なんでバイカーは革ジャンを着るの?大真面目に解説してみた

現代では、様々な機能をもった化学繊維や人工繊維の発達により、ひと昔前に比べるとはるかに多種多様なライディングウェアをチョイスできるようになりました。それでも、バイクが実用化された100年以上前から現在に至るまでレザーはバイカーの王道ウェアとして、変わらぬ地位を保っています。

いったいなぜでしょうか?革ならではの特性とバイクに乗る上での利点について考えつつ、その理由を紐解いてみます。

 

防風性・耐風性が強い!

飛行機 パイロット レザーコート

実は、革の有用性が注目されたのは飛行機からでした。黎明期ともいえる1900年代当時、飛行機の操縦席は吹きさらしだったため、フライトウェアは防風・耐風性が高く、かといってゴム引きの布のように蒸れず、動作を阻害しない程度のしなやかさを持っていなければなりませんでした。そのすべてを満たす理想的な素材が革だったのです。

同じ理由でライディングウェアも同様に革が用いられ、フライトウェアとは流用も含めて相互に発展していきました。走行風をはらんでバタついたり裂けたりといったことがないのもバイカーにとっては利点です。

 

もっとも革そのものは外気の温度を内側に伝導してしまうため、純粋に防寒着として使うには一工夫しないとイマイチだったりします。あくまでアウターシェルとして防風を担わせて、ミドル・インナー・アンダーと重ね着でデッドエア(※)層を確保して、断熱と保温をすればバッチリ・・・・・・といいたいところですが、防寒性に関してはやはり最近の化学繊維モノには及ばないかもしれません。

(※)重ね着で衣服の内部に抱き込んで、外部と循環しない空気のこと。

 

安全性が高い!

フライトウェアでは風防や与圧といった飛行機の進化と化学繊維の発展から革は廃れていくのですが、ライディングウェアでは防風・耐風だけではない下記の革の特性から、今日に至るまで利用され続けています。

 

衝撃吸収性がよい

パッドやカップまでは装備されていない場合でも、革そのものに適度な厚みとクッション性があるので、転倒した際には革一枚のあるなしでは大きな差がでます。

 

耐擦過性がよい

アスファルトですり下ろされると化学繊維のほとんどが簡単に裂けたり穴があいてしまいますが、革はかなり耐えてくれます。ここでも厚みとクッション性が影響します。

 

擦過経過性能がよい

路面と擦れながら適度に滑ることにより、一種のブレーキ的な効果を生んで人体へのダメージを軽減してくれます。化学繊維では織目がひっかかったり摩擦で溶けて路面に食いついてしまい、引っ張られて予期しない方向に体が転がったり、叩きつけられてしまう場合も。

 

耐火・耐熱性がよい

火や熱にも強く、転倒時に火災が併発した場合や、路面との摩擦で化学繊維のように溶けることがないのも利点です化学繊維の場合、溶けて皮膚に付着するなんていう最悪の場合もあり得ますから。

 

コスパがいい

安いと言い切ってしまうとブーイングを受けてしまうかもしれませんね(笑)。現在では、部分的に革の性能を凌駕する素材が数多く存在するものの、上記の全性能をトータルで高次元にバランスしながらコストを同レベルに抑えられるかというと別。現代の新素材でも簡単には革の総合力を凌駕できないのです。そもそも革は食用に加工されて残ったものの有効利用だったりもしますし。

 

近年では結構リアルなフェイクレザーも多く見かけます。しかし上記の防護性能はほとんど期待できない、街着として1~2シーズン着れればいい使い捨てを前提したものなので、「安全重視」で選ぼうという際には混同してはいけません。

 

やっぱカッコいいからじゃん!

安全性も大事ですが、これだけ廃れないのはやっぱりカッコいい!からに他ならないでしょう。

 

普段づかいでダブルのライダースを着るのは気恥ずかしいけど、バイクに乗ってたら平気!なんて人は身近にもいます。着こなしのワンポイントとしては、ともにベースカラーである黒系や茶系の革ものを混在させない方が、すっきり納まるといったところです。

ただトータルコーデとはいえ全身黒革づくめとなると、ある種のカッコよさがあるのは確かですが・・・・・・バイクに興味のない人の多くからはドン引きされたり、特殊な趣味の人と微妙な勘違いをされることも多いので、余程好きでもない限りは避けておいたほうが無難です(笑)。もっとも最近は色鮮やかなカラードレザーも登場してきているので、いろんなファッションに取り込みやすくなってきています

 

革の良さについてくわえていえば「長年にわたって手入れしながら着続けることにより、使い込んだいい味が出てくる」というのはよく聞く話ですが、それだけではありません。元々のサイズを極端に間違えていなければ、若干の伸び縮みを繰り返して、よりジャストフィットしてオーダーメイドしたかのような着心地に「育って」もくれるのです。こればかりは新品時が100%で、着たら着るだけ劣化するだけの化学繊維モノには、どうやっても期待できない部分ですね。

 

ただ、そういった境地を目指すには、元々の質や造りがしっかりしたものを選んで、きちんと手入れをする必要があります。買うときには「高い!」と思うぐらいのものでも、10年20年のスパンで割って考えてみたらどうでしょう?末永く付き合える相棒になりますよ!

Kenn

Kenn

モノと生き物の境目が曖昧なちょっとイタい人。 バイク・クルマに限らず、作り手の情熱・魂の込もったモノに惹かれます。 DOS時代から名乗っているハンドルなので、某声優のほうが後発デスヨ