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春本番の陽気が続き、いよいよバイクに乗るのが最も楽しい季節となりました。このタイミングで、バイクの購入または買い替えを検討している方も多いと思いますが、普通自動二輪免許(通称:中型免許)しかもっていないけど、海外メーカーのバイクに乗りたい!と悩んでる方は必見です!
今回は普通自動二輪免許ユーザーのために、400cc以下の海外メーカー新車モデルを厳選してご紹介いたします。
Benelli(ベネリ)「IMPERIALE400(インペリアーレ400)」
1950年代に誕生した銘車MotoBi Imperialesのスピリットを継承し、現代に蘇った「IMPERIALE400(インペリアーレ400)」。骨格となるフレームは鋼のダブルクレードルフレームを採用し、マウントされたエンジンはベネリの技術を集結させた最新の空冷4ストローク単気筒を搭載。
シンプルにまとめ上げられていながらもクラシックかつエレガントな外観は、人気が加熱するネオレトロ好きにはうってつけなデザインではないでしょうか。
また、アナログメーターをはじめスプリング付きのサドルやキャブトンマフラー、砲弾型ヘッドライトなど、装備されるパーツもクラシカルな雰囲気を引き立てます。
エンジン型式 | 空冷 4ストローク単気筒 SOHC |
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排気量 | 374cc |
最高出力 | 15.5kw/5,500rpm |
最大トルク | 29Nm/4,500rpm |
車両重量 | 205kg |
全長×全幅×全高(mm) | 2,170×820×1,120 |
最低地上高(mm) | 165 |
シート高(mm) | 780 |
変速機 | 常時噛合5速リターン |
燃料タンク容量 | 12L |
タイヤサイズ | 前:100/90-19・後:130/80-18 |
価格(税込) | 59万9,500円 |
IMPERIALE400の足つき性
身長170cmの筆者がシート高780mmのインペリアーレ400に跨った際の足付き性は、非常に良好だと感じました。両足べったりとまではいかないものの、少し車体を傾ければしっかりと踏ん張ることができます。また、ハンドルへの距離も最適で、クラシックな見た目同様に落ち着きのあるポジションで、無理のない姿勢でゆったりと乗ることができました。
IMPERIALE400のディテール
レトロなデザインが落とし込まれたアナログタイプのメーター。タンクには一目見てベネリブランドだと認識できるエンブレムと、ニーグリップに最適なタンクパッドを装着。
クラシカルな外観でありながら最新技術を用いて開発された空冷4ストロークSOHC単気筒エンジンを搭載。さらに、美しいヘアライン仕上げが魅力的なキャブトンマフラーを装着するなど、クラシカルなルックスで統一されています。
IMPERIALE400を試乗した感想
見た目は完全にクラシックバイクそのものですが、最新のエンジンを介したキャブトンマフラーが奏でる歯切れの良いエキゾーストノートは非常に気持ちが良く、毎日乗りたくなるようなモデルだと感じました。また、日々の整備や修理が欠かせないビンテージバイクに対して、インペリアーレ400であればクラシカルな雰囲気はそのままに、整備や修理のリスクを気にすることなくバイクライフを楽しむことができます。
過度なパワーは要らない、それよりもずっと愛せるクラシカルなバイクが欲しい、そう考えている方にとって有力な候補となり得るのではないでしょうか。
BMWモトラッド「 G310R」
BMWモトラッドの小型排気量モデル「G 310 R」は、シティーユースを前提に造られたモデルであり、同社S1000RのDNAを色濃く受け継いでいます。
独自設計の単気筒エンジンを搭載し、新たに追加された電子制御スロットルシステム「ライド・バイ・ワイヤー」を採用することで、スロットル・レスポンスが常に安定しているほか、自己倍力作用を持つスリッパークラッチがライダーの負担を軽減し、簡単なギア操作を可能にしています。
規制の厳しいEURO5に適合しながらも歯切れの良いエキゾーストノートを響かせ、乗るたびに純粋な喜びを与えてくれるバイクです。
エンジン型式 | 4ストロークDOHC 水冷 単気筒 |
