普通二輪免許でも乗れるBMWとして注目を集めた「G 310 R」。59万9,000円という車両本体価格(消費税込み)の安さにも驚かされました。
さらに世界的に人気の”GS”という名を冠した派生モデル「G 310 GS」の国内販売が発表されたことも、既報の通りです。
「C 400 X」はミドルサイズのプレミアムスクーター!
そんなBMWモトラッドがミラノショーで発表したニューモデルが、今回ご紹介する「C 400 X」。400ccクラスのビッグスクーターです。
BMWモトラッドの現行ラインアップには、既にプレミアム・ビッグスクーター「C 650」と……
当サイトでも度々ご紹介している電動スクーター「C evolution」が用意されています。
そこに新たに加わるこの「C 400 X」は、普通二輪免許でも乗れる“ミドルサイズのプレミアムスクーター”という位置づけになります。
BMWモトラッド製品ですから、ミドルクラスであってもプレミアムなわけです。
「C 400 X」はシティコミューターとしての役割を果たしながらも、単にA地点からB地点までを移動するツール、としてだけでなく、そこに”乗る楽しさ”の要素を加え、さらに所有欲をも高める工夫がされています。
搭載するエンジンは総排気量350cc水冷単気筒SOHC4バルブ。”G 310″シリーズとは別エンジンであり、最高出力は25kW(34hp)@7,500rpm、最大トルクは35Nm@6,000rpmと、クラスを考慮すれば充分な性能を有しています。
そこに組み合わされる変速機には、日本的なVベルト式無段変速ではなく、CVTを採用しています。
フレームは(残念ながら写真は公開されていませんが)頑丈なスチール製チューブラー+アルミ鋳造ユニットにスイングアーム+リア2本ショックという構成です。
ちょっと横道に逸れますが……ホイールベースは1,565mm。ヤマハの250ccモデル「XMAX」が1,540mmですから、車体サイズは標準的だと言えましょう。
車両重量は乾燥で193kg、装備で204kgです。
さて、機能パーツに戻ります。フロントフォークは35mm正立タイプ。
フロントブレーキは265mmダブルディスク+4ピストンキャリパーの組み合わせ。リアブレーキは前と同じ265mmディスクに1ピストンのフローティングキャリパーの組み合わせ。ABSも標準装備と、万全の体制です。
ホイールは前15インチで後14インチ。アルミ鋳造ホイールを履いています。
充分な性能のエンジン+CVT変速、それに適した車体構成により、楽しい走りを予感させる「C 400 X」。
所有感の面では、同社のプレミアムスクーター”C 650″シリーズと共通の、既存モデルにない斬新なスタイリングが眼を惹きます。
フロントフェイスはアインメトリックなデザインとされており、ヘッドライトは勿論LEDを採用。
風防効果の高い、それでいて巨大過ぎないスクリーンを装備しているほか……
充分な容量(数値は未公開)のストレージを確保しています。
残念ながら標準装備とはなりませんでしたが、オプションにて6.5インチフルカラー液晶ディスプレーを装備可能となります。
絶滅危惧種”ビッグスクーター”復活の先鋒に期待!
今や国内では絶滅危惧種となりつつあるビッグスクーターですが、BMWモトラッドのミドルサイズのプレミアムスクーター「C 400 X」は、ジャンル復活の先鋒になってくれそうな予感もあります。
「BMWに乗りたい!」と願う普通二輪免許ライダーも少なくない日本ですから、これは是非、国内に導入してもらいたいモデルです。期待しましょう!
「C 400 X」のスペック
- 全長×全幅×全高:2,210×835×1,305mm
- 軸距:1,565mm
- シート高:775mm
- 車両重量:乾燥193kg、装備204kg
- エンジン:水冷4ストローク単気筒 / SOHC4バルブ
- 総排気量:350cc
- ボア×ストローク:80×69,6mm
- 圧縮比:11.5
- 最高出力:25kW(34hp)at 7.500rpm
- 最大トルク:35Nm at 6.000rpm