実力派カスタムビルダーUntitled MotorcycleのDucatiスクランブラーが前代未聞過ぎる!

カスタムバイクとは様々なスキルとセンスがベース車両と融合した結果、誕生する一つの芸術です。もちろんビルダーによる個性がはっきりと表面に現れ、クラシカルな見た目であったり、ネオレトロなものになったり、戦闘的なモダンデザインになったりと、まさに十人十色なモーターサイクルが生まれるのです。

 

今回取り上げるカスタムバイクを手掛けたUntitled Motorcycleはロンドンとサンフランシスコを中心に2010年から活動している世界屈指の実力派ビルダー。圧倒的に確立された独自の世界観と、たまに見せるとてつもない常識破りな発想が魅力で、今まで手掛けた作品数は優に100を超えます。口上はこれくらいにして、件のカスタムバイクを見てみましょう。

 

DUCATI Hyper Scrambler

「走る」ということに妥協することなく作りこまれた芸術品、ドゥカティ・スクランブラーをベースとした「Hyper Scrambler」です。経済的な障害などは度外視して、むき出しにした本質にただ一心に情熱をつぎ込んだ世界トップクラスの豪華なカスタムバイクです。

ハンドメイドの個性と最先端技術を融合させた二輪の化け物は、しかし依然としてファクトリークオリティを保っています。

 

正直、Untitled Motorcycleの作品の中でも一番型破りで、彼らの世界観からは少し離れているカスタムバイクでもあります。しかし、コンペ向けに手掛けられたまさに全身全霊の作品なので、彼らの技術を知らしめるにはふさわしいカスタムバイクだと判断しました。

 

軽量化と緻密な調整

度重なるカスタムの足し算と同じだけ、引き算もされたスクランブラー。「シンプル」「圧倒的軽量化」を念頭に、不要なコンポーネントは一切取り除かれ、元の170㎏から147㎏への驚異的ダイエットに成功しました。

 

Bing製フューエルインジェクターを備えた改良型50mmスロットルボディによって制御され、83馬力もの出力でその軽い車体を爆発的に動かし、巨大な310mmセミフローティングブレーキディスクとBrembo製モノブロックキャリパーの組み合わせが素晴らしい制動性を発揮します。

 

充実した電子系統と足回り

大胆かつ苛烈な見た目に反して、その実用性と信頼性は抜群です。最高速度は約200km/hで、掲載しているプロモーション用の写真には一部見られませんが、購入可能な製品版にはECE準拠のヘッドライト、ウインカー、スイッチ、ミラー、クラクションが付属しています。

 

ちなみにこのHyper Scramblerはセミオーダーメイドで、様々なカラー、素材、カスタム部品を指定して製作依頼ができます。

 

チューニングされた803㏄燃料噴射Lツインモーターが中央に鎮座し、その下アンダーカウルから排気口がふたつ覗いています。これだけでも相当手が込んでいますよね。

 

ドゥカティのアイコニックな格子状のフレームから、Ducati Monster S2Rから移植した片側スイングアーム、カスタムサブフレーム、そしてシート下に輝くオーリンズ製モノショックが伸びています。

 

シートのフレームにはテールランプとウインカーの機能を兼ね備えた細いLEDが埋め込まれています。シートから覗くUMCのタグが、彼らのこだわり具合をありありと表現しています。

 

Showa製の43mm倒立フォークはこのカスタムのためにわざわざアルマイト加工を施し、色に統一感を持たせています。こだわり方が異常ですが、前述した通り「経済的障壁」を一切度外視しているのです。ここまでやってしまえるのは大きな魅力ですよね。

 

まさかの、ブレーキレバー内蔵タイプのウインカーが搭載されています。ワンオフ仕様の、ウインカーを内蔵したレバーはBrembo製マスターシリンダーにつながっています。

フラットにつながれたハンドル周りは非常に簡素にまとまっています。

 

簡素になったブリッジにはミニマルなLEDスピードメーターが内蔵されています。恐るべき執念、ここまでこだわり抜けるのも予算度外視ならではですね。

 

タイヤ、ホイールも様々な工夫が施されています。オリジナルの18インチフロントホイールはDucati Monster M796の17インチに交換、リアも光景は同じですがMonster 1100のものに交換されています。

そこにEBC製のウェーブブレーキディスクをインストールしています。

 

移植された足に履くのはコンチネンタルのレースアタックレインタイヤ。独特なパターンとスムーズなアウトラインが高級感をより引き出しています。

 

溶接を駆使して取り付けられたカスタムブラケットには縦型の1300ルーメンのLEDヘッドライトが内蔵。タンクの直線的なラインを受け継いだ長方形のデザインが変則的ながらも統一感を持たせています。

 

燃料タンクは特注のスチール製で容量は10L、オリジナルの燃料ポンプをインストールしてニッケルフィニッシュを施しています。キャップの上にオフィシャルな刻印が入っているのがクールですね。

 

劇的ビフォーアフター!生まれ変わったワンオフ車

これを一発でドゥカティ・スクランブラーだと見抜ける人はおそらく誰一人としていないでしょう。世界屈指のテクニックを持つビルダーが、極限までこだわり抜いた「芸術」ともいうべきそれに乗ることができたら、バイカー冥利に尽きますね。

 

今日はUntitled Motorcycleのあくまで一端に触れてみましたが、今後も一台一台丁寧に取り上げていきますのでどうぞお楽しみに!待てない方は彼らのホームページを見て予習しておくのも面白いかもしれません。

 

参考-Untitled Motorcycle : UMC-038 HYPER SCRAMBLER