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排気量 | 312cc |
最高出力 | 25kW(34PS)/9,250rpm |
最大トルク | 28Nm/7,250rpm |
車両重量 | 164kg |
全長×全幅×全高(mm) | 2,025×820×1,120 |
最低地上高(mm) | – |
シート高(mm) | 785 |
変速機 | 常時嚙合式 6段リターン |
燃料タンク容量 | 11L |
タイヤサイズ | 前:110/70 R17・後:150/60 R17 |
価格(税込) | 68万1,000円〜 |
G310Rの足つき性
スポーティーなスタイリングということもあり、シート高がきつく見えがちですが、実際にまたがってみると軽量な車重と相まって意外と足付き性は良好に感じました。また、程よく張り出したタンク形状が絶妙にニーグリップしやすく、安定して走行することができました。
G310Rのディテール
メーターは視認性に優れたデジタルディスプレイを採用。モダンな印象を与えるヘッドライトをはじめ、ウインカーやテールライトもLED仕様。
造形の美しいガソリンタンクの容量は11Lで、うち1Lはリザーブとして機能します。切り返されたコンソールのデザインもオシャレですね。
アルミキャストスイングアームに取り付けられたリアサスペンションはプリロード油圧調整式なので、好みに合わせて調整が可能。
G310Rを試乗した感想
BMWモトラッドのラインアップはほとんどが大型モデルであるなか、唯一、普通二輪(中型)免許で乗れる400cc以下のバイクということもあり、G310Rに乗ったことのなかった筆者としては勝手に期待に胸を膨らませていました。実際に車両を見た第一印象としては、まず車両が醸し出す高級感が別格!さらに、細部に目を落としても、美しく造形されたパーツや配線処理の綺麗さにうっとりしてしまいました。
バイクに跨りエンジンを始動すると、小気味良いエキゾーストノートとパルス感によって自然と心が躍ります。走行時の乗車姿勢もしっかりと計算されており、人馬一体と言わんばかりの操作性の良さに感動しました。
4oocc以下のバイクとは思えないほど贅沢かつハイスペックなモデルではないでしょうか。
Husqvarna Motorcycles(ハスクバーナ・モーターサイクルズ)「Svartpilen 401(スヴァルトピレン401)」
2022年モデルの「Svartpilen401(スヴァルトピレン401)」及び「Vitpilen401(ヴィットピレン401)」は、グラフィックが一新されたほか細部がグレードアップされています。
ブレーキにはブレンボグループのByBre製を採用しており、ボッシュ製ABSを搭載。ヘッドライトとテールライトはLEDを標準装備し、WP製アジャスタブルサスペンションやイージーシフトも備わっています。
ちなみに、車両名のSvartpilen(スヴァルトピレン)は日本語で「Svart(黒い)+Pilen(矢)」を意味します。
エンジン型式 | 水冷 DOHC 単気筒 |
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排気量 | 373cc |
最高出力 | 32kW(44PS)/9,00rpm |
最大トルク | 37Nm/7,000rpm |
車両重量 | 152kg |
ホイールベース | 1,357 |
最低地上高(mm) | 120 |
シート高(mm) | 835 |
変速機 | 6速 |
燃料タンク容量 | 9.5L |
タイヤサイズ | 前:110/70 R17・後:150/60 R17 |
価格(税込) | 78万7,000円 |
Svartpilen 401の足つき性
Svartpilenシリーズは125cc、250cc、400ccクラスの3種類があり、どれもシート高は835mmとやや高めの設定。足付きがキツイのであれば、車高調整及び、オプションでスプリングを交換(別途)してシート高を下げることも可能です。
しかし、このシート高はメリットもあり、渋滞時は先の情報をいち早く目視することができるほか、ツーリングではいつもより高い位置から景色を眺めることができます。何より車重が軽量ですので、少し傾ければしっかりと足が着きますのでご安心を!
