この記事の目次
小さいバイクと言えばホンダのモンキーが思い浮かぶ人も多く、「モンキーこそが世界最小!」という人も多いのではないでしょうか?
しかし、実際のところ世界最小のバイクはモンキーではなく「CKデザイン」というメーカーが開発するST-31A、通称「ko-zaru」と呼ばれるバイクなのです。ko-zaruは量産世界最小に排気量31ccのエンジンを搭載し、モンキーよりもさらに小さい車体となっているため、ホビーバイクとして隠れた人気があるのです。
ただし、「モンキーこそが世界最小」という人が多いことからもわかる通り、CKデザインをご存知のライダーが少ないのも事実。せっかく面白いバイクを作っているのに知られていないなんて勿体ないので、今回は世界最小バイクメーカーCKデザインについて見ていきましょう。
CKデザインってどんなメーカー?ちょっと歴史を紹介します
CKデザインは、創業者の佐々木和夫さんにより二輪車設計事務所として立ち上げられた会社です。もともとホンダの研究所で働いていた佐々木さんは、手書き時代の天才的な設計者で、業界内でもその名前が知れ渡っていたそうです。
ホンダ内では将来有望な社員として働いていましたが、「自分の思ったバイクを作りたい」との思いが拭きれず、1980年に思い切って独立します。独立当時は思うようにいかず貧困生活を余儀なくされましたが、バブル期に「全天候型バイク」を開発し、大ヒット。年商数億円にまで上り詰めます。
そしてドイツのオートバイメーカーであるホレックスの製造権を買取り、世界最速の単気筒オートバイの製造に乗り出します。ホイールまで真っ赤に色塗られた644ccのバイクはかなりインパクトがありますね。
しかしいざドイツに売り出しに行こうとした矢先、運悪く経済ショックが起こり借金地獄に陥いってしまいます。一から出直すことになった佐々木さんは、フリーマーケットで偶然草刈りに使われる31ccのエンジンを見つけます。
そして開発されたのが世界最小バイク「ko-zaru」。仔猿と呼ばれる愛称もあってか、ホビー用として徐々に人気商品となり、CKデザインの看板商品となったのです。
CKデザインで販売されているバイク「ko-zaru」を紹介
会社を救うことになった世界最小バイクである「ko-zaru」。一体どのようバイクなのか気になる人も多いはずですので詳しく見ていきましょう。
モンキーよりもさらに小さいko-zaruは、31ccのエンジンを搭載しており、車重はなんと20キロ以下!エンジンを見てみるとわかりますが、草刈機のエンジンをドカッと載せているような感じですね。
このサイズだと乗用車のトランクルームにも入る大きさですので、レジャー気分でどこにでも持ち運びができそう。もちろん保安部品も付いていますので、原付バイクのように公道を走ることも可能です。
さらにこのバイクは東日本大震災が起きた時に災害時の緊急車両として活用できないかと開発も進められているようです。小さいくて持ち運びができる機動力を生かせば災害先でも重宝しそうですね。
バイク自体は非常に小柄ですが、フレームの作りはしっかりしており、180cmくらいの男性が乗ってもゆったり乗れるポジションとなっています。最高速も時速45km/hくらいは出るそう。
さすがにタイヤ系が小さいため道路の段差に気をつけなければいけませんが、街中をちょっと移動する分には他の原付バイクを比べても全く不自由なく移動できるでしょう。
また、「ko-zaru」は組み立て式となっているため、自分でバイクを作る楽しさも詰まっています。1家に1台購入し、お子さんと作っても良いかもしれませんね!
まとめ
現在CKデザインから販売されているバイクはko-zaruのみとなっていますが、高回転エンジンを乗せたりアルミタンクを使用したりと年々進化を繰り返しています。将来的にバッテリーを積むことも考えているんだそう。
作って楽しい乗って楽しいホビーバイクを制作しているCKデザイン。バイク乗りなら今後もこのメーカーから目が離せませんね!