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サーキット走行はルールやマナーを守っていれば滅多に事故が起こりませんが、それでも完全にリスクをなくすことはできません。万が一が起こった時に備えて必ず装備しているものがいくつか存在し、その中の一つがヘルメットリムーバーです。
ヘルメットリムーバーは万が一事故が起きた時にライダーの安全を確保するために必要なものですが、あまり一般的に広まっていないのも事実。実際初めて聞いた人も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、ヘルメットの中に装着してライダーの頭部を保護してくれるヘルメットリムーバーについてご紹介します!
ヘルメットリムーバーってどういうものなの?
ヘルメットリムーバーは、ヘルメットを被る前に頭に装着するインナーのようなもので、万が一事故を起こした時に救助を手助けしてくれる働きがあります。
例えば事故を起こして意識を失ったライダーは自力ではヘルメットを脱ぐことができませんので、救助する人が外してあげる必要があります。
しかし事故で脊髄を損傷した可能性があるライダーをむやみに動かすと、全身麻痺につながる危険もあります。そのためヘルメットを脱がす時は首を動かさないよう、かなり慎重にならなければいけません。もちろん一刻を争うような緊急事態ですので、スピードも求められます。
そんな時にヘルメットリムーバーを装着していれば、首に負担をかけずに簡単にヘルメットを外すことができます。
ヘルメットリムーバーは、もともとアライヘルメットという日本のヘルメットメーカーが開発しました。もちろん特許も取得していますが、安全に関わる製品で全てのバイクに乗っている人に普及させることが狙いであったため、他のメーカーが類似品を製造しても異議を申し立てないとされています。
アライヘルメットのように製造メーカーが先駆けて安全対策に向けて力を入れてくれるのは、バイク乗りとして非常にありがたいですね!
安全面以外にも感じるメリット
ヘルメットリムーバーは安全面でのメリットはもちろんのこと、それ以外にも次のようなメリットがあります。
- 汗でヘルメットの内装が汚れにくくなる
- 脱着が楽で耳が痛くならない
ヘルメットリムーバーは頭からすっぽり覆うように装着するため、汗をバッチリ吸収してくれます。もちろんインナーは取り外して洗濯機で洗うこともできますが、毎回汗をかいたら洗濯するのなんて面倒ですよね。
ヘルメットのインナーがあると、ヘルメットが汗でベトつかなくなったり、嫌な匂いがしにくくなるといったメリットがあります。ヘルメットリムーバーの素材自体も抗菌仕様でメッシュ形状のものが多いため、洗濯・乾燥させればかなりお手軽な汚れ対策品となります!
また、毎回ヘルメットを脱着していると、インナーに耳引っかかり、擦れてかなり痛くなるなんてことも。しかしヘルメットリムーバーを装着してヘルメットをかぶると耳が覆われるため、引っかかることなく脱着可能!全く痛くありません!
このようなメリットから、サーキットだけでなく街乗りライダーが使用してもかなり便利なアイテムとも言えますね!
日本のレースでは装着は義務化されている!
ヘルメットリムーバーは2006年から国内のすべてのバイクレースで装着が義務化されています。ただし、MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)公認のレースではということですので、イベントレースなどの草レースでは装着の義務がないことも。
また、Moto GPなどの世界選手権など海外の選手権では装着の義務がありませんので、海外ではまだまだ普及していないとも考えられます。しかし万が一のことを考えると、事故が起こってからでは遅いため、今後は普及が進むのではないでしょうか?
お値段も2,000円以下とお手頃価格であるため、サーキットを走るだけでなく、ヘルメットを被る機会があればセットで装着しておきたいとも考えられますね!
このように、サーキット走行では万が一の事故に備えてかなり真剣に考えられているため、しっかり準備さえすれば、始めるハードルは決して高くはありませんので、興味がある方はぜひ一度サーキット走行に挑戦してみてはいかがでしょう?
参考–Unsplash