Svartpilen 401のディテール
中央のヘッドライト及びリング状のポジションランプはLEDを採用。円形にまとめ上げられたユニークかつミニマルなデザインのデジタルディスプレイユニット。サイドのボタンを操作することで、「ロード」と「スーパーモトモード」の2種類からABSのモードを切り替えることができ、シーンに合わせて飽きのこないライディングが楽しめます。
Svartpilenシリーズのアイコンでもある美しいデザインのタンクキャリアは、乗車毎に愛でたくなるほど完成度の高い形状。2022年モデルより採用されたサスペンションは信頼のWP製アジャスタブルサスペンションを装着。
Svartpilen 401を試乗した感想
ハスクバーナ・モーターサイクルズのセンスが詰め込まれた、唯一無二の独創的デザインが支持を集めるSvartpilen 401。エンジンスペックだけを見るとマイルドな特性かと思いきや、実際に乗ってみると刺激溢れるトルクフルな乗り味であり、走れば走るほど魅力を感じました。また、イージーシフトの採用によってシームレスにシフトをアップ・ダウンできるという点も”乗る楽しさ”を引き立てます。
バイク初心者からベテランさんまで存分に楽しむことができるアグレッシブでパワフルなバイクでしょう。
Husqvarna Motorcycles(ハスクバーナ・モーターサイクルズ)「Vitpilen 401(ヴィットピレン401)」
スクランブラーモデルであるSvartpilen(スヴァルトピレン)=黒い矢に対し、Vitpilen(ヴィットピレン)は「Vit(白い)+Pilen(矢)」を意味するカフェレーサーモデルです。
KTM「DUKE390」譲りの高性能エンジンや。軽量かつタフなスチール製トレリスフレームなど、基本構造はスクランブラーモデルであるスヴァルトピレン401と同様のものが採用されていますが、カフェレーサータイプであるヴィットピレンはセパレートハンドルやバックステップ、ロードタイヤなどに変更されています。
エンジン型式 | 水冷 DOHC 単気筒 |
---|---|
排気量 | 373cc |
最高出力 | 32kW(44PS)/9,00rpm |
最大トルク | 37Nm/7,000rpm |
車両重量 | 151kg |
ホイールベース | 1,357 |
最低地上高(mm) | 120 |
シート高(mm) | 835 |
変速機 | 6速 |
燃料タンク容量 | 9.5L |
タイヤサイズ | 前:110/70 R17・後:150/60 R17 |
価格(税込) | 76万7,000円 |
Vitpilen 401の足つき性
Svartpilenシリーズ同様に、Vitpilenのシート高は835mmに設定されているので、170cmでなおかつ足の短い筆者には、やや高く感じました。セパレートハンドルによる前傾姿勢もシート高が高く感じる一つの要因かもしれません。
しかし、走り始めてしまえば、バックステップとセパレートハンドルによる攻撃的なポジショニングによって、とにかく「楽しい!」のです。眺めても美しく、乗っても楽しいバイクであるVitpilen。販売が好調な理由も頷けます。
Vitpilen 401のディテール
Svartpilen401と同じくヘッドライトはLEDが採用され、メーターはデジタルディスプレイユニットを装着。
ハンドルはセパレートハンドルが採用されており、ライダーがバイクに跨った状態で最も美しいシルエットに仕上がっているように感じました。
トレリスフレームに格納されたエンジンはライドバイワイヤーシステム(電子式燃料噴射)で制御され、ライダーのアクセルワークに合わせてレスポンスよく反応してくれます。
Vitpilen 401を試乗した感想
カフェレーサースタイルということで前傾姿勢になるものの、非常に運転がしやすく、151kgという軽量さからハンドリングも軽く感じました。また、取り回しも楽に行えるので、400ccクラスではかなり扱いやすい印象を受けました。
カフェレーサータイプのVitpilen 401は、スクランブラータイプのSvartpilen 401と共通コンポーネントでありながらまったく別の乗り物であり、どちらも非常に高いレベルでデザインされた魅力溢れるバイクではないでしょうか。
普通自動二輪免許で乗れる400ccクラスの輸入新車の紹介でしたが、どのバイクも魅力的でしたね。
250ccクラス、125ccクラスで検討している方は、合わせてこちらの記事をご覧ください。