりの削り目を1500番で消すのは難しいのと同様に、ハイトレールでの下処理は強すぎる、または濃すぎたのかもしれません。

 

ハイトレール総評:サビ落としとしては有用

私の使い方が悪いだけで、試行錯誤の結果次第で効果的になる可能性はありますし、もっと劣化した粗い面での下処理としては有効かもしれません。

しかし、トラックほど広い面を一度に処理する必要はなく、かつ狭いところに色々な素材が混在するバイクで、用法で否定されているようなリスクを冒してまで強酸処理をする意義はあまりないかもしれません。

下手に使って焼けや処理ムラができてしまうと、余計に時間がかかってしまいますし。

 

これから先、磨きには使いませんが、サンポールを流用していたようなサビ落とし剤としては威力を発揮してくれることでしょう。

 

サンジェット総評:手軽な分、見栄えはそこそこ

左:Before 右:After

クランクケースはサンジェットP-1000のみで施工しました。「水になじませながら撫でるだけ」で、短時間かつ楽に施工することができます。

ただ、完全に雨染みを落としたり本格鏡面にまで仕上げるにはあと一歩といったところで、ここからさらに磨きをかけるとなると、時短テクとしてはあまり意味がないかも?

 

もっとも、くすみ・白ボケ程度であれば至極簡単に短時間で落とすことができますので、「鏡面とまではいえない仕上げ済のアルミ表面が、手軽にそこそこキレイに光ってればOK」という、筆者のようなタイプのユーザーが短いスパンで使うにはちょうどいいのかもしれません。

Kenn

Kenn

モノと生き物の境目が曖昧なちょっとイタい人。 バイク・クルマに限らず、作り手の情熱・魂の込もったモノに惹かれます。 DOS時代から名乗っているハンドルなので、某声優のほうが後発デスヨ